カテゴリー「旅行・地域」の148件の記事

2017/02/09

空港での足止め体験

昨日の TBS ラジオで、「空港で 30分以上足止めをくったことがあるか」 というアンケートをしていて、聴取者から様々な足止め体験が寄せられていた。中にはかなりしんどい体験もあって、私の体験なんて、全然生やさしいものだと思ったりした。

170209

30分ぐらいの足止めなら、何度経験したか覚えていないぐらいだが、今でも印象に残っているのは、11年前のニューヨークでのことだ。平成 16年 5月 18日の記事に 「シカゴ大荒れ」 というのがあり、出張でシカゴのイベントに行った際に、ニューヨークのラガーディア空港で 3時間待たされたと書いてある。(まだ ”Today's Crack” がココログに移る前なので、「知のヴァーリトゥード」 のサイト内のコラムになっている)

この時は、米国中西部の 5月によく発生する 「サンダーストーム」 (大嵐) の影響で、飛行機が出発を延期したのだが、なにしろ外国の空港の出発ゲートで、3時間も何もすることなくゴロゴロしているというのも、結構しんどいものがある。シカゴのホテルへの到着は夜中過ぎになったのだが、ニューヨークとシカゴの間には 1時間の時差があるので、時計の上では 2時間遅れで済んだのが不思議な心持ちだった。

この時の出張にはまだオマケのお話があって、サンフランシスコから日本に戻る便で大量のオーバーブッキングがあり、客が乗り切れないというので、またしてもかなり待たされた。どういうわけか、なかなか予定通りに移動できない出張だったのである。

出発ゲートでのアナウンスによると、「ホノルル経由の別便に乗り換えてもいい」 と申し出れば、「ホノルルでの無料宿泊のほか、300ドルの小切手またはユナイテッド航空で使える 600ドル相当のクーポン券が提供される」 とのことだったので、かなり心が動いたのだが、翌日からの予定が結構つまっていたので諦めた。ただ、今でも 「予定をキャンセルすれば、無料でハワイの一夜を過ごせたのに」 と思い返すことがある。

それから昨年の 5月には、北海道の釧路空港からの帰りに、予定していた便に乗れず、千歳空港近くのホテルで一泊したことがある。このことについては、「ひょんなことから千歳でもう一泊」 という記事に書いている。

釧路空港から搭乗予定だった羽田行きの飛行機 (羽田からの折り返し便) が、濃霧のため釧路に着けずに羽田に引き返す可能性が高いので、便の変更をして一度新千歳空港まで行き、そこから羽田行きの便に乗り継ぐのが確実と言われ、その通りにしたのだった。ところがその乗り継ぎ便が機体トラブルで飛べなくなってしまい、しかたなく近くのホテルで予定外の一泊をしたのである。

まあ、ホテル代は ANA に請求したからよかったのだが。元々乗る予定だった釧路から羽田への直行便は、少々遅れはしたが、ちゃんと運航できたようなので、余計なことをしなければその夜のうちに家に帰れたみたいなのだ。人生、どこでどう転ぶか知れたものではない。

で、今気付いたのだが、私が経験した大きな足止めは、2つとも 5月の出来事なのである。5月って、案外気象の安定しない時期なのだね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2017/01/20

APA ホテルの印象

中国版ツイッター といわれる 「微博 (ウェイボー)」 という SNS に、日本の APA ホテルの客室に 「南京大虐殺を否定する本」 が置かれているという批判的な記事が掲載され、それからというもの、ちょっと炎上気味になっているようだ。このホテルのサイトもあっという間にハッキングされた模様 (参照) で、下の写真のように 「システムメンテナンスのお知らせ」 という画面が出っぱなしでまだ復旧していない。

170120

私としては、ホテルといえどもプライベート企業なんだから、客室にどんな本を置こうが勝手で (それに、フツーはそんなもの読まんし)、本が置いているだけで嫌というなら客の方でボイコットすればいいだけの話と思っている。とはいえハッキングしちゃうなんていうのは、ちょっとやり過ぎだろう。

個人的には悪いけど 「APA ホテル、ちょっとなあ。あの女社長 キモいし」 と思っていて、これだけ毎月毎月日本全国に出張の機会がある仕事をしながら、ホテルを予約する際には APA だけは避けている。今さらのように言っちゃうけど、まあ、及ばずながら前々からボイコットしているわけだ。

