2024年10月 4日

「新 1万円札は祝儀に不適切」という驚きの新マナー

誰が言い出したのか知らないが、「新 1万円札は結婚式の祝儀に適さない」ということになっているらしい(参照)。肖像に使われている渋沢栄一は愛人を妻と同居させるなどしていたため、「不貞を連想させる」として、結婚式の祝儀には福沢諭吉の旧札を使うのが「マナー」だというのである。

あまりの馬鹿馬鹿しさに「そんなことはよっぽどのヒマ人しか気にしないだろうよ」と思ったのだが、記事はさらに続いてこんな驚くべき展開となる。

式場探しサービスを行う会社による調査では、渋沢栄一の新紙幣をご祝儀に使うことに対して、およそ 3割もの人がマナー違反だと感じているという驚きの結果になりました。

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「はあ !?」である。いやはや、世の中のおよそ 3割は「よっぽどのヒマ人」のようなのだ。

こんなような話から思い出してしまったのが、「謎ルール」というヤツである。中でも学校というところはこの「謎ルール」の宝庫で、昨年 2月には "雪が降っても「ジャンパー着るな」の指導に呆れた" という記事を書いたことがある。

広島市内で雪が降って気温が氷点下 4.3℃ まで下がった日に、ジャンパーを着て登校した小学生が校門で見張っていた教師にそのジャンパーを脱がされ、風邪を引いてしまったという話である。校門で見張っていた教師は「よっぽどのヒマ人」というだけでなく、「頭までおかしいヤツ」である。

幼稚園、保育園というところも謎ルールに溢れているようで、"驚愕の実例 幼稚園・保育園の「謎ルール」 約半数の先輩ママたちが「ある」と回答" というページにはこんなようなのが載っている(これだけではなく、もっといろいろある)。

  • 手作り信仰がある。ランチョンマットとか巾着は市販品がダメなど。手作りにすることで子どもが大事に使うだろうというのが理由。
  • 支払い関係が銀行支払いとかでなく、現金を子どもに預けて渡すスタイル。
  • お弁当のごはんは白米で平盛り(おにぎり不可)。お箸のみOK(補助箸やスプーン、フォーク不可)。
  • 先生によって「海苔はパラパラしてはダメ、巻いて食べろ」「パンはちぎって食べない」「納豆はごはんにかけない」など給食に厳しいルールがあるらしい。

さらに職場にだって少なくないというのだから厄介である。こちらのページに職場のくだらない謎ルールの数々が漫画形式で山ほど紹介してあるのだが、一人でランチに行くのはダメという会社もあるらしい(参照)から、天を仰いでしまう。

要するにこうした「謎ルール」は日本中にあるということで、これはとりもなおさず日本中に「よっぽどのヒマ人」が存在する証左である。放っておくと今回の記事の「祝儀に包む渋沢栄一関連」みたいなのがどんどん増えていってしまいそうで、考えるだに恐ろしい。

ただ、将来的に流通する紙幣が新紙幣ばかりになって福沢諭吉の 1万円札が手に入らなくなったら、樋口一葉の 5千円札を包むことにすれば結構な節約になる。

 

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2024年10月 3日

区域と時間帯限定での「路上飲み禁止」は生ぬるい

東京・渋谷駅の周辺で、一昨日から夜間の路上飲酒が年間を通して禁止ということになったんだそうだ。ただ禁止となるのは限られた区域内で、さらに時間も限定だから 朝 5時から夕方 6時までは大っぴらに飲んでも構わないらしい。

路上での飲酒全般が違法という国が多いという常識からすれば、ずいぶん「生ぬるい」規制である。こんな具合だから、「路上飲みは日本の文化」なんて妙なことを言い出す人が出てくる(参照)。

とくに最近はハロウィーンや大晦日の渋谷駅周辺での馬鹿騒ぎが話題になり、「日本では路上で大っぴらに酒が飲める」という話が外国人にまで広まって一種異様な雰囲気になってしまった(参照)。それで当初は、ハロウィーンと年末年始に限って路上飲酒が禁止されたものと記憶する。

