« カモガヤ花粉症だってさ | トップページ | FIFA の汚職問題で考える »

2015/05/27

フェミニズムとミサンドリー

Hatelabo の 「フェミニズムとミサンドリーの切り分けは可能か」という記事で、恥ずかしながら 「ミサンドリー」 という言葉を初めて知った。Wikipedia によると、この言葉は次のように説明されている。(参照

ミサンドリー  (英: misandry)  とは、男性や男らしさに対する憎しみや軽侮。平たく言うと男嫌い (おとこぎらい) である。対義語には、「男性や男らしさに対する崇敬」 を意味するフィランドリー (英:philandry) と、「女性や女らしさに対する軽侮」 を意味するミソジニー( 英:misogyny) という語の二つがある。

なるほど、少しはわかった。しかしこの説明にはちょっと不備があるようだ。というのは、「女性に対する崇拝」 は何というのかという説明が抜けているのである。しかしこれは 「ミソジニー」 という言葉を調べたらすぐにわかった。次のようにある。

対義語には、「男性や男らしさに対する憎しみや軽侮」を意味するミサンドリー(英:misandry)と、「女性や女らしさに対する愛しみや崇敬」を意味するフィロジニー(英:philogyny)の二つがある。

なるほど。女性に対する崇拝は 「フィロジニー」 というのか。これでマトリックスが完成する。こんな感じだ。

                                                                                          
崇拝
軽侮
男性に対する
フィランドリー
(philandry)
ミサンドリー
  (misandry)
女性に対する
フィロジニー
(philogyny)
ミソジニー
(misogyny)

ただしかし、これだけでは単なる記号でしかなくて、とくにカタカナで考えたらすぐに忘れてしまいそうだ。ちゃんとした知識として脳内に留めるためには、語源から理解しなければならない。ちょっと英語版の Wikipedia をあたってみよう。

語源にまで遡ると、男性に対する崇拝 "philandry" は、「〜を愛する」 という意味の接頭語 "philo" と、ギリシャ語で 「男性」 を意味する "andro" の合成語である (参照)。このページには、女性に対する崇拝は、同様の語源で "philogyny" であるとも記されている。ふむ、なるほど。そういえば、「両性具有」 は 「アンドロジナス」 (androgynous) だったね。

それではというわけで、 "misandry" を調べると、「憎む」 という意味のギリシャ語の "misos" と、男性を意味する "andro" を合わせたものだとわかった。あとは以下同文的な組み合わせの合成語である。

ミサンドリーでは、男性に対する暴力などがあり、これに関して、冒頭に紹介した 「フェミニズムとミサンドリーの切り分けは可能か」 という記事では、次のように述べられている。

フェミニストは、ミサンドリー自体は悪であると認識しているものの、我々はミサンドリーを産み出していない、我々が関知するものでもはない、我々に訴えるのはお門違いであるという立場をとるわけである。ここでミサンドリーの被害者は、訴える先を見失い、泣き寝入りすることになるのである。

(中略)

この人権問題は、ミサンドリーがフェミニストに擬態することによって、フェミニストという盾に守ってもらおうとするところに構造的な難解さがある。ミサンドリーは、フェミニストの影に隠れながら一方的に男性を殴るという無敵のポジションをつくり出したのである。一般人からフェミニストがミサンドリーを煽っているように見えるのはこのためである。

女性による男性への暴力という問題を解決するためには、フェミニズムとミサンドリーを明確に切り分けて区別しなければならないというわけだ。これは同様に、男性による女性への暴力 (家庭内暴力においては、こっちのケースの方がずっと多いだろう) という問題解決のためにも、マスキュリズムとミソジニー (女性に対する軽侮) を切り分けなければならないだろう。

こうした文脈からかどうか知らないが、最近は マスキュリズム (masculism) を 「男権主義」 という意味で捉えない傾向が主流になりつつあるようだ。Wikipedia では次のように説明されている。(参照

マスキュリズム(英:masculism)とは、男性に対する性差別(男性差別)の撤廃を目指す思想や運動である。直訳すると「男性主義」であり、かつての欧米では男尊女卑という意味で使われていた言葉だが、この思想の主唱者であるワレン・ファレルがフェミニズムの対置概念として提唱してからは現在の意味で使われるようになった。主に西ヨーロッパと北アメリカで普及しており、中東や極東でも萌芽が見られる。

「マチョイズム」 がどちらかというと男性優位主義を指す言葉として使われているが、それとはまったく別の意味合いをもつ言葉としてとらえる方がいいようなのである。ふむ、なるほど、なるほど。この問題はこれからも少しずつ掘り下げていくことにしよう。

|

« カモガヤ花粉症だってさ | トップページ | FIFA の汚職問題で考える »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

勉強になります。またときどきアクセスさせていただきます。

とスパムコメントのように書いてみる(笑)

「-gyny」は「-phobia」的な「憎悪」を表す語尾なのかと思っていたら、そっちが「女性」だったのか!

投稿: 山辺響 | 2015/05/29 16:51

山辺響 さん:

一瞬、本当にスパムかと思った ^^;)

高所恐怖症が、acrophobia ですね。私もそのケがあるので、この言葉だけは知ってました。

両性具有は、英語の名詞形では androgyny でしたね。

投稿: tak | 2015/05/29 21:11

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/61654885

この記事へのトラックバック一覧です: フェミニズムとミサンドリー:

« カモガヤ花粉症だってさ | トップページ | FIFA の汚職問題で考える »