カテゴリー「グルメ・クッキング」の102件の記事

2018/09/22

平壌冷麺も、すすりこまずにもぐもぐ食うもののようなのだ

韓国の文在寅大統領が北朝鮮を訪問し、金正恩と仲良く平壌冷麺を啜る姿が放映された。あくまでも私個人の感覚でしかないが、それは何となく異様な光景ではあった。

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それぞれの国や地域にそれぞれの風習があり、食事のしかたもバリエーションがあるのだから、自分の国だけのスタンダードでモノを言うのがぶしつけとは充分に承知している。しかしながら 2つの国の元首が並んで上体を器に覆い被せるようにし、長いヌードルを黙々と手繰る姿が、何だか冗談みたいに感じられたのは、人情というものである。

麺類を食うときに音を立ててすすってもいいというのは、どうやら日本だけのことのようなのである。西洋人のみならず、私の経験ではアジア人でも、蕎麦屋に連れていって 「音を立ててすすってもいいんだよ」 と説明しても、多くは 「本当か? からかってるんじゃないか?」 と本気で恐れ、疑う。

「いや、からかってなんかいない。周りを見ろ、みんな音を立ててすすってる」 と言って安心させようとしても、彼らの多くは 「ツルツルっ」 と小気味よくすすることができず、不器用にモグモグと少しずつ口にするのが関の山だ。この件については、11年近く前に 「蕎麦は禅的食物かもしれないが」 というタイトルで書いている。

彼らの 「モグモグ」 の様子は、まさに、この金正恩の動画 とか、この文在寅の静止画 にそっくりで、どうしてもこうなってしまうようなのだ。ただ、この 2つの画像を比較すると平壌冷麺の食い方に関する限り、金正恩の方に一日の長 (あるいは地の利?) があるようだ。文在寅は箸の使い方があまり上手じゃない。

そしてこんなに散々いろんなことを書いてしまってから言うのも恐縮なのだが、それについてどうのこうの余計なことを言ったり笑ったりしてはいけないのである。すすり込んじゃいけないのなら、スパゲッティのようにフォークに巻くようにして食えばいいじゃないかという見方もあるだろうが、それは完全に余計なお世話なのだろうね。

念のため欧米系のニュースサイトをざっと見たところでは、2人がヌードルとモグモグ格闘している画像はとりあえず 1枚も見つからなかった。彼らとしては、なんとなく 「見るに堪えない」 のかもしれないね。

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2018/06/22

土用の丑の日にウナギの 「代用食」 を食べようという提案

私は 5年前に 「当面、ウナギとマグロは食わないことにする」 と宣言した。もっとも、出先であてがい扶持の弁当などで出てきてしまった場合には、捨てるのもナンだから仕方なく食うが、自分で選んで食うことはもう一生ないだろう。

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これはもちろん、絶滅危惧種であるウナギを絶滅から救いたいという意識からである。生物多様性を守ることは、我々人間自身の存続を守ることにもつながるから、単なるもの好きというわけではない。

そうした意識が、年間 2.7トン のウナギのかば焼きをムダに廃棄しているという日本の流通業界にもようやく出てきたようで、宅配大手のらでぃっしゅぼーやが、「土用の丑の日にウナギの 『代用食』 を食べようという提案を初めて行うことになった」 というニュースが流れた (参照)。私からすれば 「ようやくか!」 と言いたいところだが、とりあえずは歓迎すべきことである。

土用丑の日に、「体のために」 ウナギを食べようなんていう話になっているが、今どきのウナギは 「国産」 の表示があってもまったく信用できない。供給がタイトな国産ウナギのかば焼きが、あんなに日本中のスーパーにずらりと並ぶはずがない。多くは中国産のクスリ浸けウナギと思う方がいい。

それでも、丑の日に我も我もとウナギのかば焼きを食べたがるというのは、そのこと自体がもはや 「ビョーキ」 である。日本人の多くが大喜びでビョーキになって、クスリ浸けのアヤシい食い物を食いたがっている。そろそろ目を覚ました方がいい。

