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2016/03/09

広島の 「指導死」 の考察

「広島の中学 3年生が、進路指導で万引きの濡れ衣着せられて自殺」 というニュースで、かなり気分が悪くなった。近頃は 「指導死」 という言葉があるのだそうだ。学校の指導のせいで、生徒が死に追い込まれることがあるというのである。

学校側は、この生徒が万引きしておらず、非行記録は誤っていると 2年も前に認識していたが、書面上で訂正しただけで、サーバの元のデータはそのまま放置していたという。こんな 「データ管理の、いろのは 『い』」 もわかっていない教師たちに、「指導」 されたいと思う者はいないだろう。

しかし私の疑問の中心はそこにあるのではない。恐縮ながら、学校の教師の多くが 「常識をわかってない」 のは元々承知しているから、今さら驚かない。わからないのは、自殺した生徒は 「自分は万引きなんかやってない」 と主張しなかったのだろうかということだ。

いや、身に覚えのない万引きを理由に志望校への推薦ができないと言われて、「はい、そうですか」 と黙って引き下がったとは、到底考えにくい。少なくとも 「自分はそんなことはしていない」 と、一言ぐらいは言ったと思うのである。もしかしたら、「2年も前に濡れ衣と判明してるじゃないか」 ぐらいのことも言ったかも知れない。

もし生徒が潔白を主張していたのだとしたら、教師はそれを聞く耳をまったく持たなかったのだと考えるほかない。生徒が冷静に説明しようとしても、「言い訳なんか聞きたくない、黙れ!」 とばかり、受け付けなかったのかもしれない。いずれにしても、その教師は思い込みの激しい高圧的なキャラだったのだろうと想像する。教師として一番いやなタイプだ。

疑問はさらに続く。もしその教師が聞く耳を持たなかったのだとしても、生徒は親なり他の教師なりに、それを訴えなかったのだろうか。高校進学という大きな問題なのだから、普通はそれくらいするだろう。ましてや濡れ衣なのだもの。怒りまくって大声で皆にそれを訴えても、少しもおかしくない。

普通に想定されるアクションを何も取らないままに自殺を選んでしまったのだとしたら、この生徒は世の中によほど深く絶望してしまっていたのだろう。自殺の直接のトリガーは、この進路指導のミステイクなのかもしれないが、それ以前に、世の中への絶望感を限界近くまでため込んでいたのではなかろうか。

進路指導やデータ管理の問題以前に、この中学校の基本的な教育のあり方がどんなものだったのかが問われる。それはだんだん漏れてくるだろう。要するに教師と生徒の間に信頼がなかったのだ。

【3月 10日 追記】

実はこの記事の背景に関して自分なりに推理してみて、「なるほど、こういうことなら疑問が解決する」 と思ったことがある。よっぽどそこまで書いてしまおうかとも思ったが、まあ、それを書いたところで誰もハッピーにならないし、ブログ炎上になってしまいそうなので、止めておくことにした。

思わせぶりでごめん。

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コメント

私も大いに疑問に思っていますが、一番大きいのは

>もしその教師が聞く耳を持たなかったのだとしても、生徒は親なり他の教師なりに、それを訴えなかったのだろうか。

という点です。

普通は県立高校はどこにするか?、
私立はどこを受けるか?いくつ受けるか?
専願にするかするか・併願でも大丈夫か?
などは担任や進路指導の教師と本人・親とで行うでしょう。
成績以外にもその家庭が教育費にいくら使えるか?もありますから。

とすると、どうやら現時点で伝えられている情報からは判断できないというのが私の結論です。

投稿: ちくりん | 2016/03/10 14:58

ちくりん さん:

>どうやら現時点で伝えられている情報からは判断できないというのが私の結論です。

実は、私もそう思っています。なにやらニュースにしにくい事情があるのではないかと、疑っています。あるいは、自殺した生徒しかわからないことがあって、永遠に闇に葬られてしまうのかもしれません。

個人的には、「もしかしたら、こんなことではなかったのだろうか」 なんていうことも推理していますが、それを軽い気持ちで書いてしまうと、ブログが炎上しかねません。しかし可能性としては、十分あり得るストーリーだと思っています。

よっぽど書いてしまおうかと思いましたが、まあ、書いても誰の得にもならないので、止めときます。

その点について、あまりにも偽善的な記事にならないように、本文の末尾に付け足しておきました。

投稿: tak | 2016/03/10 21:29

私もこのニュース、釈然としないままです。情報から判断するに、この時点で一番良くないのは学校側であることはわかるのですが、それと同時に大きな疑問一つ。私が親なら、先ず学校に怒鳴り込む、学校側の人間と「いちいちメモをとりながら」話をする。らちがあかなければ、支援組織を調べていくつか回り、相談する、教育委員会への直談判も辞さないし、場合によっては学校と刺し違える覚悟であらゆる行動を起こす、というのが私の考えです。

申訳ないのですが、私は「学校に子供を全面信頼のもとに託す」ことはしませんでした。ほとんどの先生の質はそこまで高くないし、全部任せるなどとんでもないと思っていました。

なので、小中学校ともに保護者会の役員を複数回引き受け、学校にちょくちょく顔を出しました。
正直、忙しかったです。面倒・煩わしさこの上なかったですが、これが自分の子供を自分で守る有効な方法だと思ったからです。

この方法は効果があったと思います。親子ともに、学校から黙殺されたり、つれなくされたりしたことは皆無でした。

亡くなってしまった生徒さんには本当にお気の毒に思います。身近に誰もこの子のために必死になってくれる人はいなかったのでしょうか?孤独感を抱いて命を絶ってしまったのでしたら、なんとも可哀そうすぎます。

きっと隠れた事情があってのことなのだと思うばかりです。

投稿: K.N | 2016/03/11 15:31

K.N さん:

確実に何か裏の事情があったのでしょうね。そうとしか思えません。

それにしても、広島県の小中学校って、「闇」の部分が大きいと思ってしまいます。

投稿: tak | 2016/03/11 23:55

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