実は、APA ホテルには 1度だけ宿泊したことがある。もう一つのブログで和歌による日記みたいなものを書いているので、日時まで特定できる (参照)。平成 17年の 8月 11日というから、もうすぐ暦が一回りするほど前のことだ。この日は京都府宇治市の企業を訪問し、その夜は京都祇園の APA ホテルに泊まったのだ。

祇園という立地だけで選択したので、意図して APA を選んだわけではく、さらに 12年も前のこととて詳細な記憶はないが、結構古い造りだったことだけは覚えている。何でも昔の 「祇園ホテル」 というのを APA が平成 12年に買い取って経営しているらしく、カーペットやカーテンも相当くたびれていた。まあ、いかにも祇園らしい気がして、何のことなく眠りにおちたわけだけどね。

APA はいろいろなホテルを買い取って運用しているらしいから、建物自体は新しいのから古いのまでいろいろある。全国各地で APA ホテルの看板に遭遇するが、統一的なイメージは全然ない。他のホテル・チェーンは曲がりなりにも一目見ればなんとなくどこのホテルかわかる造りのものが多いが、APA はその点については 「どーでもいーわ!」 と思っているようだ。

これ、経営側にとっては確かに 「どーでもいーわ!」 という問題かもしれないが、宿泊客にとっては 「イメージが定まらない」 というのは、ちょっと不都合である。ホテル関連の口コミ・サイトをみると、「〇〇の APA ホテルはよかったから、信用して △△でも APA ホテルに泊まったら、ひどかった!」 なんていうのが結構多い。玉石混淆なのだね。

私が APA を避けるのは、「女社長がキモいから」 というほかに、「泊まってみるまでわからないから」 というのもある。繁忙期にはものすごく値段をつり上げるという評判なので、「これだけの値段を払うんだから、結構いい部屋だろう」 という常識が当てはまらないみたいなのである。

経営者の政治信条は別としても、要するに 「結局のところは顧客志向なんてしてないホテルなんだろうね」 と思っているわけなのだ。

【追記】

それにしても、APA ホテルのサイトのシステム・ダウンが長引きすぎている気がする。15日にはダウンしていたはずだから、かれこれ 5日目で、どうも急いで復旧する気がないみたいなのである。公式サイトなんてどうでもよくて、楽天トラベルとか代理店とかから予約が入りさえすればいいってなわけで、「面倒がなくていい」 ぐらいに思っているんじゃなかろうか。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016/12/30

今年は JR の急行列車の定期運行が全廃されたらしい

「近頃 JR じゃ 『急行列車』 というのがめっきり減っちゃったなあ」 と思っていたら、今年 3月の北海道新幹線開業に伴い、最後の急行 「はまなす」 が廃止されて、これで JR には定期運行される急行列車というのが 1本もなくなってしまったのだそうだ。

Chokait

「へえ! じゃあ 「特急 (特別急行)」 という名称の意味がなくなっちゃったんだから、ぜんぶ 『急行』 にしちゃえばいいじゃん!」 と思ったのだが、よく調べると、今後も臨時急行列車が走る可能性があるので、「特急」 の名称はそのままなのだそうだ。

世の中には、「すべて 『急行』 として、時々臨時運行される昔の急行に相当する便は、『準急』 とすればいい」 と言っている人もいるようだが、まあ、それだとややこしくなるので、現実的にはずっとこのままなのだろう。JR は特急のことを英語で "special express" と言っているようだが、こうなったらちっとも 「特別」 でも 「スペシャル」 でもないのだがね。

思い起こせば、私が学生時代は 「鳥海」 という名の急行列車があり、上野駅始発で、上越線の長岡を経由して羽越線に入り、日本海岸を北上して秋田まで行っていた。夜行の普通席で行くと、一晩中固い座席で揺られ (あるいは満席で座席に座ることすらできず)、朝になってようやく到着していた。

所要時間は約 9時間。飛行機だったら米国のシアトルまで行ける長旅である。あの頃は若かったから、そんな旅もごく普通のことと思っていて、6時間で行ける特急 「いなほ」 は、ちょっとした贅沢という認識だった。