タバコの場合は、嫌煙権が言われ始めて 40年以上経ち、最近になってようやく 「タバコを吸うのはカッコ悪い」 という意識がメジャーになってきた。ウナギの場合、「土用丑の日だからと言って、我も我もとウナギを食うのはカッコ悪い」 という意識になるまでに、あとどのくらいかかることだろう。

まあ、もっと端的に言ってしまえば、土用丑の日に、絶滅危惧種のウナギを避けるために、その 「代用食」 を食おうというのも、まだ 「半分ビョーキ」 という気もするのだが、それでもモロにウナギに群がって、挙げ句の果てに大量のフード・ロスを生じさせるよりはずっとマシということにしておこう。

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2018/06/13

動物性の食材を使っていないラーメン

何ヶ月ぶりかでラーメンというものを食べた。ラーメンそのものは決して嫌いではないのだが (というか、ラーメン嫌いな人って、会ったことがない)、近頃は肉を食わないことにしたので、チャーシューが付き物のラーメンも、自然食わなくなっていたのである。

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食べたのは、東京駅構内の 「T's たんたん 東京駅京葉ストリート店」 という店だ。大阪出張で昼前に家を出て、昼食はいつもの駅弁 「深川めし」 にしようとしていたのだが、ちょっと時間に余裕があったので、駅構内で食べたのである。

この店の本店は自由が丘にあるらしく、メニューは動物性食材 (肉、魚、卵、乳製品) や化学調味料を一切使わず、植物性食材だけで作ったラーメンということだ。「白胡麻たんたん」 「金胡麻たんたん」 「黒胡麻たんたん」 「白たんたん」 「ベジラーメン・とんこつ風」 など、結構いろいろなメニューが用意されている、

私はとりあえず、一番ベーシックな 「ベジラーメン・醤油」 というのを選んだ。余計なことをしていないだけ、ラーメンそのもののできがわかると思ったからである。値段は 750円。結構リーズナブルだ。

で、結論。「十分美味いじゃないか!」

巷でもてはやされている 「ギトギト」 と言いたくなるような、濃厚な食感とはほど遠いが、十分にコクはある。植物性食材だけでこれだけの味が出せるのなら、やれ、鶏ガラだの豚骨だのをやたらに放り込む必要がないし、チャーシューなんて、まったく要らない。このような店がフツーに増えたら、私も 「ラーメン絶ち」 する必要が全然ないのに。

というわけで、ちょっとオススメしておこう。東京駅構内の新幹線乗り場、南口に近いところにある。

ちなみに私は、肉は食わないが魚介系は食うので、魚介系出汁のラーメンなら、チャーシュー抜きで注文して食う。しかしそうした系統のラーメンも、巷では少ないのだよね。私の田舎の酒田のラーメンをみれば、魚介系出汁の美味さが分かろうというものなのだが。

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2018/03/16

名古屋駅新幹線ホームのきしめん

滋賀県方面への出張から戻ってきた。春爛漫の心地良い陽気だった昨日に比べると、今日は雨も降ってかなり冷え込んだ。春先はこんなことがあるから要注意だが、今年は何度も大きな落差で繰り返される。これが最後の寒の戻りになるのか、あるいはもう 1〜2度あるのか、油断がならない。

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ところで、滋賀県から新幹線に乗って東京まで帰ろうとすると、米原から東京まで、ちょっとゆっくりめの 「ひかり」 1本にするか、あるいは名古屋まで 「こだま」 で来て 「のぞみ」 に乗り換えるかで悩むことになる。ただ、最近は 「ひかり」 の本数がかなり少なくなっているので、大方は名古屋で乗り換える方を選ぶだろう。

しかし今回の私は奇策に出た。iPhone の 「乗換案内」 アプリで調べると、「こだま」 で名古屋に出るのと、在来線の快速電車を使うのとでは、本数の関係もあって、時間的にそんなに違わない。だったら、名古屋までの特急代を節約する方がいいんじゃないかという結論に達したのである。どうせ帰り道だから、そんなに急ぐわけじゃないし。