ところが最近は年がら年中目に余る状態になったので、「通年禁止」ということになったようなのだ。対応が遅いと言えば遅すぎるし、罰則もないので実効性という点でも疑問が残る。生ぬるいにも程がある。

路上飲みが「日本の文化」というのは言い過ぎだが、日本が路上飲みに寛容すぎるというのは明らかだ。さらに言えば、公共の場でぐでんぐでんに酔っ払ってしまうことにも寛容すぎる。酒に関する「お恥ずかしい話」が、日本ではなぜか「ご愛敬」として大目に見られてしまいがちなのだ。

日本人が酒の上での醜態に寛容であることの理由は、一緒に酒を飲んで「罪のない共犯関係」を構築したがる意識にあるのだと思う。ズブズブの「運命共同体」を作り、もたれ合って安心したいのだ。

もっとも「罪のない共犯関係」というのは日本だけのことで、諸外国では「実際の罪となる共犯関係」となってしまうことも多い。ニューヨークなどでは路上で栓の開いた酒瓶を持っているだけで罰金を取られたりするほどだから、「酒」というものの捉え方がかなり違う。

日本でもそろそろ、こうしたことをシリアスに考え直さなければならないだろう。はっきり言って路上飲みは「終日禁止」にすべきだし、それを渋谷だけでなく多くの都市に広げてもらいたい。路上で酒を飲めなくても生活には何の差し障りもないのだから、ためらう理由はないだろう。

極端に聞こえるかも知れないが、「花見」などでの飲酒も例外にすべきではないと思う。花見シーズンの早朝に桜の名所と言われる公園などに行ってみれば、目を覆うほどのゴミの山に驚いてしまう。人間、集団で酔っ払ってしまうと行動に責任を取れなくなってしまう。

どうしても花見と酒をセットにしたかったら、桜を見たその足で飲み屋に行けばいいし、飲み屋が満席だったらさっさと帰って家で飲めばいい。。

 

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2024年10月 2日

「夕刊フジ」が休刊 - 活字と紙の媒体は衰退期?

産経新聞社が「夕刊フジ」を、来年 1月 31日発行(2月 1日付)をもって休刊すると決定したのだそうだ(参照)。このタブロイド判夕刊紙、私が勤め人時代は帰りの電車内で多くの人が読んでいたものだ。

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最近の通勤電車は廻りを見渡すとほとんどの人がスマホに見入っていて、紙の新聞を広げている人なんてほとんどいない。ということは、Kiosk でも新聞はあまり売れなくなっているのだろう。

ただでさえ売れない上に、新聞用紙の値上がりなどもあって利益を出すのが困難になってしまったらしい。夕刊フジだけでなく、日本経済新聞社が発行していた日経産業新聞も、今年 3月 29日付で休刊している。活字と紙による新聞という媒体は、既に衰退期に入っているようなのだ。

カフェなどで客が自由に読めるようにカウンターにいくつかの新聞を並べているところがあるが、ざっと見たところ、それらの新聞をテーブルに広げて読みふけっているのは 70歳代後半以上、つまり「団塊の世代」より上の高齢者しかいない。

このブログの「ジイさんはガラケーだが、バアさんは LINE ユーザー」(今年 3月 31日付)という記事で書いたように、高齢の男性はデジタルにからきし弱い層である。同じ高齢者でも女性は LINE で娘とやり取りしたりしているが、男性は今でもガラケーがかなり多い。

彼らの多くは「パソコンなんか押しつけられる前に停年になって助かった」と思っているのだから、今さら PC はおろかスマホにだって触れたくない。ただ、情報に取り残されたくはないと思っているようで、新聞は読みたがるわけだ。

とはいえ定年をとっくに過ぎているので、勤め帰りに Kiosk で夕刊フジを買うなんてことはない。そんなわけで、タブロイド判夕刊紙は有力な読者を失って久しいのだ。そうなるとネット版の "zakzak" も継続が困難になるから、更新を中止するというのもしかたがない。

この先、団塊の世代以上の高齢者が世の中からいなくなったら、夕刊紙だけでなく大判の朝刊だって今以上に読者が激減する。新聞は今後どのような形に姿を変えるべきなのか、真剣に検討しなければならないだろう。