今なら上越新幹線の 「とき」 と 羽越線特急の 「いなほ」 を乗り継いで 4時間 20分足らずで行ける。昔の急行の半分以下の時間だが、今はその急行列車がなくなったので、これが標準の行き方になってしまった。山形新幹線で新庄まで行き、そこから陸羽西線で酒田まで行けば 610円安上がりになるが、時間は 1時間ほど余計にかかる。

で、実際に上越新幹線〜羽越線特急というルートを使って酒田まで行くと、新潟で乗り継ぐ特急 「いなほ」 の停車駅というのが、昔の急行 「鳥海」 の停車駅とほとんど同じなのだ。つまり、昔の急行が特急に格上げされているだけなのである。まあ、特急の快適な車両だし、スピードもそれなりに速くなっているので、「ぼられてる」 という感覚はないが、多少は 「なんだかなあ」 と思ってしまう。

というわけで、田舎に行くのに特急料金を取られたくなかったら、夜行の高速バスを使えということなのかもしれない。ちなみに夜行バスだと、JR の特急を使う場合の半額で行ける。所要時間もほとんど昔の急行列車と同じぐらいなので、体力さえあればこれがオススメなのかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/10/20

この時期の山形の、タイトな宿泊事情の裏側

昨日は山形県の山懐深くまで分け入ったところまで出張し、天気にも恵まれて無事に仕事を終えた。宿泊は山形市内でと思っていたのだが、2週間以上も前に予約しようとしたところ、どういうわけかホテル事情がやたらタイトで、山形市の隣町、天童市の、しかも温泉街からはかなり離れたビジネスホテルに、ようやくもぐりこめた。

Img_6991_2

チェックインの際に、ホテルのフロントマンにどうしてまた、こんなにもホテルがタイトになっているのかと訪ねたところ、山形で技能五輪全国大会 (アビリンピック) というのが開催されるためらしい。開催は今月 21日から 24日までだが、既に参加者が続々と山形入りしているのだという。

道理で紅葉シーズンにはまだ早いというのに、妙に混んでいるはずだ。

ところがよく聞いてみると、今回ギリギリでホテルの予約ができたのは、関係者のミスのおかげらしいのである。もしミスがなかったら、2週間前の予約では全然間に合わなかったらしい。

というのは、山形県から参加者の宿泊ホテル手配の依頼を受けた 「東武トップツアーズ」 という代理店のミスで、約 2,300人分の宿泊ホテルの予約ができていなかったことが判明していたというのである。代理店は大慌てで 16日までに全員の宿泊先を確保したというのだが、一部の参加者は連泊ができずに移動の必要が生じたりしているらしい。(参照

さらにホテルのフロントマンに聞いたところでは、山形県内だけでは足りずに、隣の宮城県での宿泊を余儀なくされている参加者もあるという。とんだ災難で、遠くのホテルでの宿泊やホテルの移動を強いられた参加者は、ちょっとしたハンデを負うことになるんじゃなかろうか。もの作りの微妙なテクニックを競うのだろうからね。

ともあれ、まともな宿泊が叶わなかった技能五輪参加者にはまことに恐縮だが、旅行代理店のミスのおかげで、私は辛うじてホテルに潜り込めたということになるようなのである。世の中、何が幸いするか知れたものではないが、これはあまり気持ちのいい幸いではないよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/10/14

ビジネスホテルのバスタブなんて窮屈なもの決まってるが

私は最低でも月に 2度は仕事でいろいろな街に出張する。各地のいわゆるビジネスホテルに泊まることが多いが、夕方過ぎにチェックインして、ちょっと外出して飯を食い、部屋に戻ってちょこちょこっと仕事のまとめをして、2つのブログを書き、後は風呂に入って寝るだけだから、ホテルに関しての贅沢はほとんどいわない。

Img_6934

宿泊施設に関する切実な要望事項は、ただ 1つ。禁煙ルームということだけである。ちょっと前に禁煙ルームが満室で喫煙ルームに泊まらされたことがあったが、ものすごくたばこ臭くて閉口した。ファブリーズをもってきてもらって、ほとんど 1本使っても、まだたばこ臭い。あんな部屋で平気で一晩過ごせるというのは、よほど感覚がマヒしているのである。

