カテゴリー「ニュース」の417件の記事

2017/05/31

「女性宮家」 について考えてみる

女性宮家創設云々がやたら問題になっている。なんだか知らないが、万世一系の天皇の血筋が継承されるためには、宮家は男系でなければならないという声が大きいようなのである。

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これ、「愛国」 を自称する人の多くが主張することなのだが、男性の染色体は XY で、女性は XX であるために、神武以来の血筋が連綿と続いていることを保証するのは、「男系」 による天皇の継承でなければならないというのである。女系で継承されると、「Y」 の遺伝子が途切れる可能性があるので、「万世一系」 が保証されないというのだ。

私としても天皇家の継承は重要だと思っているが、XY 染色体云々というのは、「なんだかなあ」 と思ってしまう。個人的には 「万世一系」 って、そんな純粋生物学的な問題と考えたことはない。そうしたフィジカルな要素よりも、もっとメタフィジカルな、つまり文化的、精神的、理念的な要素の継承の方が重要と考えるのだ。

天皇の正当性を担保するのが Y 染色体というような議論は、即物的すぎる気がするのだよね。もし仮に、日本の天皇家が女系で継承されたとしても、世界のどこの国が 「日本の天皇は神武以来の Y 染色体が途切れているかも知れないから認めない」 なんて言い出すというのだ。

私が天皇を敬愛するのは、ひたすら天皇の人徳によるものである。神武以来の Y 染色体保持者であるからなどとは、考えたこともない。

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2017/04/08

今村復興大臣のど派手なネクタイ

今村雅弘・復興大臣の 「ぶち切れ記者会見」 が話題になっているが、昨日になってようやく YouTube で (参照) 眺めてみることができた。で、私としては大臣の 「ぶち切れ」 ぶりよりも、やたらど派手なネクタイにばかり目が行ってしまったよ。

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「なんじゃ、こりゃあ?」 と思って拡大して眺めてみると、なにやらアニメのプリントである。ありゃ、これ、ウチの娘が 10代の頃に見ていた 『エヴァンゲリオン』 ってやつじゃないか。このオッサン、なかなか独創的 (すぎる?) ファッション・センスの持ち主のようだ。

ネットで調べてみると、net geek のサイトに 「このネクタイは福島県にあるガイナックス社が 2009年に発売したもの。ガイナックスはエヴァンゲリオンで有名なアニメ制作会社だ」 「今村復興大臣は福島県を応援したいという思いでこのネクタイをつけているとインタビューで語っている」 とある (参照)。

「へえ、そうだったの」 と思って、確認のために 「ガイナックス」 を Wikipedia で調べてみると、「本社所在地 東京都武蔵野市御殿山云々」 とある (参照)。「なんだ、福島の会社なんかじゃないじゃん」 と思ってさらに調べると、「株式会社福島ガイナックス」 というのが、滝桜で有名な福島県の三春町にあり、ミュージアムを運営しているらしい (参照)。

まあ、元々の地場産業ってわけじゃないようだが、一応福島にガイナックスの子会社があるのはわかった。で、ネットの一部では、今村大臣のこのネクタイの訳を知って好意的にみる向きもあるようなのだが、私としてはやっぱり 「ちょっとねぇ」 と苦笑してしまうのだよね。

なんだかんだ言っても、この人、ちょっと変なオッサンには違いない。一方的思いのあふれすぎる人なんだろう。いずれにしても、ネクタイ、ちっとも似合ってないし、それに、その気があるんだったら、利害関係の明白に先立つ東京電力なんかじゃなくて、ガイナックスの株を買えばいい。そうでなくても、日東紡とかゼビオとか、福島発祥の上場企業はほかにもいくらでもある。

ちなみに記者会見のいきさつに関しては、あの 「フリージャーナリスト」 は意図的に挑発する行儀の悪いやり口をさらけ出していて、途中までは場の雰囲気もかなりビミョーだったのが見て取れる。ところが今村大臣が勝手に期待をはるかに上回るぶち切れぶりを見せてくれたので、結果的には 「フリージャーナリスト」 の方の得点になってしまった。

挑発に乗ってしまったというか、あれじゃあ、乗りすぎである。プレス対応がまずいというより、単にばかばかしいオウン・ゴールでしかない。

ちなみに 「フリージャーナリスト」 の正体は、YouTube に例の動画を投稿した西中誠一郎氏本人であるらしい。彼は日刊スポーツの取材に答え、今村大臣の 「謝罪」 に関して 「謝るのはそこじゃない」 と語っている (参照)。どうしても自分の想定したレールの上で謝らせたいらしい。