 

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2024年10月 1日

世界はきな臭いが、米国と日本が踏ん張らなければ

首相に指名された石破氏は、早々に国会を解散して総選挙をするんだそうだ(参照)。「自民党、かなりヤバくなってる」という気はするが、ここで議席を大幅に落としたりなんかしたら石破首相の責任問題となり、高市早苗が台頭してしまいかねない。一応頑張ってもらわないと、世の中がきな臭くなりすぎる。

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今さらみたいに言うが、石破氏が総裁選挙に勝ったのは、高市、小泉を加えた 3人の中では一番「まとも」なのだから順当な結果としか思われない。ところがいきなり株価が暴落してしまったというのは、日本の経済に大きな影響を与える層には、彼は決して歓迎されてはいないということなのだろう。

YouTube では高市待望論者としか思われない連中が石破氏の総裁就任演説に罵詈雑言コメントを浴びせているし、高市本人も人事で「党内融和」に背を向けるどころか「党分断」みたいな姿勢を見せている。状況はかなりきな臭い。

世界を見れば、欧州では極右や右派が拡大している(参照)。米国でもトランプがあちこちでボロを出しながらもそれなりの人気を得ているのだから、世界はポピュリストを支持する方向に向かっているのだろう。

ここで石橋政権が短命に終わって高市政権なんかに変わったりしたら、きな臭さが「焦げ臭さ」ぐらいに強くなってしまう。日本と米国で何とか踏ん張らなければ、世の中おかしくなってしまいそうだ。

 

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2024年9月30日

「ヘクソカズラ」とか「イヌフグリ」とか

ようやく猛暑から解放され始め、庭で少々動いても熱中症でダウンなんて心配がなくなったので、これまで手の付けられなかった雑草取りを始めている。何はなくとも、庭木の表面を覆い尽くすまでにのさばっている「ヘクソカズラ」ってやつを引っぺがさなければならない。

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(左 2枚がヘクソカズラ、右 2枚がイヌフグリ)

それにしても「へクソカズラ」という名前は、付けも付けたりという気がしてしまう。葉を潰すと強い悪臭を放つことから「屁糞葛」の名が付いたというのだが、フツーに処理している分にはそんな臭いに悩まされることはないがなあ。

ちなみにこの「ヘクソカズラ」、蔓性の植物なのでどこか一箇所を捕まえて力任せに引っ張ればズルズルズルっとまとめて剥がれてくる。夏の初めに増える「イヌフグリ」みたいに地面から 1本ずつ引っこ抜かなければならないのと違い、まだ楽と言えば楽だ。

ついでに出てきてしまったが、「イヌフグリ」という名称もひどいと言えばヒドい。正式(?)には「イヌノフグリ」というらしいが、実の形が雄犬の「フグリ」(陰嚢)に似ているから付けられたという。花は可愛らしいといえば可愛らしいので、気の毒な名称としか言いようがない。

我が家の庭の「ヘクソカズラ」は、そんなわけで割と楽に取り除くことができたが、大変なのは「葛の葉」である。近頃周辺ではこの葛の葉がはびこりすぎるほどになっていて、街路樹のてっぺんまで覆い尽くされてしまっている。下の画像は一昨年 10月の和歌ログだ(参照)。

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角度によっては、街路樹ではなく土手があるんじゃないかというぐらいに見えてしまう。米国のケンタッキーでは日本から入ってしまった葛の葉に覆い尽くされてしまった村から、住民が脱出に追い込まれるということすらあったらしい(参照)。

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ここまで行かないとしても、近年は猛暑のせいか葛の葉とヘクソカズラの繁殖がすさまじくて、対応が大変なことになってしまっている。

 

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2024年9月29日

セブンとセブイレ、さらにスカツリ、いたせり、絞り染め

日本でコンビニが急速に拡大し始めた 1980年代頃、私はセブンイレブンのことを略して「セブイレ」なんて呼んでいたのだが、周り中が「セブン」と言うようになったので引っ込めてしまった。しかし大阪に出張すると「セブイレ」という人が実際にいて、ちょっと嬉しくなってしまう。