それ以外ではバスルームのバスタブも、できれば窮屈でない方がありがたいが、そんなにこだわるというわけでもない。私は図体がデカいので、大抵のバスタブは体を海老のように曲げても、肩まで湯に浸かろうとすれば膝が収まらず、膝を収めれば肩が冷える。まあ、日本のホテルのバスタブなんてそんなものだと諦めている。

ところが 一昨日の夜から一泊した長崎のホテルのバスタブは、その程度のレベルにも達しなかった。3年に 1度ぐらいこのタイプのバスルームに当たってしまうことがあるが、とにかく、一目見て 「あ、こりゃダメだ。シャワーだけにしとこう」 と思ってしまうほどの窮屈さである。

バスタブの深さは私の膝ぐらいまでしかなく、必死に体を縮込めて体育座りしても、胸から上と膝頭がはみ出す。このバスタブで不満なく入浴できるのは、小学校低学年ぐらいまでだろう。上の写真なんか、角度のせいだろうが、バスタブが洗面ボウルよりほんの一回り大きいだけみたいに見えている。

こんな小さなバスルームのホテルというのは、大抵大浴場がついていて、そっちに行けばゆったり脚を伸ばして入ることができることが多いのだが、このホテルはそれもなかったのである。一昨日の長崎は夏日だったので、体が冷えることはなかったが、寒い冬の日なんか、全身をお湯に浸して暖まりたいなんていう要望には、到底応えられない。

最近は中国からの旅行客もちょっと減少しているのか、どこに行くにも去年の今頃ほどホテルが取りにくいなんてことはなくなったように思う。この冬は、大浴場付き (それもできれば温泉が望ましい) のホテルを重点的に狙うことにしよう。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016/07/13

山形県の形が人の横顔ってことについて

今日は軽いネタ。県の形についてである。

群馬県の人たちは、自らの県の形が鶴に似ていると主張する。『上毛かるた』 にも 「鶴舞う形の群馬県」 というのがあるという。西日本には群馬県と栃木県を区別できないという人も多いので、ちょっと下に画像をリンクしておく。

Gunma_turu

ただ個人的には、これはかなり無理があると思っている。群馬の人たちには悪いけど、「言われてみれば、そう見えないこともない」 程度だ。頭の形が鶴というよりゴジラっぽいし。

この他に、福井県が鍵の形に似ているという説もあるが、これもちょっとしたこじつけっぽく聞こえてしまう。福井県が鍵の形に似ているというよりも、「福井県に似たように見えないこともない鍵もある」 程度のことだと思っている。

しかし我が故郷の山形県が、人の横顔に見えるということに関しては、異論を唱える人はあまりいないのではないかと思う。鼻の形も無理がないし、口をぽかんと開けているのもご愛敬だ。下の図の左側が山形県で、赤く塗った部分が我がペンネームの由来となった庄内地方である。

Map1

ただ、これほどはっきりと特徴的な形をした県だというのに、「山形県って、人の横顔の形だよね」 と皆が言うほどには、全然有名な話じゃない。かなり無理のある 「鶴舞う形の群馬県」 の方が、まだ知られているというのが、ちょっと痛恨である。

まあ、要するに山形県は僻地なんだろうね。そしてアピール下手ってことだ。私の出身地の酒田市は最近、「山形県の目玉」 (そういう位置にあるのだよ) なんて言っているようだが、山形県が人の横顔の形という前提自体があまり知られていないので、「は?」 なんてことになるのも、残念なことである。

まあ、「それがどうした?」 ってなことではあるけれど。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016/06/19

名古屋はおもしろい街である

今回、3泊 4日の出張で大阪と岐阜を訪れ、3泊のうち名古屋に 2泊した。名古屋に直接用があったわけではないのだが、中継地として便利だったのである。私はこれまでにも名古屋に何泊したかわからないほどだが、そのほとんどは名古屋周辺に用があっただけで、実は名古屋の街にまともに足を踏み入れたことはあまりない。

つまり、名古屋駅周辺しか知らず、せいぜい地下鉄で 2つめの 「丸の内」 という駅で降りたところの 「繊維街」 の入り口あたりに何度か行ったことがある程度のことである。この程度の浅い馴染みだが、名古屋駅自体は本当に何度も訪れているので、私の中に 「名古屋のイメージ」 というのは厳然としてある。

