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2018/11/16

「ノック 2回は、トイレの在室確認」 という都市伝説

今月 12日付の "「ノックは 3回」 という歌があるが" という記事で、某就活サイトにある 「ノックの回数」 についての 「プロトコールマナー」 という記述を紹介した。「ノック 2回は、トイレの在室確認用。3回は、家族、友人、恋人などの親しい相手。4回以上は、礼儀が必要になるオフィシャルな場や初めて伺った場所」 という、一見もっともらしい話である。

181118

この記事に、山辺響さんから次のようなコメントが付いた。

都市伝説の類という話も……。
https://www.apriori-eye.com/entry/protocol-manners-knock-the-door

リンク先は "a priori" というブログで、今年 8月 14日付の "「ノック 2回はトイレ用」 は嘘という不都合な真実" という記事だ。結構長めのエントリーだが、結論的には、「ノック 2回はトイレの在室確認」 とする信頼に足る客観的な根拠は、どこを探しても見当たらないということだ。

さらに、たにさんからも、以下のコメントをいただいた。

こんな都市伝説が生まれた経緯について調べている興味深いブログがありました。
https://www.netlorechase.net/entry/2017/01/22/070000

こちらのリンク先は、A Netlore Chase というブログの、2017年 1月 22日付 「ノックは何回するのが正しいのか、プロトコールとディグニティー」 という記事である。こちらも 「どうも英語圏の YahooAnswers やマナーに関するページを見る限り、『プロトコールマナー』 もなければ、ノックの回数についても正式に決められているようには見えません」 とある。

そりゃそうだよね。インターネットの通信規約 (いわゆる 「プロトコル」) に関しては、明確に定めないとめちゃくちゃになってしまうが、ノックの回数如きで明確な国際規約があるとは到底思われない。ましてや 「トイレの在室確認は、ノック 2回」 なんて国際合意があるとは想像しがたい。

日本では 「正式なノックは 4回と、プロトコールマナーで決められている」 と、あちこちで喧伝されているが、私の 12日の記事でも、自分としては洋画ではお馴染みの 「ドンドンドンドン」 という音とリズムが身についてしまっただけとした上で、次のように書いている。

多分、フツーの欧米人も、別に親から 「ノックは 4回しなさい」 と教えられたわけじゃなく、日常の生活の中で自然にその音とリズムに落ちつくのだろう。

つまり、「なんとなく、そうしちゃってる」 ぐらいの話としか思われない。「プロトコール・マナー」 なんていう妙な表記を目にした時点で 「何だかなあ」 とは思っていたが、早い話が、欧米のインターネット・ページをググり尽くしても、「部屋に入るときはノックするのが望ましい」 とあるばかりで、「その回数についてはほとんど触れられていない」 というのが結論のようなのである。

さらに言えば、欧米の公共トイレは (近頃は日本のトイレの多くも) 空室の時はドアが開いているというスタイルなので (稀に例外あり)、「在室確認は ノック 2回」 という 「プロトコール」 なんてものを定める意味がない。そういえば確かに、私は海外で公共のトイレを使う時に、ドアをノックした記憶がない。

ただ、小さなレストランなど、小規模な施設の場合は個室のドアが閉じているのがデフォルトの場合もある。これだと、開けてみようとするまでは塞がっているかどうかわからない。

この事について私は、14年以上も前に "「入ってます」 を英語でどう言うか?" という記事を書いたことがある。

友人が外国のレストランのトイレに入っている時、外から誰かがドアノブをガチャガチャ回して開けようとした (ノックなんてされなかった) ので、内側からノックで知らせようとしたのだが、なんとそのトイレはとても広くて、便器に腰を下ろしたままでは、ドアまで手が届かなかったのだそうだ。「そんな場合、『入ってます』 は英語でどう言えばいいのか」 と聞かれたのがきっかけである。

こんな場合、"Someone in" と言えばいいなんて話もあるが、私の経験では、米国のレストランでトイレのドアを開けようとしたら中から "Occupied!" という声が聞こえた。飛行機などのトイレの 「使用中」 の表示そのものである。なるほどね、それもありか。要するに、わかりゃいいという話で、決まった言い方なんてないのね。

というわけで、「ノック 2回はトイレの在室確認」 なんていう 「プロトコール・マナー」 は、確かに都市伝説に違いないようなのである。

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コメント

今日の記事を途中まで読んで、そりゃ "Occupied!" だろうと頭に浮かびましたが正解だったようでほっとしました。

昔、何回か行ったことのあるクラブの売りはそのトイレにありました。三畳くらいの広さで内装も豪華でした。
そういうところでは "Occupied!" というしかないですね。
(英語圏では)

JR東の東京駅のトイレはとても簡単な仕掛けで、どのトイレが“使用中”か一目瞭然ですね。感心しました。

投稿: ハマッコー | 2018/11/18 01:06

ハマッコー さん:

東京駅のトイレの仕掛けについては知りませんでした。今度行ったら、見てみます。

投稿: tak | 2018/11/18 06:33

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