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改めてネットで検索してみると「ソトコト」というサイトに "「マック」か、それとも「マクド」か? 関東と関西でこれだけ呼び名が違う 5選" というページが見つかり、「セブンとセブイレ」という項目の中に "関西では「セブイレ」と呼ぶ人もいます" とあった。うむ、やっぱりこれもありだよね。

「マック」が関西では「マクド」になるというのは関東でも結構知られているが、「セブイレ」の方はほとんど認知されていない。私は「マクド」とはさすがに言わないが、「セブイレ」では関西センスに共鳴してしまう。

ちなみに「呼び名が違う 5選」の残り 3つは、「ファミマ と ファミ⤴︎マ」「USJ vs ユニバ」「ケンタ と ケンタッキー」なのだそうだ。確かに「ファミマ」は関西ではアクセントが違うようだ。私的には以前「ファミリマ」なんて言ってたけどね(「マ行」が続くよりこの方がスルッと言いやすい)。

私は家族に「お父さんの言葉の略し方、独特だよね」なんて言われることがある。確かにそうかもしれない。何しろ「東京スカイツリー」は「スカツリ」と略されるものと信じていたのだが、誰もそう言わないので我が家独特の省略語になってしまった。

ついでに言うと、「いたせり」というのも我が家独特の言い回しで、「至れり尽くせり」の省略形である。「いやぁ、『いたせり』のサービスだったよ」なんて言ったりするのだが、ほかではまず通じないだろう。

さらに究極の我が家語は、「息も絞り染め」というやつだ。そのココロは「息も絶え絶え」で、江戸っ子は「絶え絶え」を「たいだい」と発音することから、「タイダイ(tie-dye:絞り染め)」に引っかけたものだ。これは私の妻も結構気に入ってくれている。

言葉ってやつは、結構遊べるものである。

 

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2024年9月28日

初めて「何を言ってるのかわかる」自民党総裁就任会見

昨日の午後、石破氏の自民党総裁就任記者会見の模様をラジオで聞きながら、妻と「生まれて初めて『何を言ってるのかよくわかる』自民党総裁会見を聞いてる気がするね」と話していた。「脈絡のある内容をきちんと筋立てて『他者』に伝える」という意識を感じたのである。

これまでの自民党総裁就任スピーチからは、「脈絡のある内容」なんてあまり感じられなかった。総裁として選んでくれた党員たちを持ち上げ、おだて上げ、続いて党内の「融和」みたいなことを唱え、「世界の情勢は厳しいけれど、一所懸命やります」で結ぶ「定型」がほとんどだった。

要するに彼らは、「自民党総裁になり、日本国の首相になる」ことが目的だったので、それが果たされただけで舞い上がり、それから先のことを筋道を立てて述べることなんてどうでもよかったみたいなのである。

ところが石破さんは、「首相になる」ことが至上命令じみたものではなかったようで、「お世話になった〇〇先生、△△先生・・・」を延々と述べ挙げて義理を果たすみたいなことではなく、「たまたまなってしまったからには、そこから先のことを述べなければ」みたいな意思を感じさせるものとなった。

まあ、こんな姿勢だからこれまでは総裁選に立候補しても当選できなかったのだろうが、今回は党内の情勢も変わってしまったので「フツーだったら総裁になんか選ばれない人」が選ばれてしまったとも言える。世の中、何が幸いするか知れたものではない。

というわけで、ちょっと異例のスピーチだったと思う。話の内容に関しては全面的に賛同するというわけではないが、これまでの「首相としての方法論」とはちょっと違った手法をとる人なのではないかと、注目したい気持ちになったのである。

あるいは、このスピーチを聞いたのがラジオだったのがよかったのかもしれない。これがテレビだと、当人も「目つきが悪いから・・・」と自認しているように見た目の印象が落ちてしまうので、ここまでまともに聞けなかった可能性がある。

というわけでテレビでこのスピーチに接した人の多くは、ここまでプラスのイメージを持たなかったかもしれないが、少なくとも私は「ちょっと期待していいかも」と思った。これが「買いかぶり」にならないように期待する。

