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2015/02/27

『自転車の安全鉄則』 を読んで

5日前の 「自転車乗りになって 3か月」 という記事へのコメントで山辺響さんが薦めてくださった『自転車の安全鉄則』 (疋田智著・朝日新書) という本を、さっそく Amazon で注文して読んだ。まんまと Amazon の策略に乗って同時に注文した 『自転車が街を変える』 (秋山岳志著・数映写新書) の方は、これから読むので、とりあえず 『自転車の安全鉄則』 の方について書く。

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帯にある 「左側通行さえ護れば、年間 400人の命を救える!」 というコピーは、驚きでもなんでもなく、「まさに!」 と納得する。内容としては、日本は世界第 3位の自転車王国でありながら、自転車に関する社会的インフラ整備などがものすごく遅れているという現状指摘から始まり、自転車は車道を走るという原則論と、それを徹底する際の日本における矛盾についても述べている。

そしてヨーロッパ、とくに自転車先進国といわれるオランダの例を紹介しながら、こうすれば、安全でエコで都市生活においては最も効率的な移動手段である自転車が普及し、活用されるに違いないという結論に導かれる。この内容については、いちいちもっともなことと納得する。特別画期的なことではなく、既に知っていることの方が多いが、まとめて確認すると 「なるほどね」 ということになる。

ただ、疋田氏が自ら 「理想論」 と、やや斜に構えて指摘せざるを得ないほど、日本においては矛盾のフォーカス・ポイントとなっている 「自転車の車道走行」 ということに関しては、私は 「それはまさにその通りなのだけれど、実際には田舎の道では歩道通行の方がいい場合もあるんだよね」 と言わざるを得ない。

それに関しては、"「自転車は車道」 の原則は、地方都市ではまったくの愚策" という 4年ちょっと前の記事で書いたとおりである。誤解のないようにこの記事の中のセンテンスを以下に引用しておく。

歩道上で歩行者と自転車がぶつかりやすいのは、歩行者がぞろぞろ歩く中をぬって自転車が走る都会に限ったお話で、地方都市では限られた繁華街以外では、歩道なんて誰も歩いておらず、ガラガラなのである。どうせガラガラなら、それを無駄にせず、自転車に使わせてやる方がいいというのは、誰が考えてもわかる。

さらに、自転車が歩道通行すると、クルマから自転車の存在を確認しにくく、その結果自動車との事故も増えるということに関しても、地方の県道なんかでは車道と歩道とは一列の縁石で区切られているだけということが多く、車道のクルマから歩道の自転車が確認しにくいなんてことはない。

都会では自転車は歩道を通行すべきではないというのは、私としても両手を挙げて賛成である。しかし、地方では様相がかなり違っている。車道は大型トラックなどは常にセンターラインを右側のタイヤで踏みながら走らなければならないほど狭い。そして歩行者なんて 1時間に 2〜3人いるかどうかという程度なので、歩道は常にガラガラである。だったら、そのガラガラで、しかも車道から丸見えの歩道を、自転車に解放してやる方がずっといい。

とはいいながら、私自身のことをいえば、原則として車道を走っている。常に時速20キロ以上 (平坦路なら多分 25キロ以上) で走っている身としては、歩道を走ると、トロトロと (2列並んで走る中高生も多い) 行くママチャリを常に追い越さなければならないので、かえって危険である。車道の方がまだ安全だ。

車道を走るクルマの側からも、スポーツタイプの自転車でヘルメットをかぶり、ぐいぐい走っている私をみれば、ヨロヨロと蛇行するママチャリとは違うとすぐに認識して、邪魔者扱いにされることもない。しかしながら、大型トラックがビュンビュン走っている細い県道では、私としても仕方なく歩道を通ることもある。

トラックだって自転車をはね飛ばしたくはないから、慎重に避けて追い越してくれるのだが、何しろ道路の幅が狭いので、本当にすれすれの間合いですり抜けるのである。そんな時はさすがにゾクゾクするほど恐ろしいが、とくにトラックのマナーが悪いわけではなく、物理的にそんな追い越し方しかできないのである。そんな時は、ガラガラの歩道に避難したくなるのも人情というものと、理解していただきたいのである。

こうなると、日本の道路インフラの問題に帰せざるを得ない。車道に自転車が安心して通れるほどのレーンがありさえすれば、問題ないのである。そうなってくれることを、私は切に望む。

しかし、自転車用レーンがありさえすれば全ての問題が解決するかというと、そうではない。あとは自転車に乗る側の問題だ。昨年 7月に書いた 「無法自転車について、さらに論じてみる」 という記事で指摘したように、「自転車は左側通行」 という当たり前のルールを知らない自転車乗りが多すぎるというか、多分ほとんど知られていないのである。私の居住する地域では、ママチャリは 100%近く右側通行している。

何度も書いていることだが、私は 「当たり前の情報がすべての人に行きわたることなんて、期待できない」 と思っている。振り込め詐欺や、闇夜に無灯火で右側通行する自転車や、正月にもちをワシワシ食って窒息死する老人が後を絶たないという事実をみるだけで、当たり前の情報を絶対に受け取らない人がかなり多いということは否定できない。

だからこの問題に関しては、私はかなり悲観的な思いを抱いている。

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コメント

危険な行為をしたらそれだけリスクがあがる。けど体に叩き込まないとわからないこともある、経験してからこそわかる。自転車は、体が温まるし(健康の回復に役立つ)、リスクが高いのでもってこいですね。私は今の時点では自転車に乗ってませんが、人がいない時は、歩道のスタンスです。
自転車の速度が遅いので、適度な判断ができる。

投稿: BEKAO | 2015/02/28 13:54

BEKAO さん:

>けど体に叩き込まないとわからないこともある、経験してからこそわかる。

「自転車は左側通行」 というルールは、そんな大げさなことじゃないですよ。単に覚えて実行すればいいだけのことです。

>自転車は、体が温まるし(健康の回復に役立つ)、リスクが高いのでもってこいですね。

リスクは高くない方がいいと思いますよ。

投稿: tak | 2015/02/28 13:59

takさんが "「自転車は車道」 の原則は、地方都市ではまったくの愚策" を書かれたのは2011年11月で、当時はコメント欄で私も反論していますが、実は私もその後、東京郊外(飯能とかのあたり)の道を走る機会が増えて、確かにこれは歩道(縁石で区切られただけの)を走りたくなるなぁと思いました(^^;;;;; 国道レベルなら複数車線あるところも多いんですけどね。

でも、そういう歩道って路面がかなり荒れていたりして、それはそれで怖い思いもしますが。

投稿: 山辺響 | 2015/03/02 09:54

山辺響 さん:

歩道に逃げ込みたくなるのも、人情でしょう。

(本来は望ましくないと、私も理解していますが ^^;)

確かにご指摘のように、歩道は荒れてガタガタのところが多いです。それに、夜は路面が見えにくい (車道を走るクルマのライトが縁石で遮られて影になる上に、逆光になってさらに見えにくく、自転車のライトごときでは対抗できません)。

というわけで、夜は歩道に逃げ込みたくありません。

投稿: tak | 2015/03/02 16:20

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