2023年12月 5日

「グリーンウォッシング」による化石賞というお話

HUFFPOST が ”COP 28 で岸田首相の演説にまた「化石賞」。3年連続「同じ理由」で受賞しているの知ってた?” という記事を伝えている。

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どれどれと化石賞(FOSSIL OF THE DAY AWARD)のサイトに飛んでみると、確かに COP 28 の初日(12月 3日)に、「本日の化石」としてめでたくニュージーランド、日本、USA の 3カ国が選出されている(参照)。この 3カ国、実はしょっちゅう選ばれる「常連化石」である。

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今回の受賞理由は岸田首相の演説が「グリーンウォッシング」とされたこと。この言葉、日本ではまだ馴染みがないが、要するに「いかにも環境に配慮しているようにみせかけて、うわべを取り繕うこと」。Wikipedia には次のようにある(参照)。

安価な”漆喰・上辺を取り繕う"という意味の英語「ホワイトウォッシング」とグリーン(環境に配慮した)とを合わせた造語である。

つまり岸田首相の「石炭火力発電所やガス火力発電所で水素・アンモニアを混焼する」ことを強調し、「これを東南アジア全域に広めたい」とした演説が、「グリーンウォッシングそのもの」と見られたわけだ。要するに「火力発電を将来にわたって継続する」という保証でしかないからね。

ちなみに一昨年の受賞理由は「グリーンウォッシング」という言葉は使われていないものの、"「ゼロ・エミッション火力発電」と称して、水素とアンモニアとともに化石燃料を使用する" というもの(参照)で、要するに今回と同じことである。さらに昨年も同様だ。

なるほど、岸田首相はまったく懲りずに 3年間にわたって同じ繰り言を言い続けて、日本政府のエコ対策が進歩のない「化石」であることを世界に印象付けたというわけだ。やれやれ。

ちなみにこの賞は先進的な環境対策に関連してのジョークっぽいものでもあるだけに、環境対策の話とジョークのどちらも通じそうにない中国(参照)には与えられたことがないようだ。

その意味で、しょっちゅうもらってる日本は少しはマシという見方ができないこともない。

 

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2023年12月 4日

『さるかに合戦』の不条理と「雰囲気のもの」

もうとっくに書いてしまったような気がしていたのだが、自分のブログ内を検索してみても出てこないので、どうやらまだ書いていないようなのだ。というわけで、今さらながら "『さるかに合戦』の不条理と「雰囲気のもの」" というテーマで書かせていただくことにする。

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今となっては遠い昔のことだが、幼稚園時代に『さるかに合戦』の紙芝居を見せられた。この時私は、「早く芽を出せ 柿の種、出さぬとはさみでちょん切るぞ」というカニの歌にとんでもない違和感を覚えてしまったのである。

はさみでちょん切るぞ」と言っても、一体何をちょん切るというのだ。この時点で芽はまだ出ていないのだから、ちょん切るものなんてない。もしかしたら、土をほじくり返して種を見つけ、ちょん切るとでもいうのだろうか。いずれにしてもナンセンスな話である。

ところが紙芝居が終わってからこのことをクラスの子たちに話してみても、信じられないことに、この当然の道理が誰にも通じなかったのである。「そう言えば、確かに変だよね」なんて言ってくれる子は一人もいない。これには完全に拍子抜けだった。

彼らにとって重要なのは最後に猿が臼に押しつぶされて痛い目に合うというお約束の勧善懲悪カタルシスであり、ちょっとしたセリフの不条理なんて「どうでもいいこと」だったのである。

私が「この世で大切なのは、ざっとした『雰囲気のもの』なのだ」と気付いたのはこの時だったように思う。「神は細部に宿る」(God is in the details)という重要なテーゼを知っていたらもっと深い考察ができたのだろうが、なにぶん幼稚園時代のこととて、そこまでには至らなかった。

多くの人は「重要な細部」の話なんかされると「雰囲気のモノ」としての「心地良い流れ」をぶち壊されたような気がして、下手すると怒り出したりする。今後の長い人生をスムーズに運ぶためにはこのあたりに気を付けなければならないという処世術を、私は幼心に悟ったのだった。