ことのついでに、どうせ名古屋で在来線から新幹線に乗り換えるなら、いつもの新幹線ホームの立ち食い店ではなく、ゆっくりテーブル席で食べられる店できしめんを食べて帰ろうという気になった。「きしめんは、新幹線ホームで食うのが一番おいしい」 とよく言われるが、それはちょっとした雰囲気のもので、時間に余裕さえあれば、ゆっくり座って食う方がおいしいに決まってるだろうよ」 と思ったのである。

ところがあに図らんや、さっさと結論を言ってしまおう。きしめんはやっぱり新幹線ホームで食う方が、単なる雰囲気以上に、掛け値なしにうまいとわかった。上の写真は、名古屋駅構内の某きしめん専門店で食った 「駅釜きしめん」 というもの。海老天まで入って、930円である。

一口食ってみて、「あ、こりゃ、失敗」 と思ってしまった。麺の幅がちょっとせまくて、「きしめんらしいコシ」 に欠けるし、汁も単にしょっぱいだけで 「コク」 がない。これは 「口直し」 をしなければどうにも収まらない。

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というわけで、腹は満たされたのだが舌が満たされないので食い直したのが、上の写真。いつもの新幹線ホームの立ち食い店、「住よし」 の 「イカ天きしめん」  (玉子入り、570円) である。

「うん、やっぱりコレじゃなきゃね!」  たっぷりと削り節がトッピングされた味わいは、「名古屋のきしめん」 ならではである。これで、360円も安いのだから文句なしだ。これからは浮気せずに、改札口を通ってから食うことに決めた。

一説によると、名古屋駅在来線ホームの 「住よし」 の方が、混まないのでゆっくり食えるし、天ぷらもその場で揚げてるのでよりおいしいらしいので、それは次の機会に試してみることにする。

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2018/02/07

昆虫食、ドンと来い!

今年 1月から EU で 「昆虫食」 の取引が自由化されることが、昨年夏に決定されていたわけだが、それを受けて、コオロギのクラッカーなどの販売が開始されているというニュースを、ラジオで聞いた。帰宅してからネットで検索してみると、Wired に "コオロギを食品にするスタートアップが描く 「新しい食生活」 ── クラッカーからパスタ、デザートまで開発" というニュースがアップされている。

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商品化したのはイタリア人で、商品名は "crickelle" というらしい。ニュースに添えられた写真をみるとごくフツーのクラッカーで、コオロギを粉末にしてクラッカーにしたらしい。上に挙げた 「イナゴの佃煮 (甘露煮)」 みたいなものとは完全に趣きが違っている。

昨年夏の自由化発表の際の調査でも、イタリア人の 47パーセントは食用昆虫の取引自由化に賛成で、28パーセントは 「実際に昆虫を食べることに関心がある」 と答えている。これはそれほど驚くようなことではなく、世界では昆虫食がかなり普及していて、南米では当たり前のことと言われている。

かくいう私の育った山形県庄内地方でも、イナゴの佃煮はごくフツーのメニューだった。昔は秋の田んぼを捕虫網でざっと掬えばどっさりイナゴが捕れたのだから、これを晩秋から初冬のタンパク源としない手はなかった。

そんなわけで私は、イナゴの佃煮がなかなか手に入りにくくなった今でも、あの独特のチャリチャリした食感を懐かしく思い出すことがある。「気持ち悪くて食べられない」 なんて言う人の気が知れないのである。

とくに最近は完全にビーガンというわけではないが、肉食を極力避けているので、イナゴは問題なく食えても、牛や豚の方にずっと心理的抵抗がある。外食などで間違えて牛や豚の肉を食ってしまうと、「ありゃ、口の中に変なものが入って来てしまったな!」 と思ってしまう。「こんなもの、どうして昔は 『美味い』 なんて思ってたんだろう」 と、不思議なほどで、近頃では見た目すら気持ち悪く感じる。

いずれにしても、昆虫食は牛や豚を食うよりもずっと環境負荷が少ない。カロリー当たりのエネルギーと水の消費が格段に小さくて済むので、世界を食糧問題から救うのは昆虫食だとまで言われている (参照)。

イナゴやコオロギが気持ち悪くて食えないなんて言う人には、「そんなこと言いながら、よくシュリンプが食えるね」 と言いたくなってしまうのだよ。あれって、形は虫そのものだけど、やっぱり、あの赤みが心理的抵抗を消してしまうのかなあ。