その中で最も強いイメージは、「名古屋の女性は、ファッションがケバい」 ということだ。本当に名古屋駅周辺を歩くと、名古屋の女性のファッションはケバく感じるのである。大阪のオカンたちとは別の種類のケバさだ。派手なプリント柄が多いし、なんだか知らないが、薄物フリルの多用でひらひらしたものを着ている女性がやたらと多い。

10年以上前、名古屋在住の友人に 「名古屋の女性のファッション、ちょっとケバいよね」 と言ってみたことがある。彼は 「そうなんですよ。皆、今から合コン行ってきますっていう気合いで服着てるでしょ」 と答えた。名古屋の人間でも、他で長く暮らしたことのある者は、そのあたりのことを感じているらしい。

「あれって無意識的に男に媚びてるというか、おもねてるんですよ」 と、彼は言う。そうした意識の現れとして、あの独特のケバさになるということらしく、要するに、延々と嫁入り道具を連ねる風習と、意識の深いところでは共通しているというのだ。なるほど、名古屋というところは金はないわけじゃないので、そんなところなのかもしれない。

それから、名古屋の街は道路標識の道案内がわかりにくい。既に述べたように私は名古屋駅周辺しか知らないが、20年以上前にレンタカーを借りて名古屋港に近い金城ふ頭の国際展示場に展示物を運んだことがある。当時はカーナビなんてなかったし、道路案内がまともに整備されてないので一苦労した。

とにかく根本的に、名古屋の道路は地元の者しか通らないという前提で作られているんじゃないかと思うほど、道案内が少なく、中心部は碁盤の目状とはいえよそ者は迷いやすい。当時はその傾向が今より極端で、ずっと走ってようやく 「あ、あそこに案内がある!」 と思って近付いてみると、そこは国道 1号線 (要するに東海道ね) で、右に行くと東京で、左に行くと大阪という大ざっぱすぎる表示にずっこけた。

大都市名古屋ではあるが、その根底には日本古来の思いっきりドメスティックな身内感覚が脈々と残っていると感じられる。そうかと思うと、その身内感覚だけでは対応しきれなくなって、後から取って付けたようなものが随所に見受けられる。その代表的なのが、下の写真だ。

1

これは地下鉄丸の内駅 (つまり、名古屋の中心部) 構内の、ホームに降りる階段付近である。元々ある案内表示だけではわかりにくいというので、降り口にこんな風にべたべた貼ってあるのだろうが、その張り方がいかにも間に合わせっぽい。またよく考えて貼ったとも思われないので、すべてに赤いアンダーラインが付いていたりする割には、結局のところわかりにくい。

張り紙が無駄に階段の傾斜と合わせて斜めに貼ってあり、しかもその角度がビミョーに混乱しているというのも、何だか泣かせるポイントである。いずれにしてもこんなような案内表示は、少なくとも私は日本の他の街の地下鉄では見たことがなく、「ああ、名古屋だなあ」 と感動してしまったのである。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2016/06/03

根室にも 「オランダせんべい」 があった

私の故郷、酒田には 「オランダせんべい」 というお菓子がある。これについては前に当ブログで書いていたつもりだったが、検索してみると見つからない。「おかしいなあ」 と思ってさらに検索してみると、ほぼ 6年前に Twitter で次のように書いていただけだった (参照)。

オランダせんべいが話題になってるけど、あの超洗練の薄焼きは、酒田の誇りです。日本中に伝道して廻りたいほど。東北限定販売だけと、ネットでなら買えます。

とにかく超薄焼きなのである。くちに入れただけで、噛もうとも思わないうちにパリっと割れる、あのはかない感覚。そしてクセになるほどの微妙な塩味。製造元の酒田米菓のサイトでは 「庄内のソウルフード」 と紹介している。下の写真は酒田米菓のサイトから借用している (クリックで酒田米菓のページに飛ぶ) が、その瑞々しいまでの薄焼き加減が伝わると思う。

