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2016/05/20

観光立国とホテル事情

昨日まで関西方面に 2泊 3日で出張したが、これに限らず、私は日本中のあちこちに出張する機会が多い。その上での実感なのだが、近頃、ホテルがとてもタイトである。

17日夜は大阪市郊外のホテルに泊まったのだが、それは大阪市中心部のホテルが満杯で予約できず、郊外に押し出されてしまったのである。10日前ぐらいの段階で、そんな状態だったし、来月の名古屋出張では、1ヶ月前からいつものホテルの予約が取れない状態だ。

東京、大阪、名古屋、京都など、大都市のホテルは、一昨年ぐらいまでは繁忙期でもなければ 3日前でも十分に予約できたが、今や 10日前や 2週間前の予約が難しい。最近では、仙台、金沢、広島、福岡など、地方の中核都市のホテルもかなりタイトになったし、さらに小樽、長崎、など、地方の観光地のホテルもやたら予約しにくくなった。

これは中国人などの外国人旅行客の急増によるものだ。ちょっと前までは、東京や大阪などの大都市で 「爆買い」 やディズニーランド、USJ などに集中している印象だったが、昨年頃からは 「こんなところにまで観光に来るのか」 と驚くほどの 「中堅どころの観光地」 にまで、ツアーが押し寄せている。主なところは一巡してしまい、「穴場」 が求められる段階になってしまったのだろう。

政府は 「観光立国」 なんてことを言っているようで、2020年までに訪日外国人旅行客を、2000万人に増やすという目標を掲げている。一昨年は 1300万人規模にまで急増したというのだから、さらにその 3割増しを狙っているというわけだ。

私がホテル不足を実感し始めたのは、昨年辺りからである。この上、観光客の増加ばかりを狙って、宿泊施設の充実が後回しになったら、とんでもないことになる。本当に仕事に差し支える。

政府は昨年頃から 「民泊」 なんてことを言い出した。「民宿」 との違いは、簡単にいえば簡易宿泊施設として登録してあれば 「民宿」 で、フツーの民家で泊めたら 「民泊」 ということになるらしい。しかし昔話のような 「山中で日が暮れてしまったので、一夜の宿を」 なんてわけにもいくまいし、なかなか大変なことになるだろう。

30年ほど前に、ここつくばの地では、「つくば万博」 というイベントがあり、その時も宿泊施設の不足が問題となった。その解決策として、一般家庭に泊まってもらうなんてことが言われ、そのために 「トイレ水洗化のための補助金」 という時代を感じさせるお金が結構支払われたようだ。また、「列車ホテル」 なんてのも話題になって、空き地に昔の客車が突然現れたりした。

しかし実際問題として、つくば万博に来た観光客が、列車ホテルや一般民家に泊まったなんて話は、ほとんど耳にしなかった。そりゃそうだ。当時の観光客は、つくば周辺で泊まれなかったら、東京のホテルに泊まっていたのだろう。トイレ水洗化の補助金や、列車ホテルの設置にかかった費用は、「一体、何だったんだ?」 ということだ。

最近の 「民泊」 にしても、マンションの空き部屋に得体の知れない外国人が泊まって、夜中まで騒音をまき散らしたりする問題が発生したりしている。ほとんど歓迎されない状態だ。ましてや 「ホームステイ」 の延長のような考えで家の部屋を提供するなんてことは、期待できるはずがない。

都心部で新規ホテルを作ろうとしたら、フツーのビジネスホテルを建てても採算が取れないだろうから、ゴージャスなシティホテルだけが増えてしまう。すると、私のように出張で泊まるというニーズにはまったく役に立たない。需給マッチングが図られずに、いびつな状態になってしまうだろう。

あるいは中国の経済発展が明確な踊り場にさしかかって、外国旅行者が減少してくれれば、この問題は一挙に解決する。なんとなくそんなところに落ち着くんじゃないかという気もするのだが、さて、どうなるだろう。

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コメント

訪日外国人観光客数2000万人は、既に去年でほぼ達成してますね。2020年の目標は4000万人、2030年は6000万人ということのようです。

http://www.sankei.com/politics/news/160330/plt1603300039-n1.html

いまでさえホテル事情はタイトなのに、4000万人が訪日したらいったいどこに泊まれと言うのか。大手ビジネスホテルは大規模のホテルを建設中だが、円高になり中国経済が落ち込めば一気に需要は萎む。
現状はバブル状態でしょう。

投稿: ハマッコー | 2016/05/20 19:19

ハマッコー さん:

ありゃ、本当だ。ほとんど前倒し達成だったんですね。
私はこの方面の情報に疎かったようですね。失礼しました。

いずれにしても、4年後に倍増なんて、無茶な話です。
国内の出張族はどこに泊まれというのでしょう。

ご指摘の通り、中国のバブルがはじけ、円高が多少なりとも進めば、中国人観光客は減ります。

彼らの多くは今でも、一泊 6000〜7000円のビジネスホテルに泊まってます (だから、私のようなものが押し出されてしまう) から、今建設ラッシュになっている、ちょっと高めのホテル (一泊 8000〜9000円とか、10000円以上のシティホテル) は、円高になったら泊まれなくなります。

我々出張族にしても、8000円以上のホテルの領収書なんか出したら、経理とかクライアントに怒られちゃいますから、泊まりにくいです。

で、ぶっちゃけたところを言えば、中国バブルが徐々にはじけてくれれば、ホテルが予約しやすくなり、夜も静かに眠れます。

投稿: tak | 2016/05/22 00:25

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