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2017/12/14

米を使った麺類も、できない話じゃないらしい

4年近く前、「英語以外のカタカナ言葉、とくにスイーツ系やフランス料理系の言葉は、はっきり言ってさっぱりわからない」 と書いた (参照)。「フォンデュ」 とか 「テリーヌ」 とか 「カルパッチョ」 とかいう食い物が、どんなものだか想像もつかない。

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だから、"小麦アレルギーでも大丈夫!  新食材 「ライスジュレ」 で期待される安全な食のイノベーション" という記事の見出しだけ読むと、「ライスジュレって一体、米の何なんだよ!?」 とイラついてしまうのである。調べてみると 「ジュレ」 というのはフランス語で 「ゼリー」 のことだという。つまり 「米のゼリー」 である。

「だったら、初めから 『ライス・ゼリー』 (本来は 「ライス・ジェリー」 かな) と言えばいいじゃないか。英語とフランス語、ごちゃ混ぜにすんなよ!」 となってしまうのだが、そこはそれ、「ゼリー」 というより 「ジュレ」 と言った方が、お洒落感があってなおかつ、より新しい可能性を暗示すると思われているようなのだ。というわけで、ここはおとなしく引き下がろうか。

話が脱線したが、とにかく、茨城県河内町 (私の住むつくばの地から、そう遠くない) にあるライステクノロジーかわちという会社が、米を使ってゼリー状の食材を開発したというのである。詳細は上のリンク先に飛んでもらえばわかるが、米のゼリー状食材によって、パンだろうとシュークリームだろうと麺類だろうと、自由自在に作れるという技術が開発されたんだそうだ。

私は麺類好きだから、米を使ったいろいろなヌードルが登場したら率先して食ってみたいと思うのである。そんなことを思いながら、夕方に小腹が空いて、讃岐うどんチェーンの 「丸亀製麺」 に寄ったら、カウンターの暖簾の上に 「当店では国産の米を使用しています」 という貼り紙があった。

一瞬 「なぬ! さすがお膝元茨城県の丸亀製麺では、既に米でうどんを作り始めたのか!」 と驚いたが、何のことはない。このチェーンではうどんだけでなく 「おにぎり」 も扱っていて、国産米を使っているのはどうやら、おにぎりということのようだった。

オチがお粗末で申し訳ない。とはいえ、丸亀製麺には 「当店のおにぎりは、国産米を使用しています」 と書いてもらいたかったなあ。

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2017/11/10

ジョナサンの 「ヘルシー日替わり和膳」 がありがたい

近頃はなるべく (「絶対に」 というわけではない) 肉を食わないようにしているので、出張や仕事先で外食する時に、選択の余地がものすごく狭くなっている。いくら手軽だからといって、牛丼やとんかつ定食は避けざるを得ないし、ラーメンも好きなのだが、大抵チャーシューが入ってるので、できるだけ避ける。

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そうなると、いつも寿司や刺身ばかり食うわけにもいかないので、自然にそばやうどんになってしまいがちだ。麺類は大好きだからいいのだが、ご飯ものを食いたい時などは、親子丼やさば味噌定食みたいなものがスタンダードになる。あるいは 「たらこスパゲティ」 などという変化技か。

とくに地方都市などで幹線道路沿いの 「丸亀製麺」 以外にはファミレスしか選択肢がないような場合は、「どうして最近の日本の外食メニューは、こんなに肉ばっかりなんだ?」 と嘆きたくなる。どんなファミレスも、メニューの中心はステーキとハンバーグなのだ。私はステーキは 10年以上、ハンバーグに至っては 30年以上食ったことがないのに。

ちなみに、10年前に 「しゃぶしゃぶ」 に嫌々ながら付き合わされた時のことを書いた記事がある (参照)。この頃から徐々に肉食を避けるようになっていたので、最高級の牛肉もまったく嬉しくなかったし、近頃ではほとんど口にしなくなった。

