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2019/06/06

日本人の名前のローマ字表記は、姓が先か、名が先か

ちょっと旧聞気味で恐縮だが、日本政府が先月、日本人の氏名をローマ字表記する際に、従来の「名 - 姓」の順から「姓 - 名」の順にすることが望ましいと関係機関に呼びかけることになったことについて、一言書かせてもらおう。

190606

実は 20年ぐらい前にも国語審議会が「姓 - 名」順とするように呼びかけたことがあって、私も「なんだかなあ…」と思った記憶がある。結局のところ、定着するどころか誰もまともに意識しなかったというお粗末になったわけだが、今回改めて蒸し返されたということなんだろう。

実はこれ、冷泉彰彦氏が Newsweek 日本版に「基本的には個々人の自由であり、強制力を持つ話ではないので、賛成も反対もない」と書かれている(参照)のに全面的に同意してしまいたくなるお話で、さらに「個人的にはあまり気が進まないのは事実」という点にも賛成だ。「今さら政府にどうのこうの言われても、ちょっとなあ」ということである。

私のハンドル・ネームである「庄内拓明」にしても、ローマ字では一応 "Takumyo Shonai" だが、実際には "tak-shonai" という表記の方を意識的にフィーチャーしている。当初は "Tack Shonai" にしようかとも思ったが、「変な東洋人ぽさ」の漂う "tak-shonai" に落ち着いた。これも要するに「個々人の自由」、即ち「好みの問題」である。

野球の大谷翔平は意識的に "Otani" の方を先にして定着させたい意向らしいが、今朝 BS テレビで見たメジャーリークの実況でも、ホームランを打った途端にアナウンサーが興奮気味に「ショウヘーイ・オゥターニィ!!と絶叫しまくっていたから、結局は「名 - 姓」の方が定着してるってことなんだろう。

こればかりは理窟じゃなく、「しっくりくるか、こないか」という点に落ち着いてしまうんじゃないかなあ。

 

 

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比較文化・フォークロア」カテゴリの記事

コメント

例えば、日本人がアメリカ人を呼ぶとき「マイク・デービス」と呼びます。名ー姓という向こう基準に合わせているわけです。
一方で、アメリカ人が日本人を呼ぶときはもちろん、例えば中学の英語の授業で英文の中に登場するときなどは「イチロー・スズキ」となります。

これがどうも腑に落ちなくて。対等じゃないですよねえ。
これは日本人の優しさなのか、おもねりなのか、あるいは敗戦国の弱みなのか。
私は堂々と「鈴木一郎」で行こうよ、と思います。「SUZUKI Ichiro」という案もあるそうですね。

中韓はどうなのかも気になるところです。
「Shu Chinpei」なのか「Chinpei Shu」なのか。また「Kim Dejun」なのか「Dejun Kim」なのか。
まさか劉備を「Bi Ryu」とはしないと思いますが。(スペルミスはご容赦下さい)

投稿: らむね | 2019/06/06 23:01

らむね さん:

ご指摘のことは、紹介した冷泉氏の記事に書かれていますので、自分の記事の中ではいちいち繰り返しませんでした。リンク先をお読みください。

敗戦国としておもねているわけではないというのは、明治時代から続く習慣であることからもわかります。

ちなみに、「おもねている」と思われる点については 「李」 という名前をどう読ませるか(「イ」なのか "Lee" なのか)ということについて、そのような意識がはたらいているような気がしてしまいます。

http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2014/01/post-fdb1.html

習近平は英語のニュースでは Xi Jinping と書かれてますね。英語のネイティブ・スピーカーもどう読んだらいいか困っちゃう表記です (^o^)

金大中は Kim Dae-jung です。昔からの Newsweek 読者にはお馴染みでした。

劉備となると、なかなか Newsweek には登場しませんが、Liu Bei だそうです。玄徳の方の表記は、さあて、どうなんでしょう?

投稿: tak | 2019/06/07 01:05

私は【姓】で呼んでもらいたい。
必要があれば【姓-名】も可。
赤の他人に【名】を使われることには抵抗があります。
(忌み名的感覚?)