ちなみに動画を見て初めて気付いたのだが、石破さん、ほとんど原稿なしでスピーチしてるのは流石だよね。テレビで見てもこの点に気付かない人が多かったというのは、本当に不思議だなあ。

 

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2024年9月27日

そりゃ、東洋の果ての万博なんて誰も知らないさ

産経新聞に "「ミャクミャク」東欧で酷評 「ゾンビ」「モンスター」 万博開催も認知されず" という記事がある。ポーランドの首都ワルシャワの街を行き交う人々に「2025年大阪・関西万博が開催される事実を知っているか」と尋ねまくったところ、誰も知らなかったんだそうだ。そりゃそうだろう。

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東洋の果てで開かれる万博なんて、ヨーロッパ人はフツー誰も知らない。逆に考えて、ヨーロッパのどこかで万博が開かれることになっても、日本人のほとんどは興味を持たないし知ろうともしないだろう。同じことである。記念にエッフェル塔が建てられたパリ万博(1889年)の時代じゃあるまいし。

大阪万博なんて日本国内でさえ注目が低いことは、当ブログでも今年 2月に「大阪万博って、すっかり "アウト・オブ・トレンド"」という記事で触れ、「何とかいう名の公式キャラとかも、かなり違和感たっぷりだしね」と書いている。何もワルシャワの街で反応を探るまでもない。

記事にはこの公式キャラについて "「ゾンビ」「モンスター」などと、あまり好意的とはいえない反応ばかりが返ってきた" とあるが、当然である。何しろ日本国内でも決して評判がいいわけじゃないし、私はこの記事を読むまで「ミャクミャク」という名前すら知らなかった。

日本国際博覧会協会は各国のイベントでプロモーションしているようだが、ただでさえ会場建設で馬鹿馬鹿しいほどの大金を使っているのだから、これ以上無駄遣いしない方がいい。この公式キャラを見て「日本に行って見よう」なんて思う人がいたら、お目にかかりたいほどだよ。

 

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2024年9月26日

「カフェでお仕事」・・・ ムチャクチャな長居は禁物

「カフェワーカー」(「カフェの従業員」ではない)という妙な言葉を初めて知った。【「カフェでお仕事」コーヒー 1杯で "長居" 問題に店が悲鳴 「8割がカフェワーカー」の切ない現実】という AERA dot の記事がきっかけである。

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「店が悲鳴」というのは数時間にわたって席を「占拠」して仕事をするためだが、それだけに彼らとしても「肩身が狭い」と感じてはいるようだ。それは「カフェワーカー」だけではないらしく、記事には "カフェで「風当りの強さ」を感じているのは、仕事民も勉強民も同様だ" とある。

ちなみに「仕事民/勉強民」という言い方にも驚きだ。昔は家の外で勉強したかったら図書館に行ったものだが、今の学生はずいぶん贅沢になったものである。ただ夏休みが終わってしまった今は、「仕事民」の方が圧倒的に目立ってしまうのだろう。

私もコーヒーショップで MacBook Air を開いて仕事をすることが時々ある。しかしそれはたいていの場合、外出先での空き時間を利用したもので、滞在時間はせいぜい 1時間ほどのものだ。仕事をするためにわざわざコーヒーショップに行くなんて、そもそも考えたこともない。

ところが AERA dot の記事の冒頭に登場する男性にとってのカフェはほとんど「仕事場」みたいなもので、コーヒー 1杯 420円でおよそ 4時間過ごすという。さらにケーキをプラスして 10時間滞在することもあるという大物(?)女性も紹介されている。ここまで長居されたら、店はたまらないだろう。

記事に登場する東京西新宿の店は、「現在、カフェワーカーに占拠されたといっていい状態だ」という。客席が 15席しかないため、昼過ぎから閉店までコーヒー 1杯で粘られては経営を圧迫する。そこで値上げを検討し始め、「よかれと思って設置した」電源コンセントも取り払った。

