「グリーンウォッシング」による化石賞というお話
HUFFPOST が ”COP 28 で岸田首相の演説にまた「化石賞」。3年連続「同じ理由」で受賞しているの知ってた?” という記事を伝えている。
どれどれと化石賞(FOSSIL OF THE DAY AWARD)のサイトに飛んでみると、確かに COP 28 の初日(12月 3日)に、「本日の化石」としてめでたくニュージーランド、日本、USA の 3カ国が選出されている(参照)。この 3カ国、実はしょっちゅう選ばれる「常連化石」である。
今回の受賞理由は岸田首相の演説が「グリーンウォッシング」とされたこと。この言葉、日本ではまだ馴染みがないが、要するに「いかにも環境に配慮しているようにみせかけて、うわべを取り繕うこと」。Wikipedia には次のようにある(参照)。
安価な”漆喰・上辺を取り繕う"という意味の英語「ホワイトウォッシング」とグリーン(環境に配慮した)とを合わせた造語である。
つまり岸田首相の「石炭火力発電所やガス火力発電所で水素・アンモニアを混焼する」ことを強調し、「これを東南アジア全域に広めたい」とした演説が、「グリーンウォッシングそのもの」と見られたわけだ。要するに「火力発電を将来にわたって継続する」という保証でしかないからね。
ちなみに一昨年の受賞理由は「グリーンウォッシング」という言葉は使われていないものの、"「ゼロ・エミッション火力発電」と称して、水素とアンモニアとともに化石燃料を使用する" というもの(参照)で、要するに今回と同じことである。さらに昨年も同様だ。
なるほど、岸田首相はまったく懲りずに 3年間にわたって同じ繰り言を言い続けて、日本政府のエコ対策が進歩のない「化石」であることを世界に印象付けたというわけだ。やれやれ。
ちなみにこの賞は先進的な環境対策に関連してのジョークっぽいものでもあるだけに、環境対策の話とジョークのどちらも通じそうにない中国(参照)には与えられたことがないようだ。
その意味で、しょっちゅうもらってる日本は少しはマシという見方ができないこともない。
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