« 女性の校長はまだ少ない | トップページ | 飛騨国行きはお預けになってしまった »

2018/08/02

FAX という 20世紀文化の力

昨年の 3月 30日に、FAX は 「ここ 2年近くまったく受発信していない」 と書いていて (参照)、翌月下旬には取り外してしまった (参照)。3年以上 FAX とは無縁の生活だが、まったく不便は感じない。

180802

近頃では、FAX はすっかりその歴史的使命を終えたものとばかり思っていたが、近くに住む知り合いに 「新しい FAX を買ったんだけど、設置の仕方がわからないから、お願いできないかな」 と頼まれてしまった。この人、この類いのことは何でも私に頼めば済むと思っている。

「やれやれ」 と思いつつその家に行き、ヒョイヒョイっと設置して、ついでに「ワンタッチ・ボタン」 と、内臓の電話帳の番号登録もしてあげて、コーヒーとケーキをご馳走になった。

コーヒーを飲みながら、「それにしても今どき、FAX を使うことなんてあるんですか?」 と聞くと、70代前半の彼は、仲間内との連絡で月に 1〜2度は使うことがあるという。しかし最も頻繁に使うのは彼の妻で、手芸とか生け花とかのサークル活動をしているので、メンバーと連絡を取り合うのにほとんど毎日使っているという。

「サークルの連絡だと、同じ原稿で何回も送らなきゃいけないから、電話代かさんじゃうでしょう」 と言うと、「いや、そこはうまくやってるみたいで、1人が 2人に順ぐりに FAX してつないでいくというシステムにしてるみたいだね」 という。昔の 「PTA の 連絡網」 みたいなことをしてるわけだ。

「いずれにしても、奥さんだってケータイもってるみたいだし、メールで連絡し合えば楽なんじゃないの?」
「いやいや、やっぱり紙に手書きしたのを FAX で送る方が、しっくりくるみたいだね」
「だったら、手書きした紙を写真に撮って、メールに添付して送ればお金と時間の節約になるのに」
「メールに写真を添付するなんて、できるわけがない。そんなの私だってできないもの」

なるほどね。この人にかかると、単に使い切ったインクフィルムを交換するのでも、「こないだ FAX が故障して印刷できなくなっちゃったから、取扱説明書見ながら、やっとの思いで自分で修理したよ」 ってなことになっちゃうほどだからね。「消耗品交換」 というルーティン・ワークが、「修理」 という一仕事になってしまう。

そうこうしているうちに、設置したばかりの新しい FAX のベルがなり、しばらくして受信内容がジーコンジーコンと印刷されて出てきた。手芸サークルから、丸っこい文字に手書きのイラストとハートマーク満載の 「お知らせ」 である。

なるほど、ベルが鳴ってから印刷完了まで、どうみても 2分近くかかっているが、とくに急ぐでもないから楽しんでやってるわけね。20世紀は、今もこうして脈々と生きているのである。

帰りに途中のケーズデンキに寄って、まだ FAX 売り場なんてのがあるのか見てみると、1万円台から 4万円台まで、8機種ほど陳列されていた。FAX というのは、今でもしっかりと現役のようだ。

|

« 女性の校長はまだ少ない | トップページ | 飛騨国行きはお預けになってしまった »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

いつも楽しく拝見させて頂いております。
Sennaと申します。

私の所では事務所と現場(印刷所)のやり取りは未だにFAXを使用しておりますね。例えば、「帳票(納品書etc...)等のどこどこの項目をあっちから、こっちに変更して下さい。」の様な指示は手書きなので~。
まぁ、スキャンしてメールでも良いのですが、FAXだと届いた時にすぐに気づけるので、未だにそのままです。

で、その指示書なのですが、もぅ何年か前になるでしょうか、新人の女の子に任せたところ。。。
「Sennaさん!Sennaさん!分かりやすいように、赤色のペンで指示書つくりました!!!」
と曰いました、FAXっていつからフルカラーになったんですかね?