私自身も反原発の立場ではあるが、こんな人と同列に思われたりしたら迷惑であると言っておく。

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2017/03/07

百貨店という業態は、既にオワコン

日本経済新聞が "「百貨店離れ」 誤算の連鎖 三越伊勢丹 HD 社長交代" という記事を報じている。主力の百貨店事業の不振で、2017年 3月期の純利益が前期比で半減する見通しのため、現社長の大西氏が業績悪化の責任を取り、任期途中で辞任するのだそうだ。

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私はずっと前から 「百貨店は歴史的使命を終えかけている」 と言ってきた (参照) が、最近は 「既に終わった」 と言ってもいいんじゃないかとさえ思っている。はやりの言い方では 「オワコン」 (終わったコンテンツ) そのものである。

百貨店の売上高はバブル期ピークの 1991年には 9兆 7130億円に達したが、昨年は 5兆 9780億円と、約 60%にまで落ち込んだ。6兆円を割り込んだのは、36年ぶりという。つまり 36年前の、インターネットもケータイもなく、FAX すらも普及していなかった、遙かイニシエの時代の売り上げに戻ったということだよ。

36年前といったら、私がまだ 20代の頃で、その頃はファッショナブルな洋服を買おうと思ったら、百貨店に行くしかなかった。その前の 1960年代から 70年代半ばまでは専門店 (今はなき 「鈴屋」 とかね) の時代だったが、70年代後半からは完全に百貨店の時代だった。とくに DC ブランドなんて言われた時代は、百貨店の全盛期だったろう。

その頃は、ユニクロはなかった。H&M もなかった。ファッショナブルを気取ろうと思ったら、百貨店で洋服を買うしかなかった。ほかに買う店がないのだから、儲かって当然だったのである。ところが今は、服を買う店は百貨店の他にいくらでもある。しかも百貨店の服の半額以下でそれなりの洋服が買える。

これは前にも書いたことだが、知り合いに 「最近、百貨店で服買った?」 と聞くと、90%以上が 「この何年も、百貨店で服を買ったことなんてない」 と答える。百貨店で服を買うのは、今どきになってもほかのチャネルで買うのが何となく憚られると思っている裕福で世間知らずな層だけである。いや、裕福な層でも服なんかに必要以上の金をかけるのは馬鹿馬鹿しいと思い始めている。

長くアパレル関連でメシを食った私が言うのだから、これは部外者のやっかみじゃない。私は別にファッションが好きでアパレルの仕事をしたわけじゃないから、ファッション大好き人間には見えないことが、ちゃんとよく見える。

去年あたりに、百貨店の売り上げがやや持ち直したように見えたことがあったが、あれはアベノミクスによる一時的な景気の復調と、中国からの観光客のいわゆる 「インバウンド消費」 のせいであって、百貨店業界が構造的に再び浮上したというわけじゃない。

このほど三越伊勢丹 HD の社長を辞めることになった大西氏という人は、伊勢丹新宿店のメンズ売り場で名を馳せた人である。バブルのちょっと前頃から、伊勢丹新宿店のメンズ売り場というのは、「ファッション・マーチャンダイジングのお手本」 みたいにもてはやされていたが、私は全然別の冷めた見方をしていた。

「伊勢丹のメンズ売り場が好調なのは、その裏手にホストクラブがどっさりあって、ホストのお兄さんたちがしょっちゅう高級スーツを買うのだもの、当然じゃん」 と思っていたのである。あんなにバブリーなメンズウェアを、フツーの男たちは着ない。着る必要がないのだ。

フツーじゃない男たちを相手に磨いたマーチャンダイジング手法を、フツーの都市の百貨店に適用したところで、通用しないのである。どうしてそこに気付かないかなあと、私はずっと不思議だった。甘い夢は、よくよくダメになるまで見続けたいもののようなのだ。

危なすぎる罠である。

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2017/02/18

情報の断絶と発覚

本日昼過ぎに開いた Google ニュースである。"<タリウム事件> 薬品執着 「皆知っていた" というのがトップで、その 3つ下に ”ベトナム人、大麻栽培容疑 男女再逮捕、末端価格1億円以上 群馬” という記事がある。

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「タリウム事件」 というのは、もう忘れている人も多いだろうが、2012年に起きた元名古屋大女子学生が、同級生 2人に硫酸タリウムを飲ませ、さらに 14年に知人の高齢女性を殺害したという事件である。この容疑者は高校の頃から毒物と殺人に対して異常な興味を抱いており、今回の裁判でそのことについて元同級生が証言したというニュースである。

