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2016/04/07

「独自の工夫」 って、そんなに途方もないことかなあ?

私は基本的に 「論理通りにものを考えること」 なら得意だが、「その論理に忠実に従って細かい計算したりすること」 は不得意である。つまり、筋道を示す役どころならいくらでもこなせるが、「筋道は示したんだから、あとはそれに従って処理してちょうだいね」 と言いたいのである。

もっと言えば、「大体の筋道に沿ってくれれば OK なんだから、細部はやりやすいように適当に処理してもいいよ」 というタイプなのだ。しかしそんなことを言うと、「そんなテキトーなこと言われても困る。細かく指示してください」 なんて反応が返ってきたりして、私としてはびっくりしてしまう。

私は 「適当に処理して」 と言ったのであって、「テキトーにやって」 と言ったのではない。「適当に処理して」 というのは、「細かい部分はそれぞれ独自に工夫してやってちょうだい」 という意味なのだが、多くの人にとって 「独自に工夫する」 なんてことは、「途方もない要求」 に思われるようなのだ。

「細部まで指定されたプロセスに従って、決められた通りに処理する」 というのは、私は苦痛でしょうがないのだが、少なからぬ人が 「きっちり指示してくれないと処理できない」 なんて言い出すのである。それは多分、望まれる結果をきちんと想定しないから、そこに至るまでの工夫をするなんてこともできないのである。

私なら事に当たる前に、求められる結果に行き着くためのプロセスを検討し、そして実際にプロセスを処理しながら、さらに微修正を重ねていく。しかしそれは、見る人によっては 「甚だ勝手なやり方」 と思われてしまうようなのだ。

「そのやり方には付いていけない」 なんて言い出す。私としては 「それなら付いてこなくていい」 という。他人が付いてこれるように細々説明なんかしているより、自分で突っ走った方がずっとうまく、速くすませられる。

しかし多くの人にとっては、「公式的な手順に沿って生真面目に作業する」 というのが、望ましく思われるようなのである。それは、「みんなでそろって仕事ができる」 からだ。

というわけで、日本では大抵の業界で、「ホウレンソウ」 というのが求められる。「報告、連絡、相談」 だ。しかし、私のように独自に工夫して事に当たる方がずっとうまくやれると思っているタイプにとっては、そんなまだるっこしいことに時間を割くのは馬鹿馬鹿しく思われる。ホウレンソウなんてやってる時間があったら、その間にさっさと仕事を済ませることができる。

仕事の進め方をどう見るかというのは大きな問題で、「ホウレンソウ」 を重視しすぎる日本のビジネス社会は、実は国際的には 「非効率の典型」 と思われている。ガラパゴス的ビジネスモデルなのだ。

要するに、「さっさと仕事を済ませて定時に帰る」 有能な社員よりも、「ぐだぐだ残業ばかりしている」 無能な社員の方が 「マジメな社員」 と思われる。そして仕事が終わればさっさと消えて自分の時間を大切にする社員は 「勝手なヤツ」 と思われ、「いつまでも残業したあとは部署の仲間内だけの飲み会に付き合って、チマチマした不平不満を共有できるヤツ」 が 「協調性のある社員」 と思われるのである。

これ、もうそろそろ止めにしないと、日本経済はいつまでもこのまま停滞するだけなのだが、周囲の軋轢をモノともせず 「独自の工夫」 のできるヤツが少ないので、なかなか変われない。しかし 「独自の工夫」 って、そんなに途方もないことかなあ?

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コメント

少しずれますが、昔、アメリカ人が3人で一枚のポスターを書いてるのを見てびっくりしたことがあります。

3人は一枚の白紙に線を一本入れる段階から最後まで一言も会話せず、各々が勝手に筆を進め使う色を決めていたんです。そしてさっさとポスターを書き上げました。

日本人だったら、まずは鳩首して全体のデザインと色を決め、後は役割分担してポスターを書き上げるという手順になると思います。
その時に「アメリカ人には勝てないな」という強い思いを持ちました。

ホワイトカラーの生産性はアメリカの半分以下だったと思います。「ホウレンソウ」と「残業するヤツは仕事熱心」という空気はもう終わりにしないと本当に取り残されると思います。

電機業界で、「残業するヤツは仕事熱心」と「残業するヤツはアホ」という空気の二つを会社を知ってますが、前者はいまだに立ち上がれないでいます。
何しろ、毎日23時まで残業して家を買っちゃった社員がいるんですから、生産性の低さは推して知るべしです。

政府もこの生産性の低さに一切の関心を持たないのが不思議です。

投稿: ハマッコー | 2016/04/08 04:05

ハマッコー さん:

日本人の多くは、アメリカ人のそのやり方では、結果がメチャクチャになるだろうと考えてしまうでしょうが、最初のアイデアが、1人では考えも付かなかった方向にどんどん進化して、面白い作品に仕上がるという可能性の方が大きいんじゃないかと思います。

ただし、日本人だと 3人が 3人とも途方にくれてしまって、メチャクチャ以前の段階で停滞してしまうでしょうね。

投稿: tak | 2016/04/08 21:25

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