「コールスロー」 の語源は、オランダ語で 「塩キャベツ」
キャベツなどの野菜をやたらと細かく刻んでマヨネーズで和えたようなのを、「コールスロー」 という。まるで食い物らしくなく、石炭を放り投げるような名前なのだが、"coleslaw" という、いかにも英語らしいつづりなので、多分英語なのだろう。しかしなんでまたそんな風な名前なのか、さっぱりわからなかった。
自分のお気に入りの食べ物の名前の由来を、いつか調べてみようと思いつつ、ついつい忘れてしまっていたのだが、本日、やっと思い出して調べてみた。調べてみると、やっぱりちゃんとした英語である。ただ、その語源がやや面倒くさい。Wikipedia には次のようにある。(参照)
英語の 「コールスロー (coleslaw)」 という名前は 18世紀ごろにオランダ語の "koolsalade" (キャベツサラダ) を短縮した「コールスラ (koolsla)」 から生まれたものだが、1860年ごろまでのアメリカ合衆国とイギリスでは誤って "cold slaw" (冷たいスロー) と呼ばれており、ホットスローという温サラダが作られることもあった。英語の "cole" には本来ラテン語から派生したキャベツの意味があり、これはまたオランダ語 kool の語源ともなっている。その後 "cole" の意味が復活して英語でも coleslaw と呼ばれるようになった。
というわけで、元来オランダ語で 「キャベツサラダ」 という意味だったのが、誤解の結果 「冷たいサラダ」 になりかかり、その後辛うじて 「キャベツサラダ」 の意味に復帰したもののようなのである。ちょっと複雑な経路を辿って定着した言葉なのだ。"Koolsla" が "cool slaw" ではなく "cold slaw" だと思われたってことは、オランダ語の発音が 「クール」 ではなく 「コール」 に近いんだろうね。
で、「サラダ」 と 「スロー」 の関係だが、どちらも 「塩」 (英語では "salt") という意味の言葉を語源としているらしい。語源由来事典によると、英語では "salad" (サラド)、フランス語では "salade" (サラード)、イタリア語では "insalata" (インサラータ)、ドイツ語では "salat" (ザラート) というとある。なるほど、オランダ語の "salade" はフランス語と同じスペルである。
サラダというのは、今ではいろいろなドレッシングで和えたりしているが、元々は塩で和えていたもののようなのだ。ということは、「コールスロー」 は 「塩キャベツ」 ということなのだね。
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