それ以来、「雰囲気のモノ」というのは私の中で重要なキーワードとなり、このブログでも結構書いている。ざっと挙げただけでこんな具合だ。

「デューダ」って、スウェーデン語で「虐殺する」って意味らしい (2017/2/6)
アリナミン V の CM は、「雰囲気のもの」 でしかないのね  (2017/11/8)
人は何かを隠したいとき、「ポエマー」になる  (2021/1/7)
写真はイメージです/言葉は雰囲気です (2021/10/7)

ただ最近になって、『さるかに合戦』のこのカニのセリフを「雰囲気のモノ」として済ませたくない人が他にもいることに気付いたのである。ポプラ社の絵本『さるかにばなし』(作: 西郷武彦、絵: 福田庄助)は、本文が「はようめをだせかきのたね、ださぬとはさみでほじくるぞ」になっているようなのだ。

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うむ、ちょっとした「変痴奇論」と言えないこともないが、論理の流れからすれば「それでこそ!」だよね。

最後に付け加えておくが、石原和三郎作詞・納所弁次郎作曲の『さるかに』という歌では、ご丁寧なことにまだ成ってもいない柿の実まで「ちょんぎるぞ」と言っている。スゴいなあ、ほとんど四次元の世界だ(参照)。

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2023年12月 3日

東京って「クマの生息している首都」なんだそうだ

ANN ニュースが、「東京クマ、圏央道に迫る」と伝えている。何しろ、東京は世界でも稀な「クマの生息している首都」なんだそうで、都内には 160頭前後のツキノワグマがいるというのだ。

160頭と言ったら、私の住む茨城県よりずっと多いだろう。何しろ茨城県はこれまで「クマのいない県」とされていたのだが、つい最近になって福島県から移ってきたらしいクマが確認されている。一方の東京は背後に奥多摩・奥秩父の山系が控えており、確実に昔からいたのだだろう。

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しかもニュースのタイトルにあるように「圏央道に迫る」というのだから、ちょっと聞き捨てならない。上の画像は、青い点が昨年の目撃ポイントで赤い点が今年になってからのもの。明らかに東に広がっていて、中央の黄色い線で示された圏央道に迫っているのがわかる。

圏央道というのは埼玉県から、東京都西部の青梅、八王子、高尾山の登り口を経て神奈川県に至る絵に描いたような「郊外」の高速道路だ。これが今のところ、東京のクマの防波堤みたいになっているようで、これを越えたら JR 中央線沿いに立川市、国分寺市に迫ってしまう。

茨城県住まいの長い私だが学生時代は国分寺市と武蔵野市に何年か暮らし、その後は杉並区西荻窪に結構長く住んでいた。いわゆる「中央線族」の時代が長かったので、何となく他人事のような気がしない。

国分寺に住んでいた頃は自転車で 1時間足らずの多摩湖まで何度もポタリングしていた。多摩湖はまだ圏央道の内側でなので、今さらながら意味もなくホッとしている。

それにしても、奥多摩から雲取山を経て奥秩父まで何度も登山したものだが、あの頃はクマに出くわす心配なんてしたことがなかったなあ。今は高尾山へのハイキング程度でリュックにクマよけの鈴をぶら下げる時代になっているわけで、本当に驚きである。

 

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2023年12月 2日

「新語・流行語大賞」を巡る冒険と寄り道

今年の「新語・流行語大賞」が決定したそうで、年間大賞は阪神、岡田監督の「アレ(A.R.E)」なんだそうだ(参照)。野球というものに興味を失っている身としては、「それが、何か・・・?」という感覚でしかないが、まあ、阪神優勝というのはそれほどまでにビッグな話題だったのだろうね。

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流行語大賞といえば、私は今年 8月 5日に ”今年の流行語大賞はもう、「危険な暑さ」で決まり!” という記事を書いているが、これは見事にフライングだったようで、トップ 10 にも入っていない。その代わりに「地球沸騰化」というのが入っているので、まんざら的外れでもなかったわけだが。

ただちょっとだけ不満を言わせていただけば、言葉の使われた頻度で言えば「地球沸騰化」なんて極々マイナーで、「危険な暑さ」の方が圧倒的だと思うがなあ。でも、まあ、いいか。主催者的には、よりセンセーショナルな言い回しの方が「それらしい」という気がしてるんだろう。

