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2017/01/29

ストロベリーの 「ストロ」 はどういう意味ですか」 という質問

偶然に 「ストロベリーの 『ストロ』 はどういう意味ですか」 という質問が Yahoo 知恵袋に 3度も寄せられているのを知って唖然とした (参照 1参照 2参照 3)。元の英語の綴り (strawberry) をみれば、「ストロ」 は "straw" (ストロー = 麦わら) であることが一目瞭然なのだから、こんな質問が出ること自体、「知の劣化」 と言われても仕方がない。

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ちょっと調べさえすればわかることを、すぐに他人に聞きたがるやつに対して、ネット界隈では 「ググれ!」 の一言で対応することが主流になっているらしい。この言葉の後ろには往々にして 「カス!」 の付けられることが多いらしく、「ググれ、カス!」 というのが定型句になっていたりする。

ただ 「ストロベリーの 『ストロ』 は……」 に至っては 「ググれ」 以前の問題で、「辞書引け、辞書!」 というほかないような気がする。しかしこんな手合いだと、国語辞典で 「ストロ」 を引いてみて、 「そんな言葉、見つかりませんでした」 なんて言い出す可能性大だから、ちょっと始末に負えないかもしれない。

とはいえこの質問に関しては、「ストロ」 は ”straw" で 「麦わら」 のことですよと答えて、それで済むなら話は簡単だ。「ああ、そうだったのか、ストローで麦わらか!」 となって、フツーはそれで十分だと思う。

しかし私みたいに 「知りたがり」 の病がちょっと重症化していたりすると、「どうしていちごが、麦わらと関係あるのか?」 なんて食い下がりたくなる。こうなると、話はちょっとややこしくなるようなのだ。

「語源由来辞典」 によると、「地を這い広がった姿が麦わらに似ているから」 とか 「果実の表面にある小粒の種子が麦わらの切れ端に似ているから」 とか言われているらしいが、「実際のところ解っていない」 ということのようだ (参照)。確かに、どちらの説も 「こじつけ臭さ」 が強すぎて、「一体どこが似てるんだ?」 と突っ込むことすら馬鹿馬鹿しいレベルだ。

ところが、Yahoo 知恵袋に新しい説が見つかった。引用してみよう (参照)。

英名の「strawberry」 の 「straw」 は 「麦」 ではなく、「あちこちに散らす、一面を覆う」を意味する 「strew (strawの古語)」 が語源で、ランナーを伸ばして繁殖する様子を表しているそうです。また、2002年 1月 13日のNHK 「日本人の質問」 では、ランナー自体を麦わらに見立てたという説が紹介されていました。

確かに、"strew" という言葉は 「(砂、種などを) まき散らす、振りまく」 という意味で、「ランナー」 というのは 「親株」 から伸びる 「子株」 のことらしく、家庭菜園インフォパークというサイトには「【簡単!イチゴの子苗取り】 収穫後のランナーから新苗を作る方法」 というページがある (参照)。

そしてこの 「ランナー」 というのは日本語では 「匍匐茎 (ほふくけい)」 というらしく、これをキーワードに引き返してみると、Wikipedia に英語では "stolon" (ストロン) という (参照) とあった。下に引用する。

走出枝 (ランナー/Runner)  と呼ばれる場合もある。厳密には匍匐茎 (ストロン) と走出枝 (ランナー) は異なる物であるが、実際上、両語を明確に区別して使用される場面は少ない。

匍匐茎が 「ストロン」 というと、じゃあ、「ストロベリーの語源はこっちの 『ストロン』 なんじゃないの?」 と言いたくなるかもしれないが、カタカナで書いたら似ていても、"straw" と "stolon" は最初の "st" 以外はまったく別の発音なので、原語を話す人々にとっては日本人が思うほど似た言葉じゃない。ここは慎重にならざるを得ない。

まあ、”strew" から来たとみるのが一番近そうだが、決定的な説ともいえず、語源は 「よくわからん」 としておくのが無難だろう。

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コメント

ストローが麦わらのことだと知らない人もわりといると思います。
私が初めて知ったのは、確か高校生の時。
英文中にstraw hatと出てきて、「なに?ストロー帽子?なんじゃそりゃ?チラシ丸めて作る手芸品か?」というところまで推定して、後で調べて愕然とした記憶があります。
惜しいところまでいったんですけどねえ。

英語の語源とか、時々面白いものを見つけると嬉しくなります。
マイケル、ミッシェル、ミヒャエル、ミカエルがすべてMichaelだと知った時の衝撃と言ったらもう・・・!
大天使ミカエルを大天使マイケルにしたらなんとイメージが違ったことか(笑)。
「やあ!イエス!元気かい!これから君に神の言葉を伝えるね!」みたいな。
いや、アメリカ人に対する偏見ではあるんですけどね。

投稿: らむね | 2017/01/30 22:57

手元の辞書では、イチゴが痛まないように straw で覆ったからとか、匍匐茎が麦わらに似ていることからとありますね。(ジーニアス英和大辞典)

ところで昔々、本物の straw でカルピスを飲んだ記憶が蘇りました。あの straw はどこにいってしまったんでしょうか?
衛生上の理由で今はダメなんでしょうか。

投稿: ハマッコー | 2017/01/30 23:49

らむね さん:

>ストローが麦わらのことだと知らない人もわりといると思います。

なるほど、現代日本人にとって 「ストロー」 とは、ジュースやソーダを飲むための、途中に蛇腹の入ったプラスチックの管なのですかねぇ。

>「やあ!イエス!元気かい!これから君に神の言葉を伝えるね!」みたいな。

それだったら、
「やあ! ジーザス! 元気かい!」 とならなければね (^o^)

投稿: tak | 2017/01/31 00:09

ハマッコー さん:

へえ、ジーニアス英和大辞典は、なかなか親切ですね!

私が子どもの頃は、飲み物を麦わらですするのさえ 「おしゃれ」でした (^o^)

投稿: tak | 2017/01/31 00:11

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