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2014/06/23

鈴木章浩議員の 「リスク・マネジメント」 の稚拙さ

例の都議会でのセクハラ野次で、自民党の鈴木章浩という議員が、今頃になって野次を飛ばしたのは自分であると認め、謝罪記者会見を開いた。毎日新聞がその一問一答を記事にしている (参照) が、それを読む限り、「この人、まだ肝心な部分がわかってないな」 というのが、みえみえである。

反省の内容がお粗末というのが明らかだが、それに関してはどうすることもできないので、ここでは彼のリスク・マネジメントが政治家として稚拙すぎるということについて述べる。

まず、冒頭の発言として、鈴木氏は次のように発言したとされる。

この度、私の 「早く結婚した方がいいんじゃないか」 という発言で、塩村議員、都議会のみなさまに心痛を与えたことに心からおわび申し上げます。しっかりと反省し、都議会自民党を離脱して、初心に帰って頑張っていきたい。

つまり会見における肝心の冒頭では、「心痛を与えた」 としておわびする対象が、「塩村議員、都議会のみなさま」 に限定されているのだね。彼は自分の発言が多くの日本人だけでなく、報道を知った外国人までむかつかせてしまったことを、多分、意図的に無視している。つまり、必死になって問題を矮小化しようとしている。これでは、かえって反発を買う。

そして、「しっかりと反省」 して、「初心に返って頑張って」 いきさえすればいいと思っている。しかし、その 「反省」 の中身というのが、かなり覚束ないのは、冒頭の発言だけでなく、「どうして不適切な発言をしたのか」 という質問に対しての回答からもわかる。次のように、ずいぶん見当外れの謝り方なのだ。

少子化、晩婚化の中で早く結婚をしていただきたい、という思いがある中であのような発言になった。本当にしたくてもできなかった方への配慮が足りなかった。深く反省しています。

要するに、彼の言う 「反省」 の中身は、「本当に (結婚) したくてもできなかった方への配慮が足りなかった」 ということに尽きるようなのである。これについては、「そういう問題じゃないだろう!」 という反発を買うだろう。

鈴木氏は、「本当に (結婚) したくてもできなかった方」 に対してだけでなく、「結婚という選択をしなかった女性」 に対して、より配慮が足りなかったことに、全然気付いていない。さらに言えば、女性全般に対しての配慮も足りていない。既婚の女性からしても、決して気分のいい発言じゃなかったのだから。

個人的に鈴木氏が 「少子化、晩婚化の中で早く結婚をしていただきたい」 と望むのは、理解できないわけじゃない。しかし、彼は自分の願望のみが正しくて、「望ましいのは結婚する女性で、しない女性は困った存在」 と思っているらしく、それだからこそこんな発言になる。

この発言からは、「結婚しない人生を選択した女性なんて、配慮する必要がない」 と、彼が考えているのだと理解されてしまう。そして、それは多分正しい理解なのだろう。それは、実際に彼が 「本当に (結婚) したくてもできなかった方への配慮が足りなかった」 としか言っていないのだから、しょうがない。

彼の 「結婚する女性こそが正しく、結婚しない女性は困りもの」 という固定観念は、今さらどうしようもないかもしれない。ただ政治家である以上、「心からの」 でなくてもいいから、少なくとも 「政治的な配慮」 のある発言をしてもらいたいと思うのだよね。

さらに言えば、彼の言う 「本当に (結婚) したくてもできなかった方」 というのも、かなり失礼な言い方で、「放っといてんか!」 と言いたくなるような話である。謝られてかえって腹が立つとは、こういうことである。この人、本当に謝り方が下手だ。多分、これまでの人生であまり謝ったことがないのだろう。

それで今回はどうしていいかわからず、ここに至るまでコソコソと振る舞って、自分の小心さを露呈してしまうということになったんだろうね。

【6月 25日 追記】

この問題について、私は上記の本文に

鈴木氏は、「本当に (結婚) したくてもできなかった方」 に対してだけでなく、「結婚という選択をしなかった女性」 に対して、より配慮が足りなかったことに、全然気付いていない。

と書いた。しかし、このことに関する明確な指摘が世間では少ないのに驚いている。

鈴木氏の根本的な勘違いは、この点 (「結婚しない選択をする女性なんて、配慮の対象外」 という、なかば無意識的に近いがそれだけに根強い考え) にあるはずなのだが、世間では 「本当に (結婚) したくてもできなかった方」 とは、「大きなお世話」 というのがまだマシという程度で、根本部分には触れられていない。

こうした問題は、謝りゃいいというわけじゃない。謝っても、その基本コンセプトが見当違いだったら、そこを正さなければ意味がない。

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コメント

誰のおかげで議員になれたと思っているんだ!

わざわざ投票所に出向いて一票を投じてやったのに!


たまには、「上から目線」でモノを申してみました。

投稿: 乙痴庵 | 2014/06/24 15:39

連投スンマセン。
肝心なサゲを忘れていました…。

「都民じゃないけど。」


がっかりされた皆様に、深くお詫びを申し上げます。
初心に帰って…(後略)。

投稿: 乙痴庵 | 2014/06/24 15:43

乙痴庵 さん:

「都民じゃないけど」で、座布団三枚 (^o^)

鈴木さんという議員、日本人の誇りを守るために尖閣諸島に上陸されたそうですが、結局日本人の恥さらしになってしまいましたね。

投稿: tak | 2014/06/24 23:41

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