Oraold_2

というわけで、私は帰郷する度にこのオランダせんべいをパリパリとおいしく食べているわけなのだが、先日出張で訪れた北海道の根室に、名前も同じ 「オランダせんべい」 というものがあることを知って愕然とした。何しろ名前は同じだが、まったく対象的な食べ物なのだ。

超薄焼きの洗練度を誇る酒田のオランダせんべいに対して、根室のオランダせんべいは、もっちりとした厚焼きである。そしてせんべいというよりは、下の写真は根室で頂いてきたのを我が家で開いたものだが、一見してわかるように見た目はワッフルに近い。

Img_5803

食感も、酒田のは口の中ではかなげに 「パリッ」 と割れるのだが、根室のは、まず手でむちっと引きちぎってから口に入れないと、まるでスルメみたいに噛み切るのも大変なほどだ。「洗練」 というよりは 「素朴」 という言葉が似合う。

味はほんのりと甘い。粗糖的なやわらかくて素朴な甘さだから、全然くどくない。酒田のは米が原料だが、根室近辺は水田がないので、これは多分小麦粉を原料としているのだろう。根室の子供たちの代表的なおやつとして親しまれ、大人になっても間食に欠かせないというが、なるほど、これなら飽きずに一生付き合えるだろう。

とにかく名前は同じでも、両者はまったく性格を異にしている。共通点は微妙な薄味ということだけだ。このおかげで 2つのオランダせんべいは、いくら食べても飽きない 「ソウルフード」 的な存在となっているのだろうね。

あ、そうそう、書き忘れるところだった。酒田のオランダせんべいのネーミングは、「誰んだ?」 「おらんだ (俺のだ)」 という洒落だが、根室のネーミングの由来は誰も知らないらしい。ただ一説には、オランダ人の靴跡のパターンを表しているからという。そういえば、丸い全体の 4分の1 ずつパターンが違うんだよね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016/06/02

自分は 「旅好き」 なのだと思う

自分は 「旅好き」 なのだと思う。「旅行好き」 というより 「旅好き」 なのだ。「旅行」 というと何となく事前に組んだスケジュール通りに動くというニュアンスがあるが、「旅」 というと、行き当たりばったり、好きにあちこち行くという感覚だ。で、私としては行き当たりばったりの 「旅」 が好きなのである。

もちろん、本当に行き当たりばったりの旅がしょっちゅうできるというわけじゃない。それどころか現実には、スケジュールの決まった 「出張」 という名の旅行が大部分だ。それでも出張のスケジュールの中で、できるだけ行き当たりばったりの要素を付け加えるのが、「旅好き」 の腕の見せ所となる。

まず出張の予定を立てるにあたっても、できるだけ余裕のある予定にする。用事だけ済ませてトンボ返りするしかないというような、キチキチのスケジュールにはしない。現地で仕事を済ませて一泊したら、翌日はあちこち行って、夕方に発って帰ってくればいいというようなことにする。この手で現地に馴染むことにより、仕事自体の密度も濃くなるというメリットがある。

現地の空き時間の過ごし方というのは、まさに行き当たりばったりである。事前に予定なんか立てずに、現地に入ってから決める。現地の人のオススメ情報を聞くことが多いが、1人だけでなく複数の人に聞くようにしている。1人だけに聞くのでは、薄っぺらな観光情報になりがちだが、複数の人に根掘り葉掘り聞くと、「本当に行ってみるべきところ」 というのが見えてくる。

その上で、私は 1人でうろうろすることにしている。誰かと一緒だと、その人に合わせなければないが、1人だったら好きに動ける。1人旅なら、同行者に合わせて興味のない買い物に付き合う必要もなければ、気に入ったところで小一時間ぼうっとしていることもできる。

海外出張の見本市視察などでは、コストの関係でそれを目的としたパッケージ・ツアーに混じることもあるが、現地では絶対に単独行動を貫く。ただでさえ 「英語ができる」 というだけで同行者に頼られて、あれこれ余計なことを頼まれてしまうことがあるから、日本人同士でつるむのはできるだけ避ける。

先月末の北海道への出張では、釧路から根室まで約 120km の道をレンタカーで行った。現地の人に聞くと 「2時間の道のりですが、途中は何にもないところですから、ただシカにぶつからないようにして、退屈に耐えてください」 という話だったが、退屈どころかとても楽しいドライブだった。あちこちでクルマを停めて、ちょっとした散歩を楽しんだおかげで、2時間のはずが 3時間以上かかった。

