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2015/07/01

「環境的回心」 ということ

ちょっと旧聞になってしまったかもしれないが、Christian Today の "ローマ教皇、回勅「ラウダート・シ」発表 環境問題で回心呼び掛け 正教会・WCC・聖公会・ローザンヌも歓迎" という記事について触れよう。フランチェスコ 1世 (最近は「フランシスコ」 という表記が目立つが、私としてはずっと 「フランチェスコ」 を採用しているので、これで通させていただく) が、「回心」 を呼びかけているというのは、最大限に大きなニュースだ。

「回心」 というのは、「えしん」 と読めば仏教用語で、「邪心を改めて仏道に帰依する」 という意味だが、キリスト教では 「かいしん」 と読み、英語で言えば "conversion" である。「改宗」 あるいは 「これまでの生き方を悔い改めて、信仰に目覚めること」 といった意味だ。動詞は "convert" で、野球の守備位置を変えることも同じ単語を使う。

つまり、これまでとはがらりと変わった立ち位置に立つことである。フランチェスコ 1世は、このほどの回勅で、「環境的回心」 (ecological conversion) が必要であると訴えている。つまり、これまでの 「人間中心主義」 を改め、「統合的エコロジー」 によって自然との共存を目指す生き方をすべきとしている。

つまり、これまでは 「自然は障害であり、人間によって作り替えられ、乗り越えられるべきもの」 という 「人間中心主義」 を改め、「自然は保護し、共存すべきもの」 としている点で、従来の西欧的哲学をひっくり返すほどの意味をもつのである。

これはむしろ、東洋的な思想に近付いているともいえるが、同時に最新の科学的知見をしっかりと取り入れている点で、科学と宗教の和解を促進するものともいえる。つまり今回の回勅は、十分な科学的裏付けをもつ現代的なものなのだ。そうした点で、私はフランチェスコ 1世は歴史に残る偉大な教皇であると思う。

私は過去にも "「フランチェスコ 1世」 という名のローマ教皇" (2013/03/15)、"ローマ教皇が、自然破壊は 「モダンな罪」 と指摘" (2014/07/13) という記事で、「今のローマ教皇はエコロジカルな視点をかなり重視している」 と指摘しているが、今回の回勅はその本領を発揮されているようなのだ。

重要な点は、この回勅をカソリックのみならず、他のキリスト教諸派も歓迎しているという点である。もっとも保守的な勢力とみられていたカソリックが、これほどまでにラジカルなエコロジーを推進するというのは、西欧の宗教哲学が大きな転換を図っているということであり、世界の精神世界に大きな影響を与える。

世界は今、大きく方向変換を始めているのである。これはフツーの日本人が思っているよりずっと大きな意味をもつ。これを理解できないと、世界の潮流に取り残されると言ってもいい。原発再開なんて言ってる場合じゃないのである。

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