« アレグラ FX 服用の経過報告 | トップページ | 新幹線が長野から金沢まで延びて »

2015/03/15

『たのやく』 という雑誌を巡る冒険

仕事で結構いろいろなところに出張するので、ビジネスホテルに泊まることが多い。で、泊まるのは日本全国至る所にあるチェーンのホテルになりがちだ。その中でも泊まる機会の多いのが、東横インである。

このホテル、「東急イン」 と 「東横線」 を運営する 「東急電鉄」 とはまったく無関係なのに、紛らわしい名前を名乗っているので、「舟本一夫」 とか 「鳥倉千代子」 といった怪しい路線を連想させて、抵抗を感じていた。しかしここまで日本全国に増殖してしまうと、やはり便利といえば便利なので、つい予約してしまったりする。

で、最近もこの東横インに泊まって、朝にチェックアウトしようと部屋を出るとき、デスク脇のラックに収まっている 『たのやく』 という雑誌が目に留まった。そういえばこれ、どこの東横インに泊まっても部屋に置いてある気がする。しかし、手にとってページをめくってみたことは一度もない。

初めてこの雑誌のタイトルを目にした頃は、「なんじゃ、こりゃ?」 と思っていた。そうでなくても、「東横イン」 というのは 「舟本一夫路線」 じゃないかという偏見がある。田んぼの農薬の広告雑誌でなければ、ホテル経営者の独善的な倫理感を押しつける怪しい雑誌なんだろうぐらいに思っていた。

ところが、今日思い立ってググってみたところ、どうやらそうじゃなくて、「たのやく出版」 という雑誌社が出しているちょっと変わった雑誌であるらしい。同社のサイトのトップページには、次のようにある。

「たのやく」はさまざまな雑誌・書籍の“転載記事”により構成された雑誌。書店やコンビニでは売られていません。読めるのは、ホテルの客室だけ。いままでにない一風変わった雑誌ですが、着実に発行部数を伸ばし、2015年 2月号実績で 70,000部、読者は「東横 INN 日本全国 242店舗 46,758室」×「30日」×「稼働率 80%」= 112万人/月(年間 1,344万人)が見込まれる媒体です。

というわけで、独自の記事を載せず、他の本からの転載だけでやっている雑誌で、東横インの客室だけで読めるのだそうだ。「人のふんどし的雑誌」  は 「人のふんどし的ホテル」 とコラボしたがるようなのである。

ちなみに Wikipedia によると、この雑誌の前身は 2003年創刊の『楽しく読めてときどき役立つ本』で、それを縮めて 「たのやく」 なんだそうだ (参照)。へえ!

上述の如くたのやく出版としては、この雑誌の読者は 「東横 INN 日本全国 242店舗 46,758室」×「30日」×「稼働率 80%」=112万人/月 (年間 1,344万人) が見込まれる」 と謳っているが、これはどうみても手前味噌すぎる数字だ。

「年間  1,344万人」 といったら、ほとんど日本人の 10人に 1人ということになってしまうが、そんなはずはない。宿泊者にはリピーターと連泊客がかなりいるはずだから、好意的にみてもこの半分以下になるだろうし、そもそも稼働率 80%というのは、東京などの大都市圏の数字に近く、全国平均にしたらもっと落ちるはずだ。

その上 「ホテル宿泊者 = たのやく読者」 と見込んでいるのも、あまりにも乱暴な理屈である。ホテル宿泊客全員がこの雑誌を手にとって読むわけがない。現に活字大好き人間で飛行機の機内誌や特急列車の車内誌などは読まずにいられない私が、これまで何度泊まっても手に取ってみる気にさえならなかったのだから、実際の読者はもっとずっと少ないだろう。

「たのやく/評判」 というキーワードでググってみても、ひっかかるのは 「たのやく出版」 という会社に関する情報ばかりで、雑誌の中身に関して書かれたページは探すのに苦労する、というか、ほとんど見つからない。つまり、読んでいる人はものすごく少ないってことだ。

中には 「この度、当誌の記事を 『たのやく』 に転載していただきました」 なんていう記事を誇らしげにネットに載せている雑誌もあるが、そんなの取り立てていうほど名誉なことでも何でもないだろうね。

東横インとたのやく出版にはちょっと気の毒な記事になってしまったが、悪しからず。

|

« アレグラ FX 服用の経過報告 | トップページ | 新幹線が長野から金沢まで延びて »

世間話」カテゴリの記事

コメント

tak-shonaiさんごきげんよう~
おはようございます~
はははははは・・
舟本一夫路線、鳥倉千代子路線
って、
笑いました~~
あっははは・・

投稿: 朱鷺子 | 2015/03/16 08:57

朱鷺子 さん:

今では、中国や韓国に似たようなのがたくさんあるようです ^^;)

投稿: tak | 2015/03/16 10:37

東横イン…。
何度かお世話になりました。

少なくとも、岐阜県の片田舎にはこの施設がございませんので、「東横イン=東京と横浜界隈」または、「東横イン=東京の横っちょ」を中心としたホテル、と認識しておりました。

その数回の利用でも、件の雑誌を認識しておりませんでした。
東横インさん、たのやくさん、ゴメン。

投稿: 乙痴庵 | 2015/03/16 14:18

乙痴庵さん:

最近は東京や横浜とは明後日の方角の土地でも、東横インはあるので、びっくりです。

しかし、このホテルに何度か泊まったことのある人でも、「たのやくって何だ?」 という感じですね。私も、ホテルの部屋に帰ったら、ブログを更新してバタンキューですので、これからもあまり読まないだろうなあという気がします。

投稿: tak | 2015/03/17 00:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/61287104

この記事へのトラックバック一覧です: 『たのやく』 という雑誌を巡る冒険:

« アレグラ FX 服用の経過報告 | トップページ | 新幹線が長野から金沢まで延びて »