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2015/10/11

「タッグを組む」 という言葉

ペアを組んで共同作業することを、日本語でフツーに 「タッグを組む」 と言うことがあり、これをキーワードにググってみると、かなり一般的に使われていることがわかる (参照)。とくに芸能ニュースなどで、人気俳優同士が共演する場合に 「○○ と ×× がタッグを組む」 なんて表現されるケースが多いようだ。

これ、古くからのプロレスファンだと 「タッグマッチ」 から来た言葉と当然のごとく知っている。2人か 3人のプロレスラーが 「タッグチーム」 を組み、味方同士でタッチすることで交代しながら戦う試合形式だ。

最近はプロレスが下火になってしまったのに、「タッグを組む」 という言葉は妙に市民権を得てしまっているようなのだ。元々プロレス用語だったことはことさら意識されずに、しれっと使われている。

そんなわけで、「Yohoo 知恵袋」 では "「タッグを組む」という言葉は、具体的にどんな意味ですか? (中略) 男性っぽい言葉の感じを受けるのですが、女性が使うのも変ではないですか?" という質問に対して、次のような誤解が、なんと 「ベストアンサー」 とされている (参照)。

タッグは tag です。
荷札や正札などの意味もありますが、付添うとかつきまとうという意味もあります。
tag team で二人以上のチームになります。
転じて仕事などでチームを組む時もタッグを組むと使うことがあるようです。
女性が使ってもおかしくはないと思います。

この場合の「荷札/正札」 からくる英語の "tag" は 「付きまとう」 のニュアンスが強く、そこから直接にいわゆる 「チーム」 とするには無理がある。これを「ベストアンサー」 とするのは、問題ありすぎだ。

プロレスの 「タッグマッチ」 はちょっと違うのである。これは 「鬼ごっこ」 とか 「タッチする」 とかいう意味の "tag" という単語から来ている。鬼ごっこでは、タッチすることで鬼が交代するので、同じ言葉なのだろう。「荷札」 という意味の単語とは、もしかしたら語源は一緒なのかもしれないが、一般的には同音異義語と認識されている。

野球で 「ランナーにタッチする」 というのは和製英語で、本当の英語では "tag" である。「タッチアウト」 は本当は "tag out" で、犠牲フライでランナーがベースに 「タッチアップ」 するのは "tag up" である。ことほどさように、野球用語はものすごく和製英語が多い。

そういうわけでプロレスでも、選手同士の 「タッチ」 (本当の英語では "tag") で交代するので 「タッグマッチ」 (本当の英語では "tag team match" だが)という。まあ、女子プロレスでもタッグマッチはあるので、「女性が使ってもおかしくはない」 のかもしれない。

「タッグを組む」 というのは、本来はお堅い話題ではあまり使いたくない言葉だと、私は思っているのだが、政治の世界でも 「○○党と××当がタッグを組む」 なんて言い方をすることがある。先日の安保法案の時みたいに 「肉弾戦」 になることもあるので、イメージ的にはさして問題ないかもしれないが。

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コメント

ウチの小僧が“少年野球”やってた頃、お手伝いお父さんのための「審判講習」で習いました。
“タッチ”ではなく、“タッグ(tag)”が正しいコールだと。

塁間で挟まれてタッチされたランナーに、「(指差しながら)タッグ!アウト!」などと、野球における「tag」と、元来プロレスファンであるがための「tag」の両立できてますから!

…、スンマセン。
久々に酔っ払い状態のコメントでっす!

投稿: 乙痴庵 | 2015/10/13 23:20

乙痴庵 さん:

おお、日本の野球の世界でも、由緒正しくは 「タッグ」 となっているんですね。

それを聞いて安心しました。

投稿: tak | 2015/10/14 01:55

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