鳥海山を望む
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庄内の刈田に群れて白鳥は落ち穂を拾ふこの秋もまた
酒田の最上川河口に、今年も多くの白鳥がやってきた。河口の 「スワンパーク」 は、鳥インフルエンザ対策のために、立ち入り禁止になっている。
しかし白鳥たちは、日中は落ち穂を拾って食べるために、庄内の田んぼに出張するので、スワンパークだけを立ち入り禁止にしても、あまり意味はないように思えるがなあ。
というわけで、庄内の刈田は白鳥たちの天国になる。写真の白く見えるのは、みな白鳥だ。知らない人が遠くから見ると、刈田にレジ袋が散在しているのだと思ってしまうらしい。近寄ってみるとそれがすべて白鳥なので、驚いてしまう。まさか、田んぼに白鳥の群れがいるとは思わないから。
まあ、庄内というところは不思議なところである。
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湿りたる算盤の珠今の世に元禄の音を響かせ給へ
今日は旧鐙屋 (あぶみや) を見学した。鐙屋は江戸時代に西回り航路終着地である酒田湊で最大の廻船問屋で、その繁盛ぶりは井原西鶴の 『日本永代蔵』 にも紹介されている。
『日本永代蔵』 が世に出たのは貞享五年で、この年は元禄元年でもあるから、江戸期前半にはもうすっかりその地位を確立していたもののようだ。芭蕉が 『奥の細道』 で訪れた際にも、ここに長逗留している。(もっとも 「あふみや」 という記載のため、「近江屋」 であるとの説もある)
今は国指定史跡になっていて、三百十円の入館料を払って中にはいると、観光用にきちんと整えられている。私が高校時代に出入りしていた頃は、古ぼけた薄暗い商家造りだったが、手を入れ直して修復したもののようだ。
高校時代に出入りしていたのは、当時、ここに労音の事務局が間借りしていたからである。あの頃は、田舎の町では労音にでも入っていないと、まともな音楽を聞く機会がものすごく少なかった。私はちょっとおませな高校生だったのである。
当時とはずいぶん様変わりしてしまったものだが、館内の解説はいかにもおざなり過ぎる。ちゃんとした学芸員が関わっているとは到底思われない。残念だなあ。
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みちのくの背骨の山を越え来れば日々草は日々に咲く
田舎に帰ってきている。八時につくばを出発して、一時に到着。高速道路の割引で、どこまで行っても千円なので、最初から最後まで高速で走ると、五時間で来れるのだった。
高速道路はあまり好きではなく、両端を一般道にすることが多いので、それだと六時間以上かかる。それでも、千円で行けるとでもいうのでなければ、一般道を交える方が楽しい。
今日は日本海側に抜けたら急に暖かくなった。庄内も時ならぬ暖かさで、半袖で十分の暖かさである。
実家に帰ったら、庭に日々草が咲いていた。親類や知人が来て、いろいろな花を勝手に植えていってくれるのだそうだ。おかげで、私の実家は花が絶えない。
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何をしか何処におくり生くるらむ人は自らおくらるるまで
思ったよりもずっとスムーズに酒田についた。福島県内で十キロちょっとの渋滞にはまったが、停まってしまうというほどのことはなく、三十分足らずで脱出。あとはすいすい走れた。
今日はさっそく旧割烹小幡に行ってきた。映画 『おくりびと』 のロケに使われた建物である。それについては、"Today's Crack" の方に詳しく書いたので、お暇があればご覧いただきたい (参照)。
帰りに日枝神社に寄って帰ってきた。この日枝神社は、今月十九日、二十日の酒田祭の総元締めである。私の生まれたのは、この辺りから歩いて二~三分のところにある家なので、懐かしいところである。
What should a man send
To some place that he never knows
In his whole life to spend
Until he himself will be send to close
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錆び付きし水門の跡篠竹に埋もれとどむる昭和の名残
久し振りの上天気。ただ、久し振りというのは単なる印象で、本当はそれほど久し振りではない。せいぜい四、五日ぶり程度だ。
本当に久し振りなのは、どこにも出かけなくてもいい日ということである。出かけなくてもよければ暇かというと、そういうわけでもなく、たまった仕事や庭の木の手入れなどをしているうちに、あっという間に日が暮れた。
我が家の裏の土手に、水門の跡がある。昭和の三十年か四十年代まではここに水路があって、この水門で水の流れを調整していたものらしい。今は水路の跡形もないが。
水門跡の廻りには篠竹が生えている。土手の内側に篠竹が生えているなんてことは珍しいので、やはりそこだけ人の手がしっかり入っていたことをうかがわせる。