ちなみに TOP 10 には上の画像で示した新語がランクインしている。私はこのうち「新しい学校のリーダーズ/首振りダンス」「蛙化現象」の 2つが初耳だったが、この際だから覚えとこう。とくに「蛙化現象」は一過性の流行語で済ませるのはもったいない普遍性があるだろうから。

そして選考委員特別賞を獲得した とにかく明るい安村の "I'm wearing pants!" だが、これについての「コールアンドレスポンス」みたいという指摘(参照)は、比較文化論的にかなりおもしろいよね。

"Call and response" というのは、無理矢理に訳したら「掛け合い」と言っていいのかな。確かに日本語のパフォーマンスでは、こんな風な観客との掛け合いは発生しない。

ついでと言っちゃ、大御所に申し訳ないが、締めくくりは Ray Charles の "What'd I Say" である。2分過ぎぐらいから、ゾクゾクするようなゴスペル流 ”call and response” に触れることができる。

 

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2023年12月 1日

IOC に札幌を見限ってもらい、スッキリしたかも

時事通信が「札幌見限った IOC = 38年冬季まで候補地確保へ」というニュースを伝えている。日本オリンピック委員会(JOC)の対応が IOC をひどく失望させてしまったようで、冬季オリンピックの開催地としての札幌は 2038年まであり得ないってことになったようなのだ。

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こんなニュースが流されてしまったら、昔の日本だったら大問題になってしまっただろうが、今回の場合は多くの人がかえってスッキリしたんじゃないかと思う。「IOC よ、見限ってくれてありがとう!」ってなもんだ。

とにかく今どきの日本国民の多くは、札幌に限らず日本でオリンピックをやって欲しいなんて望んでいないのだ。それは大阪万博にしても同様であることは、今年 10月 8日付の「大阪万博を巡る冒険」という記事で書いている。国民は「金はもっと役に立つことに使ってくれ」と言いたいのだよね。

それは何も日本だけではなく、世界的な傾向でもある。BBC News Japan の「なぜオリンピック招致から撤退する都市が相次いでいるのか」という記事には、カナダ、カルガリーの市民が 2026年の冬季オリンピック開催を「ありがとう。でも結構です」と、きっぱり拒否した経緯が示されている。

こうなったら札幌としても「2038年以後も、もう結構ですから」との意思を示しておけば面倒が減るのにと思ってしまうが、JOC はその後に向けて招致活動を続ける方針なんだそうだ(参照)。彼らにとっては放り出したらメシの種がなくなってしまうから、「やぁめた」とは言えないんだろうけどね。

一方、大阪万博は「みっともない開催」に向けて突き進んでいる。「国際博覧会担当大臣」として、350億円もかけて木造の日よけ(「リング」なんて称してる)を作るという発言で炎上している(参照)自見英子さんも、気の毒な役回りにハマっちゃったものだ。

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実は彼女が筑波大学の学生だった頃、何かのイベント関連で直接話をしたことがあり、当時は「なかなかよくできたお嬢さん」という印象だったんだがね。親を継いだとはいえ、政治家なんかになるもんじゃない。

ちなみに下世話な話で恐縮だが、この人、学生時代からファッション・センスがもっさりしていたが、それは今も変わらないようなのだね。

 

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2023年11月30日

牡蠣の晴れ舞台「牡蠣フェス」の残念さ加減

年明け早々、1月 7日〜9日の 3日間、上野公園で「牡蠣フェス」なるイベントが開かれるのだそうだ。公式ロゴ(?)を見ると英語名称が ”oyster fes” となっているが、せめて "fest" にして欲しかったなあ。いや、ここはまあ、そんなような変わった固有名詞ということで、目をつむっておくか。

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しかしその内容については、ちょっと目をつむれない。ウェブページのトップに ”瀬戸内の「美味しい」グルメが上野に集結” とあるからには、「瀬戸内産の牡蠣を訴求するイベント」と思わない者はいないだろう。ところがどっこい、実際はそうじゃないようなのだ。