>こればかりは理窟じゃなく、「しっくりくるか、こないか」という点に落ち着いてしまうんじゃないかなあ。
おっしゃる通りと思います。
ですから政府が、
多くの日本人は【姓-名】の方が「しつくりきますよ」、と言うのは必要なことだと思うのです。

投稿: Mcc | 2019/06/07 10:54

ほー、リンク先読んでませんでした。なんか、私が書いたことは全部書いてありますね。余計なコメントでした。

中韓は姓が単純なのでそれが前にあるのが自然、ですか。納得です。英語で「F・ルーズベルト」みたいに言う習慣に近いのですかね。

玄徳は・・・どうなんでしょ。
普通に姓を前にするみたいなので書くとしたら「Liu Gentoku」でしょうか。あるいは「Liu Bei (Gentoku)」?まさかミドルネーム扱いで「Liu Gentoku Bei」なんてことは無いと思うのですが。(例によって玄徳のスペルは適当ですw)
西洋史を学ぶ東洋人がいるように、東洋史を学ぶ西洋人もいると思うので、そういう人に訊いてみたいですね。

投稿: らむね | 2019/06/07 11:31

翻訳の原稿で出会ったのですが、ハンガリーの名前は姓名の順で表記する、ということを知ったのは驚きでした。

ちなみに劉備玄徳の玄徳は、Xuandeのようです。名(諱)の代わりに用いる字(Courtesy Name)とのことなので、Liu Xuandeでしょうね。まぁ歴史書のなかでしか出てこないだろうから、Liu Bei (Xuande) かなぁ。

投稿: 山辺響 | 2019/06/07 15:14

らむね さん:

中国人の名前の英文表記は、なんだか知りませんが、「ある時期にそういうことにしちゃったんだから、そうなの!」という感じですね。

なにしろ、日本語の母音は原則 5つで単純ですが、中国語の場合はそれでは済まないようなので、コトは複雑です。どうでもいじれそうですね。

投稿: tak | 2019/06/07 23:45

山辺響 さん:

ハンガリーの場合は、姓 - 名の順のようですね。どういう経緯でそうなったのかは知りませんが、何だか東洋の飛び地っぽい感覚です。

劉備玄徳となると、もう面倒で付き合いきれないですね。大石良雄内蔵助みたいな感じなのかなあ。

投稿: tak | 2019/06/07 23:49

調べたら面白いことが。
ハンガリーって民族のアイデンティティにアッティラのフン族を持つみたいです。
姓ー名のアジア的順番はそこからきているのかもです。

投稿: らむね | 2019/06/08 00:25

らむね さん:

それで ”Hungary” というのかと思ったら、語源としては別にあるようですね ^^;)

投稿: tak | 2019/06/08 06:39

にぽん人ってなんだか相手国に合わせちゃうんですかね
姓名の前後はあんまりきにしたことなかったですが、
北京、東京、上海、大阪、が
にぽん人は
ベイジン、とうきょう、シャンハイ、おおさか
なのに、中国人は
ベイジン、トンジン、シャンハイ、ダーパン
なののほうが気になります。
とうきょう、おおさかと呼んでほしい。地名なんだから
(ZAQ)

投稿: ひろゆき王子 | 2019/06/09 13:56

ペキン、では・・・?

投稿: らむね | 2019/06/09 23:09

ひろゆき王子 さん:

日本人は漢字の読み方も呉音、漢音などとフレキシブルですが、中国ではそうでもないんで、仕方ないみたいですよ。

地名でも自分の文化の読み方になっちゃいますね。

チューリッヒなんて、英語だとズーリックみたいになっちゃうので。

投稿: tak | 2019/06/10 04:29

らむね さん:

日本人は「ペキン」だと思ってますね。

これ、いつの時代の読み方なんだろう?
映画「北京の55日」では "Fifty-five days at Peking" と歌ってますね。
https://www.youtube.com/watch?v=V92c09nwRqo

ふぅむ。

投稿: tak | 2019/06/10 04:32

Mcc さん:

すみません。コメントを見落として、レスが遅れてしまいました。

>赤の他人に【名】を使われることには抵抗があります。
>(忌み名的感覚?)

なるほど。

そんなわけで、日本の文化に理解のある気の利いた西洋人は、日本人を呼ぶときに苗字に「さん」を付けて呼びますね。

「スズーキさん」とか「ワッタナァビーさん」とか (^o^)

こっちがファースト・ネームを呼び捨てで呼んでも、向こうが苗字で呼ぶときには大抵「さん」を付けてくれます。英語感覚だとファミリーネームの呼び捨てはぶしつけすぎて抵抗があるし、ミスターだのをつけるとことさら過ぎるので、この方式に落ち着いてるみたいですね。

投稿: tak | 2019/06/10 19:25

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