そして今日、東京町田の 「ジョナサン」 というファミレスで昼食を取った時、「ヘルシー日替わり和膳」 というメニューがあると知った (参照)。3種類の定食 (「さば塩さっぱりおろし」 「とうふハンバーグ野菜あんかけ」 「鶏つくねてりやきソース」) が日替わりで提供され、今日のメニューは 「とうふハンバーグ野菜あんかけ」 で、さっぱりして悪くなかった。

今日が 3番目の 「鶏つくね云々」 の日でなくて幸いだったが、最悪、牛か豚でなく鶏ならギリギリ許すことにしているので、何とか OK である。これから仕事先で昼食を食べる時には、ジョナサンがある土地なら迷わずに済む。iPhone で検索すればすぐに探せるからありがたい。

ジョナサンがなかったら、仕方がない。蕎麦か、たらこスパゲティである。

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2017/10/20

松茸が不作なんだそうだが

この秋は松茸が不作なんだそうだ。Jcast ニュースに "秋の味覚「マツタケ」、長雨で不作 お値段 3倍、ネットショップは受付休止" とある。国産松茸の 6割を占めるという長野県では、例年の 1割しか入荷していないというニュースもある (参照)。不作ということで値段も高騰しているらしいが、どうせ私は松茸なんて買うつもりがないから、関係のない話である。

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そもそも私は、松茸のおいしさというのがさっぱりわからない。自分では買ったことがないが、昔は業界内でいろいろあって、国産松茸のもらいものが結構あった。それできちんと七輪の炭火であぶったり、松茸ご飯にしたりして食っていたのである。

ただ、到来物だから一応ありがたがって食ってはみても、正直なところ世の中で言われるほどの絶妙のおいしさなんて感じたことがない。「ふぅん、この程度のものなのね、要するにフツーのキノコだよね」 と思うだけで、感動して舌鼓を打つようなことなんて、一度もなかった。

一説には 「香り松茸、味しめじ」 と言って、松茸は香りを味わうもので、食べておいしいのはシメジだなんてことにもなっているが、香りにしたって、そんなに高い金を払ってまでありがたがるようなものとは思われなかった。個人的には安い椎茸が一番好きで、松茸をありがたがるのは、多分に 「雰囲気のもの」 か 「迷信」 に過ぎないと思っている。

そんなことを言うと、「お前の食べたのはきっと中国産か何かで、国産は全然違う。一度食わしてやるから、楽しみにしとけ」 なんて言う人が現れる。しかし私が毎年食っていたのは、信州の業界関係者から大げさな籠に入れて届けられる正真正銘の贈答用国産品だった。さらに言えば 「一度国産を食わしてやる」 なんて言う人に、本当にご馳走になったことは一度もない。

というわけで、初めのうちは到来物をありがたがって食っていたが、何年か続くと、もう食う気もしなくなっていた。面倒なのでそのまま誰かにあげると、ものすごく大げさにありがたがられて、そこそこの返礼が届いたりするので、その方がずっとよかった。

「国産の松茸はまったく違う」 という話が一人歩きしているが、個人的な感覚では 「どこがそんなに違うの?」 という程度のものでしかない。中国産と国産を明確に言い当てられる人がいたら、お目にかかりたいぐらいのものだ。ほとんどは、「国産」 と表示してあるのを大げさにありがたがっているだけとしか思われない。

カナダに長く住んだ人の話では、森を散歩するとリュック一杯分ぐらいの松茸が採れて、それを大鍋で佃煮にして食うと美味かったという。カナダの松茸はビミョーに種類が違うらしいが、この話にはちょっとそそられる。

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2017/10/03

カメムシの味は青リンゴの清涼感らしい

半月ほど前に 「カメムシの話」 という記事を書いた。クルマのボンネットの横にカメムシがひっついていたので、潰さないように放っておいたところ、勝手にどこかに飛び去ってくれていたというお話である。とにかくカメムシは潰してしまうとやたら臭い臭いがするので、扱いに注意が必要なのだ。

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ところが朝日新聞の女性記者が、そのカメムシを食べてみるイベントに参加したというのである。その体験記事がインターネット上に掲載されている (参照)。

