« 組織運営の 「透明化」 ということ | トップページ | パチンコ業界は低迷しているらしい »

2016/08/09

虹は本当に 7色なのか?

今朝、水戸に向かってクルマを走らせていると、カーラジオで何の番組だか忘れたが、「虹の色数」 が話題になっていた。この番組では、虹の色数は世界ではバラバラで、日本では 7色とされているが、米国や英国では 6色、ドイツやフランスでは 5色、アフリカの多くの国では 4色と考えられていると言っていた。

もちろん、虹の色は太陽光線が分解されて連続したスペクトルになっているのだから、色の境目なんてない。だから色の数なんて数えられない。ということは、世界各国の虹の色数の考え方というのは、多分に 「思い込みの産物」 なのだろう。

2_2

実際のところ、空に出た虹の色数なんて律儀に数えてみたことなんてない。上の写真は 7年前に父の危篤を聞きつけて田舎に帰る途中、酒田に着く直前に撮ったものである。この写真を撮って間もなく父はこの世を去った。二重の虹は、先に死んだ母が父を迎えに来ている姿のように思えたものである。

まあ、センチメンタルな話はさっさと切り上げて、写真に注目してみると、虹の色数なんて、どうでもいいことのように思われるのである。5色のようにも、6色のようにも見えるし、もちろん詳細に 7色と見ることだってできる。あるいは南アジアのバイガ族・アフリカのバサ語族のように、大ざっぱに 2色にだってみえないこともない。

ただ、日本人のように 7色とみるのは、実際にはなかなか難しいことで、よほど強く思い込まないとそんな風には見えない。こうした自然現象に関する日本人の認識というのは、冷静で客観的な観察の結果というよりは、ずば抜けて象徴的というか、観念の中で純化させたものという気がする。

それはウグイスの鳴き声を 「ホーホケキョ (法、法華経)」 と聞くのを始め、犬の鳴き声を 「ワンワン」 、猫の鳴き声を 「ニャアニャア」、ヒグラシの鳴き声を 「カナカナ」 という、リアルな鳴き声から少々遊離した 「擬音」 に固定している如く、とても観念的な認識操作である。

虫の鳴き声を、西欧人は右脳で雑音として聞くが、日本人は左脳で意味のあるものとして捉えるということとも、かなり関連しているように思う。どうでもいいことにちょっとした観念的な意味を絡め、それを風流と感じるのが日本人である。

ちなみに、もうちょっと詳しく調べてみたところ、初めて虹を 7色としたのは、万有引力を発見したアイザック・ニュートンであるとされているらしい。Wikipedia で 「虹」 を調べると、「虹の色数」 という章に次のように記されている (参照)。

当時のイギリスでは虹の基本色は赤黄緑青紫の 5色と考えられていたが、ニュートンは柑橘類のオレンジの橙色と植物染料インディゴの藍色を加えて 7色とした。彼は虹の色と色の間は無限に変化していることを知っていたが、それにもかかわらず、虹を 7色としたのは、当時、7が神聖な数と考えられていたからである。音楽のオクターブもドレミファソラシの 7音からなる。ニュートンは美しい虹も 7つの基本の色からできているとしたのである。

音楽の音階が 7音からなるというのも、西欧的なコンセプトからすると非常に 「科学的」 であり、そしてそれは 「神の摂理」 と考えることと矛盾しないのだ。つまり 「至高の原理」 なのである。世界の他の地域では日本も含めて 5音階というのが多いのだがね。そして実は、日本人が 「7色の虹」 なんて言うようになったのは、このニュートン説が輸入されてかららしい。それ以前は 5色と思われていたというのである。

ニュートンの母国英国では、今は 6色と思われているらしく、格調高く 7色とする説は受け入れられなかったが、日本において根付いたというのは、なかなかおもしろいことである。ニュートンの 「科学的観念主義」 は、日本人の 「風流観念主義」 と、「観念的」 という志向性を介して一脈通じるところがある。つまり 「とにもかくにも、そういうことなんだ」 ということにして、それで気持ちよくなっちゃうってことね。

ただ、日本人はあくまでも風流の見地から受け入れたのであり、ニュートンが 「科学的」 と考えていた理想主義とは、視点は明らかに違っているが。

|

« 組織運営の 「透明化」 ということ | トップページ | パチンコ業界は低迷しているらしい »

比較文化・フォークロア」カテゴリの記事

コメント

何色かというより、写真には見事に副虹が写っていることに興味がそそられます。主虹と副虹は色の並び順が鏡像関係にありますね。

投稿: ハマッコー | 2016/08/10 21:55

ハマッコー さん:

そうなんですよね。二重の虹が色の並び方が逆方向になります。

投稿: tak | 2016/08/11 02:57

随分前の記事にコメントしてすみません。

塾講師やってて悩んだのが、問題集で「太陽光はプリズムで7色に分かれる」というもの。
(あれ、虹が7色ってのは単なる主観だよな。プリズムで別れた色もそうじゃないのか?それとも科学的に明確に7色なのか?)・・・

あとで調べたら、やはりプリズムの色数も単に主観的なものでした。
出版社の理科担当の人も、そのあたりよく把握してないみたいでした。

投稿: らむね | 2017/01/11 00:42

あむね さん:

虹の色は連続的な変化ですから、何色かなんていえませんね。

投稿: tak | 2017/01/12 21:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/64035811

この記事へのトラックバック一覧です: 虹は本当に 7色なのか?:

« 組織運営の 「透明化」 ということ | トップページ | パチンコ業界は低迷しているらしい »