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2014/10/25

日本人と砂糖

料理にこんなにも砂糖を使うのは、日本料理だけという話を聞いたことがある。西洋料理ではデザートにこってりと甘いケーキを食べるので、料理には砂糖をほとんど使わないという説もある。中華料理でも砂糖を使うが、日本料理ほどには使わないらしい。

確かに、日本語で書かれた料理のレシピ本や料理番組を見ると、多くの料理に砂糖を信じられないほどふんだんに注ぎ込む設定になっている。その通りのレシピで料理してしまうと、甘すぎて閉口してしまう。外食も多くの場合、私の口には甘すぎる。

外国のレストランで出される料理は口に合わないという日本人が案外多いが、私はどこに行っても、料理が口に合わないと思った経験がない。むしろ外国の方が 「甘くない料理」 が多いので、口に合ったりするほどだ。最後に出されるギトギトに甘ったるいデザートには閉口するが。

18歳で上京して自炊生活を始めた頃、一応砂糖というものも買い置きした。しかし料理本のレシピ通りに砂糖を使うと、かえってまずくなるし、コーヒーもブラックで飲むので、ほとんど減らない。最初に買った砂糖が、ほとんど手つかずに近い状態で戸棚の奥に 3年ぐらい残っていて、ついには捨ててしまったという記憶がある。

私の妻も、砂糖に関してはほとんど同じ考えをもっていて、現在、我が家にある砂糖といえば、来客用のコーヒーシュガーと、茶色っぽい粗糖である。粗糖はパン作りに使う天然酵母を育てるためと、たまに佃煮っぽい料理を作る時に使う。白砂糖よりも複雑な甘みがあっておいしいと思う。そばつゆにも、砂糖は使わない。

ところで、西洋料理では砂糖をまったく使わないのかといえば、決してそんなことはなく、フランス料理でも、ガストリック・ソースに砂糖を使うという。しかし、一般論としては料理にふんだんに砂糖を使うというのは、見たことも聞いたこともない。ましてや、肉料理に砂糖をぶち込んでまるで甘露煮みたいにするなんてことはない。

ただ日本にしても、砂糖がこんなにふんだんに庶民の手に入るようになったのは明治以後であり、江戸時代になるまでは貴重品扱いだった。だから、なんでもかんでも砂糖をどっさり入れるようになったのは、近代以後の話なのだと考えられる。

昔、業界新聞の記者をしていた頃、戦前生まれの編集長が、「小学校の頃、教師が 『君たち、この戦争に勝ったら、砂糖の土俵で相撲をとらしたる』 というのを聞いて、『こらぁ、頑張って是非とも戦争に勝たなあかん』 と思うたもんや」 というのを聞いた。私は思わず 「うわぁ、体べとべとになりますやん」 と反応してしまい、「そうか、君はそんな世代か」 と悲しませてしまったのを覚えている。

世代論的にいえば、日本人の砂糖消費は、1985年には 1人あたり年間 21.9kgだったものが、2010年には16.4kgにまで減ったとされている。なるほど、年配の人ほど甘い物好きで、コーヒーにも砂糖をどばどば入れたがるという印象がある。

ただ、日本人は料理には砂糖をたくさん入れたがるが、むちゃくちゃ甘いデザートをどっさり食べるという習慣はない。だから 1人あたりの砂糖消費量は、世界でも少ない方の部類に入るらしい。ブラジル人やオーストラリア人は、日本人の 3倍以上の砂糖を消費するという。

私は砂糖はあまり摂取したくないと思っているが、砂糖業界にいわせると、「砂糖が糖尿病の原因になるというのは誤りで、糖尿病は総体的なカロリーの摂りすぎによる。砂糖は即効的なエネルギーになるし、脳が活性化するので、積極的に摂るといい 」 ということらしい。

しかしそれは、「カロリーの摂りすぎはよくないが、砂糖で摂る分には、話が別」 という、ちょっと矛盾した言い方に聞こえるのだよね。この考えに沿って砂糖をどんどん摂ったら、実際にはその分だけ他の食べ物を制限しなければならない。砂糖以外においしいものがたくさんあるのだから、それはもったいないというのが私の考え方だ。

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