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2015/04/16

中国の 「GDP 7.0%増」 が大騒ぎするほどの 「低水準」 なら

CNN ニュースが 「中国 GDP、1~3月期は 7.0%増 6年ぶり低水準」 と伝えている。リーマン・ショック直後の 2009年1~3月期に 6.6%まで落ち込んでだことがあったが、それ以来の低水準なのだそうだ。

そういえば、昨年 10~12月期の成長率は 7.3%と発表され、「高度成長から安定成長に移行する 『新常態 (ニューノーマル)』 に入ったことを示す」 なんてことで話題になったが、今回はそれよりさらに下がったわけだ。「新常態」 というのは、「安定成長」 というより 「成長鈍化」 を意味しているみたいなのである。

それにしても解せないのは、成長率 7.0%なら他の国ならウハウハで大喜びしてもいいのに、中国でこの数字になってしまうと、なぜか大騒ぎするほどの 「低水準」 ということになってしまうことだ。中国の統計数字の信憑性については、前から公然の秘密のようにいろいろ言われていたが、ここまでくると、どう見ても 「まともな数字じゃない」 のがバレバレだ。

よく言われるのは、地方から上がってくる数字が各段階で水増しされて、中央に届いた段階では実態からかなりかけ離れた数字になってしまっているらしいということだ。地方の役人が自分の点数を下げたくないので、いつも目一杯上げ底の報告をしてしまう。それで通っちゃうんだから、すごい国である。

上がってくる数字がとんでもない上げ底数字とわかっているから、中央政府は他の数字 (比較的ごまかしの効かない貨物輸送量などの数字) と勘案するなどの手間をかけてアジャストするらしいのだが、それでも 7.0%成長が 「低水準」 だなんていうことになってしまう。それで 「中国の GDP というのは、一体どのくらい上げ底になっているのか」 というのが話題になったりする。

中国に詳しい人ほど、成長率 7.0%というのは、「その実態は限りなく 0%に近い」 なんてことを言う。中国の物差しは、フツーのものより目盛りが右側に 7%分近くずれていると思った方がいいというのである。

それが正しいとすれば、6年前の 6.6%というのは、瞬間風速的なものとはいえ、「実はマイナス成長」 だったのかもしれない。あれだけ世界中の経済が落ち込んだのだから、輸出依存の中国経済が一時的にしろマイナスになったとしても、驚くべきことじゃないだろう。

中国政府としては、経済が本当にマイナスになってしまうという事態は、国内の安定を維持するためにも、どうしても避けたいところだろう。失速を食い止めるためにいろいろな手を打つことになるだろうが、それが 「実態からかけ離れた数字を無理に維持する」 ということになれば、臨界点を越した時には、とてつもない 「ツケ」 を払わわされる。

「実は大したことなかった見かけだけのバブル」 が弾けたら、その結果は 「水面下まで急沈下」 なんてことになりかねない。それが中国内だけのことなら知ったことじゃないが、それで済むわけがないから、まったくもって難儀なことである。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

まあ、成長率の水準だけでなく、その四半期ごとの変動が異様に安定的なところも違和感を覚えますね。

ただ、どこの国でもGDPというのは主要統計の中で最も加工度が高い、さじ加減次第のデータであることも確かなんです。さらに、一次速報、二次速報、改定値、確報値、基準年変更…とかずるずるやってるので、数年後に改めて振り返ってみると当初のイメージとか文脈とはかけ離れた姿になっていることがあります。

日本もGDP統計に関しては、いろいろと黒歴史があります。
2000年の今頃ですが、経済企画庁が前年10-12月期の改訂値を発表した時に、ニューヨークタイムズが疑義を呈しました。経企庁は、金融機関の設備投資額の大幅減少を異常値とみなし、前期の値をアテて速報値を発表していたのですが、これをNYTは、わざと速報値を水増ししたのではないかと言ったわけです(市場は速報値にしか反応しないので)。
そういう意図はなかったと信じたかったですが、その記事が出た翌日に経企庁は当該設備投資データは間違いではなかったと認めて速報を遡及的に修正し、事実上NYTの主張に屈しました。あんときは、日本人として恥ずかしかったです。

投稿: きっしー | 2015/04/17 10:27

きっしー さん::

言われてみれば、どう計算しても実態のアヤしい数字ではありますね。

個々人にとっては、自分の実感が絶対値みたいなところもあるし ^^;)

ご指摘の 2000年の件、薄ぼんやりとですが、記憶にあります。
「こんなところで余計な操作をしなければならないと、お役人がやきもきしなくても、別にいいのに」 なんて思った記憶があります。

投稿: tak | 2015/04/17 20:15

中国の実態がマイナスとかゼロ成長ってのは流石にあり得ないと思いますよ
中国がマイナス成長に陥るくらいなら日米欧と全体が引っ張られて世界中マイナスになってますよw

投稿: TAC | 2016/01/30 06:38

TAC さん:

本分では、「6年前の 6.6%というのは、瞬間風速的なものとはいえ、『実はマイナス成長』 だったのかもしれない」 と書いていまして、それはリーマン・ショックによるものとの前提です。

ってことは、中国経済の方が引っ張られたわけです。前提が逆です。

とはいえ、直近の中国の貨物輸送量が減少している統計などを見ると、マイナス成長もあながちないことではないと思われます。
(それもまた一時的なことでしょうから、世界中がマイナスになることはないでしょうが)

投稿: tak | 2016/01/30 08:56

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