ページの中段を見ると「瀬戸内の牡蠣 食べ比べ」と表示されたその舌の根も乾かぬうちに、「広島産・兵庫産・岩手産・北海道 など各県自慢の牡蠣5種をお得に食べ比べ ♪」とある。しかもご丁寧なことに、そのすぐ下の画像をみても「兵庫産」なんてない。

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「5種類の牡蠣」のうちで「瀬戸内の牡蠣」といえるのは広島産の 1種類だけで、残りは北海道産と岩手産がそれぞれ 2種類である。それでも「瀬戸内の牡蠣 食べ比べ」と言い張っているのは、どういうことなのかさっぱりわからない。

まったく残念な訴求のしかたと言うほかなく、北海道と岩手の業者はよくこれで納得したものだ。私だったら、ボイコットしてしまうがなあ。

こんなような「残念さ」が重なってしまってはいるものの、牡蠣そのものに罪はない。「牡蠣フェス」もことイベントとしては十分に魅力的だし、「直径 2m の超巨大鍋」で煮込まれる絶品汁というのもなかなかそそる。

ただ、ここにもやっぱり「残念な謎」があるのだよね。この「超巨大鍋」に入れられる「牡蠣産の牡蠣」って一体何なんだ? 

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もしかしたら、当初「瀬戸内産の牡蠣」と書くつもりだったライターが、ここに至って初めて「ありゃ、決して瀬戸内産ばかりじゃないのだね」と気付いて、妙に混乱してしまった結果なのだろうか。それにしても、書いていて自分で気持ち悪くならなかったのかね。

しかし何だかんだ言っても「牡蠣のおいしさ」に逆らえない私としては、つい来年早々のスケジュールを確認してみたのである。すると何と、イベントのある 1月 7日からの 3日間は連休を含むというのに出張などの予定が入っていて、上野には行けないじゃないか。

まさに、残念の上にも残念が重なったイベントというほかない。

 

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2023年11月29日

”The fall of the patriarchy” (家父長制の秋)

国連広報センターの「秋です。家父長制を解体しよう。/今日は #女性に対する暴力撤廃の国際デー/女性に対する #暴力に言い訳なし #NoExcuse」(11月 25日付)という tweet が、イチャモン・コメントで妙にあふれかえっている(参照)。

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今日はこの件に触れようと決めた時、私としては「ああ、偶然ながら 3日前に『日本人の英語力低下は、英語の歌をやらないからさ』という記事を書いといてよかった」と思ってしまった。というのは、"THE FALL OF THE PATRIARCHY" というコピーがなかなかイケてるからである。

”Fall” を掛詞みたいに使って、「家父長制の秋/崩落」という意味合いをもたせているので、ごくフツーに日本語に翻訳してしまっては興醒めだ。優秀な翻訳アプリも要らない。ここは英語のまま、ちょっと詩的な雰囲気の部分も含めて受け取るのがいいだろう。

ところがこのポストには、最初に書いた通りイチャモン・コメントがどっさり付いている。最もずっこけてしまうのは「秋と所謂『家父長制』の是非がどう関係しているのですか?国連とは???」なんていうもので、「だぁからぁ、そのくらいわかりなよ」って話だよね。

それから、「戦後日本では家父長制は廃止されているから、関係ない」みたいなコメントも目立つ。しかしここで言う "patriarchy" というのは成文化された法的制度としての「家父長制」も当然含むものの、それだけの狭い意味ではないと理解すべきである。

フェミニズム的な感覚での "patriarchy" という言葉は、「男性が女性や子どもを支配している広範な社会構造を表現する」ことが多い(参照)。これは UN Women(国連女性機関)が主導する運動なのだから、こうした意味合いが強いのは当然だ。

無意識的な部分まで含めた男性優位の社会通念を崩していこうということなのだと理解すれば、「ほかで言いなよ」みたいなコメントはできないはずなんだよね。

さらに「暴力は性別関係なくダメです」といった当たり前すぎるコメントにしても、これがポストされたのが「女性に対する暴力撤廃の国際デー 」という特別な日ということを考慮すれば、ちょっと無粋なものになってしまう。

「もっと言うべき国あるでしょう」とか 「それ、日本語でポストする意味ってあんの?」、「イスラム教の解体の事ですね!」、「グローバリズムの手先」といったコメントもかなり多い。日本は手が汚れてないというような安直な思い込みから発するのだろう。

