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2015/12/22

男と女のディスり合い

昔は 「犬が人に噛みついてもニュースにならないが、人が犬に噛みついたらニュースになる」 という警句があったが、今の時代は犬が人に噛みつけば十分ニュースになる。要するによくあることはニュースにならないが、滅多にないことはニュースになる。昔は犬が人を噛むなんて、日常茶飯事だったということだ。

その意味で、"うどんかるた 「妻愛する句で悪意ない」 変更せず発売へ" という朝日新聞の記事を読んで、「夫をディスるのはよくあることだが、妻をディスったらちょっと問題」 という世の中なのだなあと、しみじみと思ってしまった。こうしたケースでは、「男女平等」 という理念がほとんど意味をなさない。

問題のかるたは、香川県製作の 「うどんかるた」 の、「つ」の読み札。「強いコシ/色白太目/まるで妻」 というものだ。これについて県に電話で 「良いイメージで受け取らない人もいるのでは」 と指摘があったため、発売を延期して再検討していたという。

検討を重ねた結果、「うどんと妻を愛する気持ちをうどんの特長に込めた句で悪意はない」という、この句の作者の意図が確認されたため、修正なしで発売されることになった。うむ、これに関しては完全に 「言った者勝ち」 という結果となったわけだね。

個人的には 「うどんと妻を愛する気持ち」 を込めたというのは理解できず、単純に悪趣味だと思う。もう少し掘り下げると、「夫をディスる CM」 というのは昔から当たり前にいくらでもあったが、かるたで妻をディスると 「人が犬に噛みついた」 ように受け取られる世の中になったのが、ちょっと興味深い。

夫 (または父) をディスる CM として最も有名になったのが、某通販会社の「パパは返品ね」 というやつだ。

これは制作者の意図としては、昔の放し飼いの犬が人に噛みついた程度のことと考えていたようで、放し飼い禁止になった時代の感覚では、さすがに 「不愉快」 と批判された。

ただ、ファブリーズの CM で、松岡修造パパと息子たちが家庭内の悪習発生源とされたり、マンナンライフの CM で姉弟喧嘩に仲裁に入った父親が 「パパは黙ってて!」 と一括されてすごすご引き下がったりとか、父親を小馬鹿する CM はいくらでもあった。ただそれらは、あまり問題にされることはなかった。「パパは返品ね」 は、希有なやり過ぎ例である。

世間では結局のところ夫や父の方が優位なので、CM で少々ディスられようが 「金持ち喧嘩せず」 であまり問題にされないが、実際には弱い立場の妻や母が変な言い方されると、敏感に反応するという見方もある。しかし、決してそれだけじゃないように思うがなあ。

ブラックユーモアはあってもいいが、日本のそれはかなり趣味が悪いよね。

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コメント

うーん…!!
なんとも困った話ですね…
正直、句からだけでは、お嫁さんへの愛情を汲み取るのは難しいかと…(汗)
この句って、よほど夫婦の仲が確固たる世の中でしか通用しないですよね
それはいつだったんでしょうね

投稿: ひろゆき王子 | 2015/12/23 00:12

世の奥方が、ダンナを卑下している訳ではありません。

ただちょっと、ダンナの至らないところや思慮の浅い振る舞いを諌め、社会的適合を促進しているにすぎません。

間違っても、上から目線や支配欲などの俗物的な根性は、一切ありません!

(おや?随分とメートルが上がっている様だ…)

投稿: 乙痴庵 | 2015/12/23 01:45

テレビのニュースでも取り上げられていましたね。
問題なしとして販売されることになったそうです。

何かを売ろうとしたら、ちょっと軽い毒を持っておいて、批判を受けたら一旦中止し、話題になったら軟着陸。

見事なマーケティング!

投稿: ハマッコー | 2015/12/23 19:13

ひろゆき王子 さん:

>この句って、よほど夫婦の仲が確固たる世の中でしか通用しないですよね
>それはいつだったんでしょうね

「ウチの愚妻」 という言い方が全然問題なかった頃のことでしょうかね。

投稿: tak | 2015/12/23 22:10

乙痴庵 さん:

ダンナが 「自虐ジョーク」 を発するエネルギーすら持ち合わせなくなったので、奥さんや子供たちが代わってしてあげてるんだと思ってました。

投稿: tak | 2015/12/23 22:13

ハマッコー さん:

>何かを売ろうとしたら、ちょっと軽い毒を持っておいて、批判を受けたら一旦中止し、話題になったら軟着陸。

>見事なマーケティング!

なるほど、そういうことか (^o^)

投稿: tak | 2015/12/23 22:15

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