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2014/03/18

クリミア問題って、よくわからないんだけど

クリミア共和国のロシア編入が、国際的に大問題となっている。ロシアは 「クリミア人が国民投票で決めたこと」 と主張し、欧米諸国と日本は 「国民投票はウクライナ憲法違反であり、国際法上も認められない」 と言っている。

これ、部外者には本当によくわからないことで、例えば欧米側の主張を表面的にみると、暴力的なクーデターで親ロシア派のヤヌコーヴィチ前大統領を追い出すのは OK だが、平和的な国民投票で自分たちの帰属を決めるのはまかりならぬという、妙なことになる。端っこの方のクリミア共和国は、ロシア系住民が多いというのだから、あっさりロシアにくれてやってもいいじゃないかという見方だってできる。

しかしそれを言い出したら、極端なことをいえば、在日韓国人がこぞって日本に帰化して住民票を竹島に移し、「我々は韓国に併合してもらいたい」 なんて主張して住民投票で通してしまったら、それを認めざるを得ないなんてことになる。まあ、これはあり得ないだろうけど、すべての事象は一見似通っていたとしても、個別の事情があり、一概には決めつけられない。

クリミア共和国の場合は、ロシア系住民が多いとはいえ、それは元々そうだったというわけじゃなく、かつてはイスラム教徒のクリミア・タタール人が多く暮らしていた土地だったようである。そこにロシア人が領土拡張主義に沿い、帝政ロシア時代から意図的に入植を進めてきたという歴史があるようなのだ (参照)。

つまり、「ロシア人の土地なんだから、ロシアに返せばいいじゃないか」 というわけでは、決してないのである。中央アジアから東ヨーロッパにかけての民族の入り交じった地域は、これだから問題が複雑化する。

あまり報道されていないようだが、最近はクリミア・タタール人の帰還運動というのも出てきているらしく、それならば、彼らにとっても帰るべき土地がロシア領土なんかになってしまうのは、何となくやりにくいだろう。下手すると、チェチェン問題みたいなことになりかねない。

ウクライナ人としては基本的に、ずっとロシアに押さえつけられてきたのだから、それはもうごめんだという意識があるのだろう。人情としても、自由と人権がより保証される EU 圏に入りたいというのは、「そうだろう、そうだろう、そりゃそうだよね」 と理解できる。だから、私としては心情的に欧米側に肩入れしたい気がする。

ただ、問題は単純ではない。背景には政治的、経済的な複雑さがある。大から小に至るまで、もめ事というのは欲得ずくのぶつかり合いだから、お互いに譲れない。人間の業の深さを嘆かずにはいられない気がするのである。

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コメント

ううむ…(´・ω・`)

投稿: ひろゆき | 2014/03/19 22:27

ひろゆき さん:

世の中、簡単に答えのでないことばかりです。

投稿: tak | 2014/03/20 18:56

クリミア問題はよくわからなくて
「クリミア問題をサザエさんに例えて教えてください」
ってトコを最初に見てどうなってるのか納得したけど
ココ見てまた納得 どっちも正義で悪 な気がしてきた

1つの事件も見る角度でほんと全然ちがいますね
興味深い記事でした ありがとう

 今は台湾に注目しています いずれは沖縄もなんとかなればなー

投稿: Yさん | 2014/03/21 20:15

Y さん:

サザエさんに例えた解説を読んでみました。

最初の状況設定、つまり、もともと磯野家(ロシア) の庭だったところに、カツオ(西ウクライナ) が 花沢さん (EU 側) と結婚して家を建てた (独立した) というところ、ソビエト連邦以後の歴史しか反映していないかなと感じました。

波平が戦後のどさくさに紛れて自分の所有地にしてしまったというような説明があれば、よりよくわかるように思います。

投稿: tak | 2014/03/22 13:10

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