私は 4年ちょっと前に 「イナゴの佃煮」 という記事で書いた通り、イナゴは平気で食べられる。というか、好物ですらある。この記事の中で、私は次のように書いている。

私からすると、虫が食えないくせに、どうしてエビやカニは食えるのだろうと思う。シュリンプなんて、気分はほとんど虫だし、カニなんてチョー大型の虫だ。それに、エビを生で食えるくせに佃煮にしたイナゴが食えないなんて、どうにも理解できない。

今後、地球温暖化によって食料問題が取りざたされる時が来る。必ず来る。そうなると牛や豚なんていうのは、生産効率からしたら問題ありすぎだから、食肉業界は遠からず衰退するだろう。そうなったら、動物性タンパク質は魚と虫で摂るのが一番いい。

イナゴがフツーに食えるんだから、昆虫食は平気という自信があったが、さすがに 「カメムシを食う」 と聞いて 「ギャッ!」 と思った。あの臭いの元を口に入れるなんて、相当のことだ。ところが記事を読むと、「ホシハラビロヘリカメムシは青リンゴ風味で甘酸っぱく、マルカメムシはパクチー風の清涼感」 とある。

へえー、そうなんか、そんなに 「食えるもの」 だったんかと、機会さえあれば食ってみてもいい気がしてきた。もっとも、自分でわざわざカメムシを捕まえて料理してみようとまでは、まだ思っていないのだが。

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2017/04/23

「石パン」 という食べ物

「堅い食い物」 と言えばいろいろある。まず思いつくのがフランスパンとか、堅焼きせんべいとかで、これらは表現するとすれば 「カチカチ系」 だ。

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「歯ごたえ系」 とでも表現したくなるのが、たくあんなどの漬物で。酢昆布などもその流れだろう。コチコチに堅いわけじゃないが、噛み切ろうとすると、その繊維が難敵になる。その他に 「もっちり系」 と表現されるものがあり、歯ごたえのある餅などが挙げられる。

しかし多くの場合、「堅くて噛めない」 というほどのことはない。そもそも 「堅くて噛めない」 というほどのものが食品として存続するのは難しい。多くの食品は、そのままでは堅くて食いにくいものを煮炊きするなりして、食べやすくしたものだ。

しかし世の中には、その常識を打ち破る食い物がある。上の写真は、讃岐の善通寺参道にある熊岡菓子店の販売する 「石パン」 というものだ。先日讃岐に行った時、「金比羅さんは何年か前に行ったし、今回はそこまで足を伸ばす時間がないから、善通寺参りをするか」 と、軽い気持ちで寄ってみたのである。

善通寺は四国八十八箇所霊場の第七十五番で、真言宗善通寺はの総本山としても名高い。行ってみると大変立派なお寺で、参拝客も大勢いた。そして帰りに寄って、軽い気持ちで買ったのが、この 「石パン」 である。

熊岡商店は、葛飾柴又の商店街を思い出させるような、昭和の雰囲気溢れる店作り (参照) で、結構人気店らしく、客が列をなしている。私もいろいろな種類のお菓子を買ったのだが、最も衝撃的なのがこれだった。

何しろ、堅くて噛めない。本当に噛めない。まさに 「石」 である。あまりの堅さに、しばらくは口の中でしゃぶっているしかない。5分ぐらいしゃぶるうちに、少しは唾液でふやけて噛めるようになる。

話のタネにと友人知人にも食べさせたが、「堅い!」 と言う人はあっても (というか、100% そう言うのだが)、「まずい」 という人はいない。「おいしい、クセになる」 という。しかしとにかく堅くて噛めないので、いくらクセになっても量は食べられない。だから太る心配もあまりない。

この食べ物の発祥は、兵隊の非常食料として作られたものであるらしい。なにしろカチカチで水分が少ないから、日持ちがする。1ヶ月は常温でも大丈夫らしい。

「これはパンと思うからいけない。アメ玉と思えばいい」 という人もいた。アメ玉のつもりでしゃぶっているうちに、最後にはなんとか食えるようになる。確かにそう思えば、一粒で長く楽しめる。

とにかく、私がこれまで食べた食い物の中では、最高に堅いものだった。

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