その後、顔を真っ赤にして恥ずかしがってたのはいい思い出ですw

投稿: Senna | 2018/08/02 10:45

Senna さん:

「とくに注意する点は、赤い文字にしてありますので、よろしく」 という FAX を、大昔に貰ったことがあるのを思い出しました (^o^)

実際には、「とくに注意する点」 が薄く印字されていたので、往生しました。

投稿: tak | 2018/08/02 12:30

*FAXは世界中どこでも手紙が電報より早く届く
*初期投資が一万円強、時には一万円弱
*既存の電話回線に取り付けるだけ、スマホだと月に安くても二千円は別にかかる。
*手書きなのでキーでの入力操作が要らない。これは慣れない人にとってはありがたい。
*何とかサークルなどの活動している高齢者にとっては欠かせないツールだと思います。
*受信したら目の前に紙が得てくるので分かり易い。

などの理由で消えることはないと思います。

欠点は家にいないと受信してもすぐに見ることが不可。でも高齢者は家にいることが多いのでディメリットにはならない。

企業でも複合機というかたちでしぶとく生き残ってますね。これはプリンターとスキャナーの機能だけのものと比してFAX機能付きのものは大して価格差がないので、それならFAX機能付きにしようとなります。

FAXを多用する業界は海運会社、倉庫会社、水産会社ですね。特に水産市場では、鉛筆を耳に挟んだおじさんが伝票に手書きで商品名と数字を書き入れてFAXにセットしてキーを一か所押せば伝達操作は完結ということで重宝しているみたいです。

因みにカラーで送受信できるFAXはあります。私が使ってるFAXはカラー対応です。しかし今までにカラーで受信したことは一度しかありません。

FAXが企業に普及しだした40年前は300万円でしたが、今ではより高機能のものが一万円前後で買える。隔世の感があります。

投稿: ハマッコー | 2018/08/02 14:22

ハマッコー さん:

なるほど。

ただ、「FAXは世界中どこでも手紙が電報より早く届く」 には、ちょっと異論があります。

国際的には、FAX に投資できない途上国のみならず、先進国でも FAX を設置していないオフィスは珍しくありません。

日本では FAX 全盛の 1990年代、米国の出張先から日本に原稿を送ろうとして 「ファクシミリ使わせて」 と言っても、「そんなの置いてないよ」 と言われるのがフツーで、その度に郵便局まで走ったものです。

郵便局では FAX 送信依頼フォームみたいなのがあって、記入して原稿を差し出すと、局員が慣れない手つきで送信してくれました (^o^)

(ちなみに 「ファックス」 はあまり通じないどころか、日本人の発音だと変な意味に取られるので、要注意です)

今では米国では 「レガシー・デバイス」 そのものですので、全然増えてないと思います。ましてや一般家庭では 「どうして eメールを使わないの?」 と言われるのがオチだと思います。

日本では市場などで、伝票やリストに手書きでチョイチョイっとメモ的に書き入れて送るというのは、確かに便利なんでしょうね。ただ、タブレット端末にしてしまえばずっと楽なのにとは思いますが。

FAX だと、受け取った方がそれをシステムに入力し直さなければならない手間が大変だと思うのです。

投稿: tak | 2018/08/02 19:38

世界的にはFAX機は絶滅危惧種だということは承知の上で「世界中どこでも」と書きました。当然相手にFAX機があればの話です。(ただし回線状態が極めて悪い国があって、通信が成立しない国があります、UK.ロシア、アジアの一部など)

ミュージックカセットテープの需要が根強くあるようで、演歌好きのおばちゃんはCDでなくカセットでないとダメなんだそうです。高齢者にFAXが好まれているのもなにか共通する理由がありそうです。連投失礼しました。

投稿: ハマッコー | 2018/08/03 02:51

ハマッコー さん:

カセットテープと FAX の共通性、なんとなく納得しました (^o^)

投稿: tak | 2018/08/03 19:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42004/67012195

この記事へのトラックバック一覧です: FAX という 20世紀文化の力:

« 女性の校長はまだ少ない | トップページ | 飛騨国行きはお預けになってしまった »