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2018/01/05

当分の間 「本籍・改憲派、現住所・護憲派」 で行きたい

安倍首相が伊勢神宮での年頭記者会見で、戌年にちなみ、「声なき声に耳を傾ける」 と語ったという (参照)。「声なき声」 というのは、彼の祖父にあたる岸信介元首相も使った言い回しだが、政権側にとってはよほど使い勝手のいい便利な言葉のようだ。

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あまりにも便利なのでどうしても使ってみたかったのだろう。「戌年にちなんで」 などというのは強引すぎる後付けの屁理屈で、彼の言葉を意訳すれば、「たとえ誰も声を発しないことでも、こちらの都合で聞いたことにできるんだもんね」 ということだ。ある意味、民主主義を否定しかねない宣言である。

私は何度か書いてきたように、改憲派である。日本国憲法はいずれ改憲しなければならないと思っている。だが安倍首相の主導による改憲には、乗っていけない。それは彼の憲法観がまともじゃないと感じられるからだ。

彼は 2014年 2月 3日の国会答弁で、 憲法について 「考え方の一つとして、いわば国家権力を縛るものだという考え方がある」 としながら、「しかし、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方であって、今まさに憲法というのは、日本という国の形、そして理想と未来を語るものではないか」 と述べた (参照)。

私は当時、このニュースに接して 「何だ、そりゃ?」 と思っていた。「憲法は国家権力を縛るもの」 というのは、立憲主義の基本コンセプトであって、決して 「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方」 なんかではない。むしろ安倍首相の憲法観こそが、絶対王権時代のコンセプトに近い。一体何を勘違いしているんだ。

まあ、論理的な言い方の下手くそな彼としては多分、「絶対王権時代に発生したカウンター的な考え方だった」 と言いたかったのだろう。しかし、そのカウンター的な考え方こそが、現代の立憲主義という主流コンセプトとして確立しているのである。むしろ安倍首相の考え方こそがアナクロなのだ。こんな人の主導で改憲なんかした日には、行け行けドンドンで何をされるか、あぶなくてしょうがない。

というわけで、当分の間は、「本籍・改憲派、現住所・護憲派」 で行くことにしたいと考えている。

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コメント

>行け行けドンドンで何をされるか、あぶなくてしょうがない。
私も非常に危惧しておりますので、
「当分の間は、『本籍・改憲派、現住所・護憲派』で行く」というスタンスに同意します。

投稿: K.N | 2018/01/06 14:07

K.N さん:

まともに穏やかな改憲をしたいという人間にとっては、安倍首相一派は、文字にしたら同じ 「改憲派」 でも、甚だ迷惑な存在です。

あんなやり方をされたせいで、本来改憲派だった私まで、逆効果的に護憲派になってしまいました。同様のケースが案外多いんじゃないかと思っています。

投稿: tak | 2018/01/06 21:21

私の場合も、改憲すべきだと思うポイントはいくつかあるんですが、どうも安倍首相が考えている条項、あるいは方向性とはまったく関係がないようで(笑)

投稿: 山辺響 | 2018/01/10 15:45

山辺響 さん:

安倍首相って、基本的に深く考える、というか、もう一步踏み込んで本質に分け入るというか、あるいは別の側面からアプローチしてみるってことをしない人なんでしょうね。その辺が最大の問題のような気がします。

投稿: tak | 2018/01/10 15:54

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