それを見越して早めに出発していたので、遅刻することはなかったし、帰りもまたあちこち寄り道した。道東の自然は、内地に比べて 「剥き出し感」 がハンパじゃないからワクワクする。できれば数年前の知床のようにエゾシカに遭遇したかったが、今回は多くの野鳥を見るだけで済んだのが、ちょっと残念といえば残念だった。

ちなみにこれだけあちこちで寄り道を繰り返していると、「お馴染みの光景」 という感覚が醸成されてくる。いわゆる 「デジャヴ」 (既視感) というのとはちょっと違って、何というか、どこに行っても戸惑うことがなく、何となく親しみさえ感じて、ずんずん入って行けてしまうのだ。

おかげで私は、世界中で現地の人と思われて道を尋ねられることが多い。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016/05/03

北秋田への出張から戻った

秋田県北部への一泊二日の出張から帰った。秋田県北部というところは、はっきり言って陸の孤島である。東京から鉄道で行くとすると、まず秋田新幹線 「こまち」 の終着、秋田駅まで行く。この秋田新幹線というのは東北新幹線の車両と連結されていて、盛岡で切り離されてようやく秋田新幹線に入る。

ところが盛岡から先は新幹線とは名ばかりで、在来線、しかも単線である。だからところどころの駅で、すれ違う電車の待ち合わせをするという、「なんちゃって新幹線」 だ。ちなみに山形新幹線も同様に、福島で切り離されてからは 「なんちゃって」 である。要するに、乗り換えの手間がいらないというだけのことだ。

で、昨日は午後一番に自宅を出発して、日の暮れた頃に秋田駅に着いた。とりあえず、秋田駅近くのホテルに前泊である。秋田新幹線の車内のエアコンは 「送風」 になっていたようだが、午後 5時近くになってからは結構肌寒くなり、それまでバッグにしまっておいた上着を羽織った。そして秋田駅に着いてみると、道行く人の多くはコートやパーカを羽織っている。まだ春になったばかりという風情で、関東とは季節が違う。

で、今日は朝一番でホテルをチェックアウトして、奥羽本線弘前行きの電車で秋田県北部、その名も北秋田市の鷹ノ巣という駅に向かった。これがまた、1時間半以上かかる。今日は天気がよくて途中の景色は抜群だったが、なにしろ陸の孤島である。そこからまたタクシーに 40分近く乗ったところが目的地だ。

その辺りは電車の運行が 1時間に 1本程度しかない。だから仕事は早々に済ませ、昼過ぎにはまた 40分近くタクシーに乗り、1時間半以上電車に揺られて秋田駅まで戻り、そこからまた秋田新幹線に乗り換えて、自宅に戻ったのは夜の 10時半である。できれば二泊三日でゆっくり行きたかったところだが、他の予定もあったので、一泊二日の強行軍となった。

今度行くチャンスがあったら、できれば三泊四日にして、秋田から弘前、青森まで足を伸ばし、青森県を横断して、東北新幹線で八戸周りで帰って来たいと思った。まあ、それほど見所は多い地域である。見所と行っても、賑やかな観光地ではなく、白神山地などを含む自然の真っ只中という意味だが。

秋田県北部は、陸の孤島という意味では、私の出身地である山形県庄内地方と似ている。庄内地方も、山形新幹線だけではたどり着けず、どちらかといえば、上越新幹線で新潟まで行き、そこから特急に乗り換えて、海岸線をえっちらおっちら行く方が、まだ早く行ける。ただ、東京からの距離という点で、北秋田はずっと陸の孤島度が高い。そしてその分、自然の見所が一杯である。

北秋田は桜が満開だった。ところが関東に帰ってみると、既に初夏である。蒸し暑い。日本も結構広いものである。

ちなみに鷹巣駅前商店街は、見事なまでのシャッター通りで、連休のど真ん中というのに、人っ子一人歩いていなかった。東北に行くと、街より自然の真っ只中の方がずっと豊かというのが、如実に実感される。もちろんここでいう豊かさとは、GDP に反映されない豊かさである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