これらのコメントは、実態を知らないからこそ言えることだ。実際にはまさしく「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の日付で報道された ”駆け込み寺「人もお金も足りない」=性暴力相談右肩上がり、現場悲鳴” という時事通信の記事に飛んで見るだけで、日本でも問題山積なのだとわかる。

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ちなみに ”The fall of the patriarchy” というフレーズだが、決して目新しいものじゃなく、UN Women は 2年以上前の 2021年 9月にも使っている(参照)。

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最近ではいろいろなデザインで Tシャツにも使われているし、既に結構な広がりを獲得しているようなのだね(参照)。

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Tシャツの胸の文字は、いずれも

"My Favorate Season is The Fall of Patriarchy"

やっぱりここは英語のまんま、世界的に重要な意味を持つフレーズとして理解しておこう。

 

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2023年11月28日

ディズニーランドって、ちょっと特別な場所なのかも

ミッチーさん という方の ”私がディズニーランド/シーに行かないのはディズニーに興味がない、というかディズニーが苦手だからなのだが「ディズニーが苦手」ってなかなか理解してもらえないんだよな” という tweet が、妙に関心を集めて、多くのコメントであふれかえっている(参照)。

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続けて「遠回しにビンボーなの? みたいな反応されるんだが、いちいち説明するのもだるい。なんで苦手なのかを説明するのもめんどくさい」なんて書かれていて、私としては「うん、気持ちわかる!」と言いたくなってしまったよ。

ちなみにミッチーさんはまったく行ったことがないわけじゃなく、自らのコメントによれば娘さんたちの付き添いで「ランドに1回、シーに1回、計2回」行かれたようだ。なかなか立派なものじゃないか。

私なんか 3人の娘の幼稚園時代に「ディズニーランドへの遠足」に 3回ともパスして妻に任せてしまったから、正真正銘 1度も行ったことがない。ほかのところに行く遠足には、ちゃんと有給休暇を取って付き添ったことがあるのに。

この件では 19年前に書いた「香港のディズニーランド」という記事に、若い女性との会話でディズニーランドに行ったことがないと白状したところ、「ウッソー!、それでも人間ですか?」と言われたという話を書いている。ディズニーランドに行ったことがないと、人間扱いしてもらえないようなのだ。

ただ、ここまで極端な反応が誘発されてしまうまでに、ディズニーランドというところはちょっと特別な場所のようなのだ。これは確かにいろいろな意味でスゴいことだと思う。

最後に念のため付け加えておくが、私はディズニーの全てに興味がないというわけじゃなく、Scrooge McDuck (アンクル・スクルージ)あたりなら楽しめたりしちゃうので、よろしく。

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2023年11月27日

「パスワードが期限切れ」なんていうアヤシいメール

「あなたのパスワードは今日期限切れになります !!」なんて Nifty の名を騙った迷惑メールが届いていたことに、昨夜気付いた。自動で「迷惑メール」フォルダに振り分けられていたので、そのまま知らずにいてもどうせ数日で消えるのだが、幸か不幸か気付いてしまったので話のタネにさせてもらう。

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こうした「あなたのパスワードが期限切れに・・・」といったスパムメールは Nifty に限らず、多くのサービスを装って発信されているようで、ちょっとググるだけでかなり多くがヒットする。こんな感じだ。

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当の Nifty も今月 22日付で、「@niftyをかたるメールにご注意ください」と警告を発している(参照)。

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そもそもパスワードというのは時々変更する方がセキュリティのためにいいとはいえ、「期限切れ」になるなんて聞いたことがない。しかも突然「今日期限切れになります」なんて乱暴すぎる話は、あるはずがないじゃないか。

紹介した Nifty のページでは、次のように注意が呼びかけられている。

このたび、お客様のメールアドレス宛にニフティをかたるメールが送信されております。

このようなメールに記載されたサイトにアクセスすると、悪意ある第三者により重要な個人情報が盗まれ、悪用されるおそれがあり大変危険です。

そもそもこうしたメールは、ちょっと発信元を確認すれば妙ちくりんなアドレスが記されているから、決してプロバイダからのものじゃないと気付くはずだ。私のところに来たメールも ”toasoan@kongdankhuyenhoc.vn” なんて、アヤシ過ぎるアドレスから発信されている。