要するに、この 「元女子大生」 がかなりアブナイ存在だったというのは、周囲の人間は教師も含めみんな知っていたというのである。こんなアブナイ人間でも、郷里の仙台を離れて名古屋で一人暮らしを始め、衝動を抑えることもなくあっさりと殺人事件を起こしてしまったのである。周囲の人間は皆知っていても、そのサークルから一歩出てしまうと、誰も知らないという 「情報の断絶」 がある。

一方で、その 3つ下のニュースは、ベトナム人男女が自宅のアパートの一室で、大麻を栽培していたのが発覚し、逮捕されてしまったというニュースである。大麻栽培が違法行為ということは当然知っていただろうから、よほど警戒してこっそりと育てていたのだろうが、天網恢々疎にして漏らさずというわけで、ちゃんと捕まってしまったわけである。

これには、「なんだかなあ」 と思わざるを得ない。周囲の者はみんな知っていたという情報が、殺人犯罪抑止にはちっとも役に立たず、一方では極力バレないようにこっそりとやっていたことが、なぜかしっかりバレて捕まってしまう。

世の中というのは、なかなかうまく運ばないことも多いようなのである。

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2017/02/17

プレミアムフライデーでお金を使いましょうというキャンペーン

今日、出張先のホテルのテレビで朝のニュースを見ていて、「プレミアムフライデー」 という言葉を初めて知った。経済産業省の呼びかけで、毎月月末の金曜日の終業時間を午後 3時に早めるよう企業に呼びかけているのだそうだ。ふーん、またぞろ 「みんなで渡ればこわくない」 方式のキャンペーンが始まっているわけね。

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で、その初回実施日が、今月の 24日になるのだそうだよ。ちっとも知らなかった。何しろ私は、一応自宅が仕事場ということになっているが、時と場合によっては土曜だろうが日曜だろうが、はたまた祝日だろうが、あちこちに出かけたり出張したりで、曜日なんて全然関係のないスタイルの仕事だからね。

その趣旨というのは、経済産業省のサイトでが次のように謳われている。(参照

個人が幸せや楽しさを感じられる体験 (買物や家族との外食、観光等) や、そのための時間の創出を促すことで、

  1. 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
  2. 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる
  3. (単なる安売りではなく) デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる

といった効果につなげていく取組です。

ただ、具体的にどんなことが提案されているのかといえば、経済産業省のプレミアムフライデー公式サイトをみる限り、こんなようなことなのである。

ちょっと長めの休日で普段は行けない 「2.5日旅」 へ
大切な人と夕方からゆっくり 「アーリーディナー」
平日昼間にゆったり贅沢 「午後ブラショッピング」
友達みんなで集まってゆっくり 「夕飲み」
平日昼間に好きな街を 「アフタヌーン街歩き」
昼からたっぷり 「アフター3エンタメ」 を楽しもう
家族でそろって料理を作って 「午後バー」 しよう
月末金曜日はうちの会社もみんなで 「早あがり」

「午後ブラショッピング」 とか 「アフタヌーン街歩き」 とか 「アフター3エンタメ」 とか 「午後バー」 とか、なんだか気恥ずかしくなるようなカタカナ混じりの造語が満載で、書き写しているだけでちょっと気恥ずかしくなってしまう。

要するに、「金曜日は仕事を早仕舞いして、お洒落なお金の使い方をしましょう」 ということのようなのだ。だからこそ 「プレミアム」 なのであって、金のかからない過ごし方をされても困るみたいなのである。つまり、お役所のリリースにある 3項目の趣旨の中では、「(単なる安売りではなく) デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる」 というのが最重要ポイントなのだね。

決してそのまま帰宅して、ネット・サーフィンやゲームに熱中したりするためのプロモーションではないのである。さらに言えば、ジョギングやポタリングなど、金を使わなず汗をかくというのも、趣旨にそぐわないようなので、オタク、ジョガー、サイクリスト諸氏は、くれぐれも趣旨を取り違えないように。

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2017/02/12

トランプと安倍首相の気持ち悪すぎる握手

今日は久しぶりで妻と近くのインド料理店で外食をした。この店では、ちょっと前までは歌あり踊りありの賑やかなインド映画をエンドレスで放映していて、私はそれがお気に入りだったのだが、最近はどういうわけか、ずっと日本のどうでもいいテレビ放送を流すようになってしまい、ちょっとがっかりである。

今日はその店のテレビで、ドナルド・トランプと安倍首相の握手の模様を見せられて、ちょっと気持ち悪くなった。めちゃくちゃ悪趣味な握手の直後は、さしもの安倍首相も何とも言えない表情を見せていたが、米国人の多くはそれ以上に恥ずかしいと感じてしまっただろう。