An abandoned site of old sluice
In tiny bamboo bush by the stream
Stained screw and wheel are left loose
As a reminder of the Showa dream
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鳥海と月山かけて覆ひたる雪の白鳥蒼天を飛ぶ
庄内の最上川河口近くでは、この季節、朝になると 「コウ、コウ」 と甲高く鳴く白鳥の声がひっきりなしに聞こえる。河口に飛来している白鳥たちが、餌の落ち穂をあさるために、田んぼに飛んでいくのだ。
今朝は庄内の冬にしては珍しい上天気で、白鳥の飛ぶ姿が青い空にくっきりと浮かび、とても美しく見えた。
昼過ぎに酒田を発って帰路についても青空はさらに澄み渡り、朝には鳥海山の頂上付近を覆っていた雲まで晴れた。鳥海山の左側の峰が雲の影になってしまっているが、見事に見渡せた (写真左下)。
さらに酒田から南東方向には、月山の雪を頂いた姿もくっきりと見渡せた (写真右下)。冬の月山は黒雲に覆われていることが多く、冠雪した月山の頂上まで、こんなにも見事に見えるのは本当に珍しい。
この月山の中腹を走る月山道路 (国道百十二号線、通称 「六十里越え」) を走り抜けて、夜になってから帰宅した。念のためスタッドレスタイヤを履いて出かけたのだが、それはまったく必要のない快適なドライブだった。
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As white as the snow that lie
On the peaks of Chokai and Gassan
I see a flock of swans fly
Across a blue sky reflecting the Sun
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みちのくの凍ゆる風を羽に受けて白鳥はこの冬を越すなり
母の墓参りのついでに、最上川河口のスワンパークに行ってきた。ここには、例年一万羽以上の白鳥が飛来する。この飛来数は日本一らしい。
とはいえ、日中は、白鳥は庄内平野の田んぼで餌をあさっていて、あまり残っていない。今日も十数羽が見られただけだ。
今年からは鳥インフルエンザ対策で、餌付け禁止、白鳥に近づくことも禁止になっている。なかなか大変だ。
いくら近寄ることを禁止しても、白鳥はあちこちの田んぼで餌をあさるから、あまり意味はなさそうに思うがなあ。
At the mouth of the Mogami River
Bearing freezing winds blow
Swans sing a song of winter
To make their wings shine and glow
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早朝の庄内の蝉おづおづと鳴き始めたり休止符多く
昨夜は酒田の割烹で、高校時代の同窓会に出席。二次会を過ぎて、日付の変わる頃に帰宅し、風呂に入ってそのまま眠ってしまった。
ところがその間に、南庄内では記録的な豪雨に襲われて大変なことになっていたのである。
庄内町では半日に 400ミリという豪雨で、あちこちで床下浸水になっている。昨夜の同窓会に参加した南庄内在住の同窓生は、夜中に帰宅してさぞかし焦ったことだろう。
酒田はあっけらかんと雨があがり、小鳥と蝉の声でさわやかに目覚めた。庄内の朝蝉は、おずおずと鳴き始める。殊勝なもので、あまり人騒がせにならないよう、初めは休止符ばかり多い。
写真は豪雨で増水した最上川。茶色の濁流と化していた。
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旧盆の雨に濡れたる墓石の温もりをりし人肌のごと
天気予報では、庄内地方は午前は曇り、午後から雨とのことだったが、ウソばっかり。朝からざっと降っては止み、時々カッと日が照りつけ、また思い出したようにざっと降るという繰り返し。晴れ、曇り、雨の、何でもありの天気である。
雨のおかげで、少しは焼け付いた地面の熱気が冷やされたような気がする。気温も、庄内地方は二十九度までしかあがらず、真夏日は避けられるようだ。
朝の晴れ間をぬって墓参りに行ったつもりが、やはり少し降られた。しかし、おかげでお墓の掃除が楽で、タオルで拭いただけでぴかぴかになった。体温に近い暖まり方をした墓石は、不思議なものである。
その後、親戚回りをして、夕方からは高校時代の同窓会である。昭和四十六年卒業組の集まりで、辰年と巳年がほとんどなので 「巽会」 という。なんだか 「や」 のつく業界の団体名みたいという声もあるが、長年これでやってきたのだから、そういうことでいいのである。
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