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2015/06/15

「杜の都」仙台のジレンマ

昨日、所用で仙台に日帰りで行ってきた。仙台には妻の実家があるから、今まで何度も行っているのだが、いつも車で行って帰ってくるだけで、仙台の街をゆっくり歩いたことはここ 30年ぐらいなかった。今回はたまたま西公園の隣にある宮城県美術館から定禅寺通を経て、一番町まで歩く機会があり、見事なケヤキ並木を満喫した。

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仙台が 「杜の都」 といわれるのには、この見事な並木も一役買っているのだろう。これは戦後から昭和 40年代にかけて植樹し、今は樹齢が 50〜110年ぐらいの見事な大木に育っているのだそうだ。そういえば、学生時代に仙台を訪れた時には、こんなには大木じゃなかったという記憶がある。あれからどんどん大きく育ったのだろう。

ただ、これだけ大きくなってしまうと、維持管理も大変なはずだ。ちょっと調べてみると、やはり問題が出てきているようで、平成 18年 3月に仙台市がまとめた 「青葉通再生基本構想」 には、次のように報告されている。

昭和 40 年頃より、異常落葉や枝枯れ、病虫害発生などの不健全さが目立つようになっ てきたことから、昭和 50 年より 5 年毎に調査を実施し、平成7年(1995 年)の調査では、 ケヤキの維持管理に限界がきているとして「樹形の乱れが避けられない。ケヤキ街路樹の 間伐、更新が必要」と報告されています。

今から 20年も前に、既に 「維持管理に限界がきている」 と報告されているのである。ということは、もう限界を超えているかもしれないわけだ。相手は生き物だから、「きれいだねえ」 と感心して眺めているだけでは済まない。

ケヤキ並木で有名な青葉通と定禅寺通は、交通量の多い (ということは、排気ガスが多い) 中心街のため、ケヤキの生育には決していい環境とはいえない。樹齢の割に幹が細いという問題があるらしく、幹が空洞化しているものもあるという。過去には倒木も何件かあったようだ。あんなに大きな木がまともに倒れたら、ただじゃ済まない。

あれだけ高く成長してしまうと、剪定もままならないだろう。ハコ物行政で、大きな建物や施設を造ってしまったものの、その後の維持管理に金がかかってしょうがないというケースが全国にあるが、仙台の場合は、ケヤキ並木が大きくなりすぎて手に余ってしまう状態になってきているようだ。

葉の生い茂る時期になると、日陰をつくって暑さを和らげてくれるという効果もあるが、一方で 「ケヤキのトンネル」 状態になるので、車の排気ガスが滞留してしまい、健康被害が心配されるという指摘もある。いいことばかりじゃない。

自然に近い環境で人間の営みと調和しながら生育したわけじゃないので、これからの維持管理が大変なことになる。一度 「杜の都」 という看板をあげてしまったので、ツツジなどの低木に変えてしまうわけにもいかず、アクロバチックな命がけの剪定作業や、大がかりな植え替えが必要になるだろう。

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コメント

tak-shonaiさんごきげんよう~
おはようございます~
そこ、私も2度ほど歩いたことがありました~~
けやきが大きく美しかったです~~~
最近ではどこの街でも、街路樹はぶつぶつに切りきざまれて
剪定の時期には、枝なんか無いのでは?というほど枝は切りまくられます。落ち葉のお掃除が大変なのでしょうね。
いつぞやカーラジオを聴いていましたら、
京都の冷泉家の女性の方が《枝を切られては、風情がなくなる》と言って嘆いておられました。仕方がありませんね。
でも
あの仙台だけは、おおらかで、いつも緑がいっぱいに茂るのですね~~
っていうか、あと、
大阪の御堂筋の銀杏並木もすごかったですが、今は知りません・・・・
自然のままの形の大木で維持するのは大変でしょうね。
パリのマロニエの街路樹の手入れなんかは、どうなのかしらねぇ?うふ


投稿: 朱鷺子 | 2015/06/16 09:40

朱鷺子 さん:

あちこちの並木道でまるで太い棒ッ切れが立っているみたいになってしまったのは、そもそも、木の選定を間違えたんだと思います。

ケヤキは、見かけは素晴らしいけれど、放っておくと大きくなりすぎて管理が大変です。もっと低木にすべきですね。

植木屋さんは、自分たちの仕事が増えるから、管理の大変なものほどオススメしちゃうんでしょうね。

投稿: tak | 2015/06/17 16:39

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