こちらとしても、せっかくのおいしい料理が運ばれてくる直前にあんなものを見せられてしまったので、「今のは忘れようね、忘れよう!」 と言っていたのだが、忘れ切る前に料理が出てきてしまったので、ちょっとあせってしまったよ。

トランプはどういうわけか、安倍首相をちょっと気に入ってしまったようなのだが、そのありがた迷惑なパフォーマンスのせいで、日本での安倍人気が落ちてしまうんじゃなかろうか。まあ、私としてはそれでもちっとも構わないのだけどね。

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2017/01/31

「ニフティ」 の "N" は、「ノジマ」 の "N" になるのか

"nifty ニュース" が 「富士通、ニフティのコンシューマー向け事業用をノジマに売却すると発表」 と、他人事みたいに伝えているが、いやはや、こちらとしてはビックリだ。なにしろ私は、自分のサイト 「知のヴァーリトゥード」 もこの ”Today's Crack” も、ほかならぬ 「ニフティのコンシューマー向け事業」 を利用して運営しているわけだからね。

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ニフティ (@nifty) は元々は日商岩井 (現・双日) と 富士通の合弁で創業したので、日商岩井の略称である "NI" と富士通の頭文字の "F" を取って命名されたわけだが、これからは頭文字が 「ノジマ」 の "N" になるのか。ノジマって、家電量販店としてはケーズ電気に次いで国内 6位の規模なんだそうだが、私としてはあんまり馴染みがないのだよね。

プレスリリース (参照) を読む限りでは、利用者側にとっての変化はとくにないようで、昨年の今頃の @homepage から LaCoocan への移動 (参照) みたいな面倒くさい事態にはならずに済むみたいなのである。2年続けてうっとうしい移転作業をしなくて済むようで、その点では少しほっとしている。

それにしても私は、NIFTY-Serve 時代 (つまり 「パソコン通信」 と言っていた時代) からのニフティ・ユーザーなので、この世界の移り変わりにはずいぶん長く付き合っていることになる。英語としての "nifty" という単語は 「粋な、便利な、気の利いた」 といった意味なのだが、実感としては、文字通りの 「粋で、便利で、気の利いた」 サービスの恩恵には未だかつて浴したことがない。

ニフティって、富士通、日商岩井という大企業の体質を受け継いできているようで、安定はしているが小回りがきかないというか、ちょっとどんくさいイメージがあるのだよ。ノジマというもろに消費者向けの業態の会社の子会社となったら、今度こそ "nifty" なサービスを受けられるかなあ。

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2017/01/24

中国観光局が APA ホテルをボイコットするなら

例の APA ホテル問題で、中国観光局が旅行業者に利用停止を求めているのだそうだ (参照)。まあ、そのくらいのことはしてもちっとも不思議じゃないだろうが、APA ホテル側としてはそんなのは覚悟の上なのだろう。

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最近はどこに行っても中国人観光客が多くて、フツーに考えたら、中国人が利用しなくなったらホテル側としては大きな損失につながると考えられるだろうが、この場合はどう出るかわからない。

というのは、最近は少しはマナーが向上しているようだが、それでも夜中に大声で話しながら廊下を歩いたり、部屋のドアを開け放したまま酒盛りをしたりする中国人がいるからだ。そんな騒音に悩まされなくて済むというなら、喜んで APA ホテルに宿泊する日本人が増えるかもしれない。

APA ホテルがそこまで読んで、部屋にオーナーの著作を置いているのかどうか、それは知らないが、中国人にボイコットされるのはデメリットばかりじゃないはずだ。中国人客は直前での宿泊ドタキャンも多いらしいから、マネジメント・リスクも軽減するだろうし。

とはいえ私個人としては、20日の記事で書いたとおり、これまで通り APA ホテルは敬遠し続けるつもりだが。

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2017/01/07

例の 「高齢者の再定義」 という提言の胡散臭さ

昨日の 「そもそも 「日本老年学会」 って、一体何なんだ?」 という記事の続編である。昨日は、例の 「高齢者は 75歳以上から」 という唐突なニュースが、実は政府肝いりと疑われるワーキング・グループによって作られたもので、「日本老年学会」 という組織自体がそもそもアヤシすぎるということを述べた。

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上にあるのは、「社団法人 日本老年医学会」 というサイトに、お義理で仕方なくみたいに載っていた例の提言書 (PDF) の、該当箇所を画像化したものである。そもそもこの提言書自体が、A4 でたった 2ページのどうでもいいような内容のものであることは、画像自体をクリックして飛んでみて、確認してみるといい。詳細な報告者は後日発表すると断り書きがあるが、どうせくどいだけの取って付けたようなものになるのだろう。

