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2014/04/22

なるほど、日本のロックは 「邦楽」 なのかもしれない

その昔、バブルの頃は日本のミュージシャンがわざわざ外国に行って、現地のスタジオ・ミュージシャンを起用してアルバムの録音をするなんてことが、ごくフツーに行われていた。日本にだって優秀なプレイヤーはいくらでもいるのに、外国の人間をわざわざ使いたがったのである。

どうしてそんなことをするのかと言えば、やはり出来上がったときの 「音」 が違うからだとしか言いようがない。欧米のミュージシャンの演奏は、やはりどこかノリが違うのだ。

今どき、日本のミュージシャンの音楽を 「邦楽」 だなんていうが、このジャンル分けは、単に 「日本製の曲」 であると言っているだけで、そのほとんどは音楽的には完全に 「洋楽」 である。

私は 3年半前に書いた "「邦楽」 と 「洋楽」 " という記事で述べたように、最近の 「邦楽/洋楽」 のジャンル分けには違和感ありまくりである。西洋人が作曲して、日本人が作詞して、日本人と西洋人の入り交じったバンドが演奏したら、邦楽と洋楽のどっちに分類されるんだろう? 日本のレコード会社から発売されたら 「邦楽」 ということにしちゃうんだろうね。きっと。

しかし、細かいことを言えば、今どきでいう 「邦楽」、つまり日本製の洋楽 (ここでは、主にロック) は、まったく初めての曲でもイントロをちょっと聞いただけで、つまり日本語の歌詞が聞こえてくる前に、案外簡単に 「日本製」 とわかる。

ちょっと聞いただけでは日本語とは気付かないような (どう聞いても英語じゃないのはわかるのだけど)、涎垂らしながら歌ってるような、かなり気持ちの悪い発音のボーカルや、歌詞の出だしが英語だったりする曲を聞いても、日本製の洋楽はすぐにわかる。そういう意味では、確かに 「邦楽」 なのかもしれない。

どこが違うのかというと、日本製の洋楽は、極端すぎるのである。ワイルドな演奏だと、単純ワイルド以外に何の芸もない。つまりワイルドでありさえすればロックだと思っているし、その対極みたいに凝ったアレンジや高度なテクに走ると、大抵 「整い過ぎ」 なのだ。今どきのアイドル路線にしても、そのアレンジは 「整い過ぎ」 に変わりはない。

何と言うか、「自然のゆらぎ」 っぽい要素が少ないのだよね。日本人はこれだけ西洋の音に慣れたようでも、自分でやろうとすると、まだどこか 「よそゆき」 なのだ。

例えで言えば、ちょっと前までの日本製の自動車のデザインって、やっぱりどうみても日本製とわかった (最近はだいぶこなれてきた) ように、どんなに尖ったことをしても、最終的にはどうもまとまりすぎてるというか、おさまりがよすぎるというか、そんなところがある。たまにワイルドなイメージに走ると、今度は稚拙過ぎてしまう。

そういえば、1950年代の白人のロックンロールってそんな感じだったかもしれない。その意味では、日本のミュージシャンは今、「洋楽」 に懸命に馴染みつつある過程なのだろうね。

ただ、モノのわかったミュージシャンは、そうした日本的洋楽なるものの特徴を換骨奪胎して、おもしろいものにする術を獲得している。その走りは、はっぴいえんどだったり、YMO だったりしたのだよね。別の種類の 「ゆらぎ」 でこなしてみたり、そもそも 「ゆらぎ」 を意識的に排除したりということになるのだと思う。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

きゃ~
tak-shonaiさんがシンガーソングライターをされておられたことが
おありだったなんて~~~!!!!
びっくりしました~~~っっっ!!!!

いつもtak-shonaiさんのブログを読ませていただいているつもりでしたが
案外私は、読破してはいなかったんですね!
そうか~なるほど
短歌のほうでお付き合いした年月が多かったのでした。

投稿: tokiko6565 | 2014/04/23 05:59

tokiko さん:

私がシンガーソングライターをしていたのをご存じなかったんですね。

でしたら、8年前の「追憶の荻窪ロフト '75」という記事を御読みください (^o^)

http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2006/02/post_879f.html

投稿: tak | 2014/04/23 20:03

私なんか青春期はオールディーズ
それからしばらくしては、
いきなりモダンジャズにのめり込んでしまったという
進駐軍文化に染まっていた人間なんで(笑)
私の母親が宝塚ファンで、日本の芸能を軽蔑していたDNAが、私にも(笑)
娘から、Jポップスを教えられたときはびっくりしました
なんとも、和魂洋才的な音楽だなと(笑)

日本人だけど洋モノの方がしっくりくる
そんな人間なんで、すみません
だけど、朱鷺子さんもそうだけど戦後の若者は
映画は洋画
音楽は欧米
そんな時代だったんですよ
今の若者より、ある意味、ずっとバタ臭かったかな?

投稿: alex99 | 2014/04/24 22:00

alex さん:

>映画は洋画
>音楽は欧米

私もそんなところがあります。

ただ、純邦楽にもかなり馴染んではいるんですがね。
カラオケに「かっぽれ」 や 「梅は咲いたか」 がないんで、かなり不満です ^^;)

投稿: tak | 2014/04/25 08:48

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