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2014/03/27

きんぴらごぼうと金太郎

「きんぴらごぼう」 という食べ物があるが、この 「きんぴら」 という言葉の語源は、足柄山の金太郎に関係がある。これを知る人は少ない。

熊と相撲を取ったとして有名な足柄山の金太郎は、長じて源頼光に認められ、坂田金時として渡辺綱、卜部季武、碓井貞光とともに 「頼光四天王」 と呼ばれるまでになった。彼の実在性はかなり疑わしいらしいのだが、まあ、とにかくそういうことになっている。そしてその子どもが、坂田金平 (さかたのきんぴら) である。

この坂田金平は父の金時にも劣らぬ剛力無双の人物で、化け物や妖怪を次々に退治したと伝えられる。ただ、父の金時は 「実在が疑わしい」 で済んでいるが、金平の方の実在性は完全に否定されていて、まったくの想像上の人物である。ただ、江戸時代初期の明暦年間に、その荒唐無稽な化け物退治潭が古浄瑠璃として語られ、大人気となった。金平物の浄瑠璃を 「きんぴら浄瑠璃」 といい、歌舞伎に翻案されると 「きんぴら歌舞伎」 になった。

当時、ごぼうは精のつく食べ物と考えられていたので、「これを食えば、坂田金平のように強くなれる (かも)」 ということで、ごぼうを煮て作った食べ物に 「きんぴらごぼう」 の名がついたと伝えられる。

ほかに、固くてがっちりした飴は 「金平糖」 と名付けられ、さらに当時は、太くて無骨な縞模様の織物の 「金平縞」、丈夫な足袋の 「金平足袋」、にかわを混ぜて粘度を強くした 「金平糊」 というのまで流通していた。今に残るのは 「きんぴらごぼう」 と 「金平糖」 だけだが、江戸初期に坂田金平の人気がいかに高かったかを物語る。

ちなみに 「きんぴら歌舞伎」 というと、「金比羅歌舞伎」 からの連想で、坂田金平と金毘羅宮は関係があるのではないかと、つい考えたくもなるが、残念ながらまったく関係がない。

金刀比羅神社の 「こんぴら」 は、ヒンドゥー教の神、クンビーラから来ている。元々はガンジス川のワニが神格化された水神で、後世に海上交通の守り神となった。それが日本に伝えられ、四国の讃州中郡で象頭山金比羅大権現として祭られるようになったわけである。

大国主命 (大国様) が、音の一致からこれもインド発祥の大黒天と一緒になって、ごっちゃに祭られることが多いのとは違い、金比羅と金平は一緒にはならなかったようなのである。「き」 と 「こ」 の違いは大きい、というか、江戸時代ぐらいになると、少しは人々もソフィスティケイティッドされて、なんでもかんでもごっちゃにしてしまう素朴さは薄れてしまったのかもしれない。

歌舞伎十八番 『助六』 には 「くわんぺら門兵衛」 という端敵が出てくるが、金比羅様が関係ないのだから、ますます関係がない。

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コメント

去年はしてやられましたが、まさか5日も前に? ではないですよね。

投稿: taro | 2014/03/30 16:43

taro さん:

これはマジです。
私はウソとちょんまげはゆうたことないです ^^;)

投稿: tak | 2014/03/30 22:22

ご無沙汰いたしております。

♪象頭山金毘羅大権現、一度回れば。

あぁ、年度末。
しゅらしゅしゅしゅ~っと仕事こなしたい…。

投稿: 乙痴庵 | 2014/03/31 21:31

乙痴庵 さん:

忙しそうですね ^^;)
もう月末ですよ。

投稿: tak | 2014/03/31 21:51

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