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2014/07/29

スマホ普及率と、日本の平和

「ニュースの教科書」 に、「日本のスマホ普及率予測が低いのは高齢化が原因?。それとも固定への過剰投資?」 という記事がある。米国の調査会社の最新予測によると、日本のスマホ普及率は現在 54.2%だが、4年後の 2018年になっても 63%にとどまるというのである。

ちなみに 2018年時点でのアジア太平洋地域でのスマホ普及率予測は、韓国が 75.8%、オーストラリアが 71.5%、そして日本が 63%となっている。日本は韓国に比べて 12ポイント以上も低い。

その要因としてあげられているのが、日本の高齢化人口比率が高いことと、固定回線重視の政策でインフラ整備が進められたことの 2つだ。なるほど、高齢者の世界では、そもそもガラケーすらあまり普及していない。「電話は家にあるから、それでいい」 ってなもんである。

私の父の生前にもガラケーを持たせたことがあったが、普段はスイッチを切ってしまうので、全然役に立たなかった。妻の父は米寿を超えて健在で、一時ガラケーを持たせたが、やはりほとんど実効的じゃなかった。もちろん、高齢者でもスマホをバリバリ使いこなしている人もいないではないが、知る限りはごく希な存在である。

今年 5月に 「七三分けのヅラと 4ドアセダン」 という記事を書いて、今年 66〜7歳以上の世代は、ヅラなら七三分け、車なら 4ドアセダンを、「準制服」 の如くに選択すると書いた。そして彼らは、ケータイならほぼ自動的にガラケーを選び、75歳以上の高齢者になると、多くはガラケーすら持ちたがらない。

ガラケーを選ぶ人たちにとっては、「インターネットは家か会社でするもの」 であり、スマホを使って 「いつでもどこでもインターネット」 なんてのは、「やりすぎ」 と思っている。あるいは、インターネットそのものと無縁の人たちもいる。

一方、ちょっと目新しい話題が出る度に、気軽にスマホを使って検索してみるという人もいる。例えば 「IPCC の報告によると〜」 なんていう文章が出てきたら、ごく自然にスマホを取り出してググり、「気象変化に関する政府間パネル (Intergovernmental Panel on Climate Change)」 のことと納得するのは、大抵の場合、私より若い世代で、しかも知的好奇心旺盛なタイプだ。

こんなケースで、4ドアセダン、七三分けのヅラ、ガラケーをほぼ自動的に選択する世代は、「また、わけのわからない英語が出てきやがったな」 とうんざりし、スマホでさりげなくググっている者をみて、「こんな時に、なんでメールなんかしてるんだ!」 と、内心ムッとする。

7年前に 「世間がそれほどググらないのは」 という記事を書いた時点では、気軽にググって調べ物をするのは、

普段自分の目の前にパソコンがあって
基本的に電源が入っていて
だいたい常にブラウザが立ち上がっていて
デフォルトページに検索窓がある

という人たちということになっていた。そして 7年前にこの条件を満たしていた人たちは今、ほぼ確実にスマホを使って、いつでもどこでもググってしまう人になっている。

私なんかちょっと疑問に感じたら、その場でググってしまわないと、気持ち悪くて眠れない人になってしまった。そして困ったことに、一度ググってしまうと次から次に疑問が湧いて、延々とググり続けることもある。

で、スマホを持たない人というのは、乱暴を承知で私流に言ってしまうと、「ちょっとググればすぐにわかることを、わからないままに放っておいても、ちっとも気持ち悪くならない人」 である。自分で調べなくても誰かが調べてくれると思い、たとえ誰も調べてくれなくても、日本は平和だから大丈夫と思っている。

ああ、わかった。日本のスマホ普及率が案外低いままで、スマホを持っていても必ずしも 「気軽にググる」 ってわけではないのは、とにもかくにも 「日本が平和だから」 である。あくせく自分で情報を集めなくても、身の安全は確保されている (と思っている) からである。

こう書くと、中には人格攻撃されたと思ってヒステリックに逆襲してくる人がいないとも限らないので、念のために言っておくが、これは 「乱暴を承知で言っている」 のであり、たとえ少しは当たっていたとしても、スマホを持たないのは別に 「悪いこと」 でも 「困ったこと」 でもない。私は悪いことでも困ったことでもないことで、人を責めたりはしない。

ところで、3年前に死んだ私の父なんかはかなり異色の人で、デジタル機器との親和性は皆無だったが、疑問点はとにかく調べてみないと気が済まず、しょっちゅう図書館に行っていた。単純に情報量だけでいえば、ネット時代を生きる私の方がずっと上だが、あの姿勢は尊敬に値するものだった。

私がググらないと気持ち悪くてしょうがない性分なのは、つまりは父の遺伝なのかもしれない。

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