2009/12/17

赤き看板

路地裏で幾年風に吹かるれば看板はこの赤と染まるや


Wl091217 今日は朝五時に起きて名古屋に出張。十時前に駅前の会場入りして、プレゼンテーション。それが済むと、今度は岐阜に移って同じプレゼンテーション。

天気はいいが、風の冷たい一日、何とかスケジュールをこなした。それにしても、名古屋と岐阜というところは、夏は暑く、冬は風の冷たいところである。

写真は名古屋駅近くの細い道の、なんということのない光景。居酒屋という紅い看板の、ものすごく庶民的な店構えがなんとなく気にかかって、何となく写してしまった。

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2009/12/16

灯の消えし電車

歳末の都市の心を映せしか灯の消えし電車淋しく動かず


Wl091216 この冬一番の冷え込みになったそうで、今日はベッドから抜け出すのにちょっとした決心が必要だった。とはいえ、起きてみれば凍えるほどというわけでもなく、普通の冬である。

このところ、仕事はいろいろな要素が絡まり合ってめまぐるしい。寝る暇もないというわけではないが、切り替えが大変だ。

夜になって、上野駅で常磐線快速電車の入線を待っていると、向こうのホームにとまっていた中距離電車の車内の証明が急に消えた。車庫に入る前に、省エネのために消してしまったのかもしれない。

それにしても、車内の灯りが消えた電車というのは、妙に物寂しくみえるものである。

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2009/12/15

御堂筋

若き日の面影にまた逢坂の御堂に冬の光射しゐぬ


Wl091215 大阪に出張して、久しぶりに若い頃に勤めていたことのある業界新聞社を訪ねた。当時の同僚たちも、「景気が厳しい厳しい」 とは言いながら、何とか生き残っているようで、少し安心した。

この新聞社は御堂筋から少し入ったところにあり、すぐそばに北御堂がある。私はこれがあるから、道路の名前も御堂筋というのだと思っていたが、難波の方には南御堂というものがあるのだと、迂闊なことに今日、初めて知った。

北御堂があるのだから、南御堂もあって当然と、どうして気付かなかったのだろうか。しかも、北御堂は浄土真宗本願寺派の別院で、南御堂の方がうちの宗旨の大谷派の別院だという。いやはや、知らなかった。

今度機会があったら、南御堂を参拝してみようと思う。

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2009/12/14

ビジネスホテルのベッドに置かれた折り鶴

出張のホテルのベッドに置かれたる折り鶴をそつとデスクに移す


Wl091214 日が暮れてから東京駅を発って、大阪に出張してきている。ホテルに入ったのは夜の十時頃。

ベッドの上に、折り鶴が置いてある。最近、ビジネスホテルでこういうことをするのが流行っているのだろうか。

毎日全ての客室に新しいのを置くのは大変だろう。多分、使い回ししているんだろうから、形が崩れないように、そっとデスクの上に移しておいた。

明日は新規事業のプレゼンテーションをして、夕方前に東京に戻る。

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2009/12/13

古徳沼のオオハクチョウ

冬の日のはや傾けば白鳥の首の影細く湖面に立ちぬ


Wl091213 私の故郷、酒田の最上川河口には、毎年一万羽近くの白鳥が飛来するが、茨城にも白鳥の来る沼があるというので行ってみた。古徳沼というところである。水戸の少し北、那珂市というところにある。

飛来するのは大体百五十羽ぐらいというので、一万羽のわが故郷とは比較にならないが、こじんまりとした沼の白鳥というのも、なかなかいいものである。

白鳥の飛来地というのはどこでもそんな感じだが、実は白鳥の何倍もの鴨がいる。そして観光客が白鳥にあげたつもりの餌を、鴨がかなり横取りしている。

冬の日の傾くのは早く、白鳥の長く伸びた首がすぐにシルエットになる。

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2009/12/12

魚の跳ねる音

魚跳ねて川面に音の響けども常に視界の外の出来事


Wl091212_2 昨日からの雨は明け方には止んでいたが、雲が晴れて明るくなり、青空の勢いが勝るようになったのは昼過ぎである。

久し振りで土手の道を散歩すると、川のさざ波に岸の枯葉色の草が映っている。

時々視界の外から「ポチャリ!」 という音が響いて、振り返ると、魚の跳ねて水に落ちた波紋が、丸く広がっているのが見える。

跳ねる瞬間を見たいものだが、なかなかうまく行き当たらない。

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2009/12/11

ターミナル駅の異界

ターミナル駅のホームの端にある異界に蒼き灯はともりをり


Wl091211今日は昨日とはうってかわって、一日中雨降り。しかも、しとしとぶりではなく、ずっと本降りである。

帰り道、御徒町の多慶屋でクルミを四袋買ったが、ほんの一分ぐらい歩いただけなのに、足許がびしょびしょになった。

山手線で上野駅まで、たったの一駅。雨でなければ、アメ横を通り抜けて歩いてくるところだが、電車に乗った。電車の床もびしょびしょである。上野駅で降りて、山手線のホームの一番北よりの階段を昇ろうとしたら、隣のホームの端に青く光る明かりがあるのに気付いた。

しょっちゅう歩いているはずなのに、あんな青い光があるとは、今日の今日まで気付かなかった。階段の下は、なにやら上野駅の行灯部屋みたいな雰囲気である。楽屋裏を覗いたような気もする。

どうということはないが、不思議な発見。

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