さらに驚いてしまったのが、「准高齢者/高齢者/超高齢者」 という新提案区分の英訳である。それぞれ、"pre-old/old/oldest-old, super-old" という珍妙さだ。お医者さんたちの英語力って、この程度のものなのかなあ。

さらにお笑い草としか言いようのないのが、「この定義は主として先進国の高齢化事情を念頭においていますが、平均寿命の延伸と 「若返り」 現象が世界にひろがるようになれば、全世界的に通用する概念であると考えています」 というくだりだ。こんな "oldest-old" なんていう珍妙な言葉が、全世界的に通用するのは、アニメの世界の話みたいな気がするわけだよね。

さらに、「超高齢者」 (oldest-old, super-old) という概念の根拠が、「平均寿命を越えた 90歳以上とするのが妥当」 という、これまたアニメ発想だったとは恐れ入った。そのうち平均寿命が 90歳を越えたらどうするつもりなのだろう。

というわけで、例の提言というのは真面目に取り上げるのが馬鹿馬鹿しいような代物と、私は言わせていただく。こんなものが今後政府に妙な形で利用されないように、その馬鹿馬鹿しさをしっかりと認識しておくことが必要だろう。

お上主導のワーキング・グループの提言なんて 「初めに結論あり」 で、胡散臭いものが多いのである。実は私自身もだいぶ前に、浮世のしがらみで複数のワーキング・グループに列席させられて、「なんなんだよ、こりゃ?」 とむかついたことがあるのだよね。

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2017/01/06

そもそも 「日本老年学会」 って、一体何なんだ?

日本老年学会という学会があるなんてことを初めて知ったのだが、この学会が、現在は 65歳以上とされる高齢者の定義を 75歳以上に引き上げることを提言しているのだという (参照)。私は今年の夏に 65歳になるので、晴れて 「高齢者」 の称号を獲得できるのを楽しみにしているのに、まったく余計なことを言うものである。

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この様子だと私は、今年めでたく 「高齢者」 と言われるようになっても、もしかしたら数年後にいきなり 「准高齢者」 なんて妙な地位に格下げとなり、75歳になって再び 「高齢者」 に復帰するということになるかもしれない。図らずもややこしい世代ということである。

そもそも 65歳以上を 「高齢者」 と呼ぶのは、法的根拠はないらしい。とすると、今回の老年学会のことさらな提言というのをほんのちょっとだけ深読みすれば、そんなに深々とほじくり出すまでもなく、将来的な年金支給年齢のさらなる引き上げのための地ならしとしか思われない。

なにしろインターネットでググってみても 「一般社団法人 日本老年医学会」 とか 「日本応用老年学会」 とかいうのは見つかるが、 「日本老年学会」 なんて組織に関しては 「第29回 日本老年学会総会」 という 1年半も前の総会の告知ページが見つかるだけ (ってことは、この学会、総会を毎年開いてないのか?) で、学会の公式サイトなんて見当たらない。

「一般社団法人 日本老年医学会」 のサイトには、トピックスとして 「高齢者の定義と区分に関する提言 (概要) を掲載しました」 (今年 1月 6日更新記事) というコンテンツが、さりげなく載せてあり、それには今回の提言が 「日本老年医学会」 と 「日本老年学会」 から委員を出したワーキング・グループで練ったものとなっている。

しかし、だったらどうして報道には 「日本老年学会」 の名前しか出てこないのか。ニュースによっては 「日本老年学会など」 なんて主語になっているが、どうして 「老年医学会」 の方の名前はことさらに伏せられているのか。そしてこんなに大きなニュースになったのに、「老年医学会」 のサイトでは、まるでお義理で仕方なくみたいな感じで、ひっそりとしかリリースを載せていないのはどうしてなのか?

まるで単なる思いつきみたいな提言が、(ちゃんとした一般社団法人の方をさしおき) 今どき公式サイトもないようなアヤシい組織を主語として、いきなりのようにこんなにもメジャーなニュースとして取り上げられるというのも。唐突すぎて不自然な話である。実はその検討母胎が 「ワーキング・グループ」 の体裁だったということからしても、政府肝いりの 「出来レース」 の臭いがプンプンしてくるじゃないか。

そんなわけかどうか知らないが、「75歳にならなければ高齢者じゃない」 という話の成り行きには、反発している人が多い。日頃は 「年寄り扱いされるのはイヤだ」 なんて言っていても、金が絡むと話が違ってくるようなのである。

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