ちなみに "vn" というドメイン・ネームはベトナムを示しているわけだが、これは知る人ぞ知る「世界で最も危険なドメイン」である(参照)。見慣れないアドレスからのメールは、とにかく信用しちゃいけない。

しかし中には、まんま信じてあっさりと指定されたリンク先に行き、自分のメルアドやパスワードを正直に入力しちゃう人もいるようなのだ。そういうことがあるから、悪徳業者が味を占めてしまうのだね。

 

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2023年11月26日

日本人の英語力低下は、英語の歌をやらないからさ

1週間以上前のニュースで恐縮だが、日本経済新聞の「英語力、日本は過去最低の87位 若い世代で低下目立つ」という記事が気にかかってしまった。

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ところがアクセスしてみるとどうでもいいほど素っ気なくて、要するにこんな話だ。

世界的な語学学校運営企業の EF エデュケーション・ファースト(スイス)はこのほど、英語を母国語としない国・地域について 2023年の「英語能力指数」ランキングを発表した。日本は過去最低の 87位。若い世代の英語力低下が目立った。

「これって結構ヤバいじゃん!」と詳細なレポートを探してみたところ、この調査の実施団体である EF EPI(EF English Proficiency Index)の「第2023版 世界最大の英語能力指数 ランキング」というページが見つかった。ここから、全体的なレポート日本の結果のファクトシートなどにアクセスできる。

全体的なレポートでは、サマリーとしていくつかの項目が挙げられているが、今回気になるのは次の 2点だ。

  • 複数の地域で若年層の英語能力の低下
  • 東アジアの英語離れが継続か

「若年層の英語能力低下」という問題は、多くの地域でコロナ禍による一時的な現象とみられているが、日本の場合はそんな生やさしいものじゃない。下の画像のように 18-20歳、21-25歳 の年齢層で 10年以上にわたり低下傾向が顕著で、とくに大学受験生が含まれる 20歳以下が悲惨だ。

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(クリックで拡大表示される)

日本の英語力は順位面で落っこち続けているだけではなく、得点面でも低下しているようなのである。

また「東アジアの英語離れ」に関しては、「より広範な政治的および人口統計学的変化による影響や、教育における西洋文化の覇権を疑問視する人々が増えていることも一因」とされている。何に気兼ねしてかずいぶん奥歯に物の挟まった言い方だが、中国での低下ぶりはどうやら日本ほどじゃない(参照)。

さらに香港は、私の出張体験からしても英語がよく通じる地域との印象があり、ここ 10年ほどの傾向としてもさらに英語力がアップしている(参照)。近い将来の「香港脱出」を覚悟して、語学能力を鍛えている層が多いんじゃなかろうか。

とにかく日本の英語力低下は断トツ気味に目立っており、マスコミの言う「日本の国際化」なんて幻想で、実際は思いっきり「ガラパゴス化」しているとわかる。身近なことで言えばハリウッド映画でさえ、BS で日本語吹き替え版を観る連中が多いらしい。これって、私には信じられないことだ。

さらに最近の若い連中はいわゆる「洋楽」にあまり親しんでいないようだし、ましてや Bob Dylan をそらで歌えるとか、聞いて意味を解するやつなんて見たことがない。

例えばこれとか

これとかね。

本日の記事のタイトルは「日本人の英語力低下は、英語の歌をやらないからさ」と、その気になればツッコミどころたっぷりのタイトルにさせてもらったが、個人的には実感たっぷりなのである。本当に最近の若い子たちって、本場米国のロックや R&B を知らない。

私の若い頃は「まともな音楽」をやろうとしたら アメリカン・ミュージックをコピーするのが近道だったから、バンドをやるにしても、まずは「英語の歌」から入ったものだ。しかし最近の連中は「アヤシげなカタカナ言葉」満載の ”J-Pop" とやらしかやらないみたいなのだね。

これじゃあ、英語の必要性も薄くなるというものだ。ただ実際のところは「英語力」に限らず、「言語力の低下」が問題にされなければならないレベルなのかも知れないね。

 

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