こんなことでは「常識外れの長居」は店だけでなく、結局のところ客にとっても不利益になる。とくに私のような「ちょっと 1時間ほど」という客には、とんだとばっちりだ。

記事は「これからカフェで仕事をするときには、なるべくケーキも追加で頼もう。そう思った」と結ばれているが、私は滞在時間 1時間ほどでも、前からそうしているがなあ。

ちなみに昨年秋に紹介した 「珈琲屋 OB」(全席電源コンセントあり)のホットケーキはおいしい。

 

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2024年9月25日

トランプを支える "asshole" (ケツの穴)人気

昨日の記事 "トランプ選挙集会ルポに見る米国の「アブナい一面」" で、トランプの演説集会に集まった聴衆の「トランプ は『俺らの嫌なヤツ』なんだ」という発言の「嫌なヤツ」というのは、英語の定番悪態の一つ、"asshole"(ケツの穴)を苦し紛れ(?)に訳したものということに触れた。

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私としては当初、この発言が「たまたまひょいと」口をついただけなのだろうと思ったのだが、実はそうじゃなかった。「トランプ = asshole」というのは、米国では彼の支持者たちの間でさえ広く賛同される「定説」みたいなものだったのである。それで、上のような Tシャツまで売れているというわけだ。

こんなような感覚的な話は、マスメディアのニュースからは伝わってこない。TV ニュースのアナウンサーが「トランプは嫌なヤツ」とか「ケツの穴」とか言えるわけがないので、素通りされてしまうのだ。しかし世の中で重要なのは、こうした「素通りされがちな底流的情報」なのである。

こうした妙にねじ曲がった人気というのは、南部を中心とした保守層が「これまで大っぴらには口にできなかった自分たちの率直な気持ちを話せる空間を、トランプが作ってくれた」と感じていることに発する。「自分たちの気持ち」というのは、要するに人種差別的で性差別的な思いだ。

米国ではニューヨークなどの都会を中心としたリベラル派が、人種差別や性差別を「過去の忌まわしい慣習」として葬り去ろうとしている。ところが南部などでは世の中のそうした動きに反発し、苦々しく思っている保守派が少なくないというわけだ。

トランプは、そうした「綺麗事ばかり言ってんじゃねぇよ!」という保守派の思いを堂々と代弁している。あんなメチャクチャなオッサンがどうしてこんなに人気があるのかという理由は、まさにこれのようなのだ。

トランプの "asshole" さ加減については、反対派は当然ながら文字通りの意味で語っている。下の画像の旗は、それをトランプ支持派が大好きな "MAGA" というキャッチでパロっているものだ。

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"MAKE AMERICA GREAT AGAIN"(アメリカを再び偉大に)ではなく、"MAKE THE ASSHOLE GO AWAY" (あのケツの穴を追っ払え)というわけだ。

ただ、「トランプは asshole だ!」と攻撃しても「おぉ、その通りだよ!」と応じられてしまうのだから、ちょっとやりにくい。困った話である。

昨日の記事でも触れたように、2018年にはメキシコ元大統領に「トランプの口は世界一汚いケツの穴だ」とまで言われてるのだが、これはトランプ自身の「アフリカやハイチなどの "shithole plase"(クソの穴のようなところ)からの移民」という悪態への反撃として発せられたものと見られる。

いやはや、トランプ自身の口から発せられると、 "asshole" より汚い "shithole" なんていう言葉になってしまうようなのである。

 

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2024年9月24日

トランプ選挙集会ルポに見る米国の「アブナい一面」

HUFFGPOST に "トランプ選挙集会の本当の姿を見た。大手メディアが報じない「動き」は演説が始まる前に起きていた【米大統領選2024】" というとても興味深い記事がある。コンピューター科学者 Jen Golbeck さんの寄稿によるものだ(元記事は こちら)。

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Golbeck さんは、フロリダ、ペンシルベニア、ウィスコンシン、イリノイ 4州で開催されたトランプの選挙集会を訪れた。 "MAGA"(Make America Great Again: アメリカを再び偉大に)信者たちが物事をどのように見ているか知るために、対面で直接話してみたのだという。

それらの選挙集会は入場無料で、上の画像からもわかるように異様な雰囲気が漂うものだったようだ。ロック音楽が鳴り響き、金ぴかのベンツが並び、"Trump" や "MAGA" と書かれた旗があちこちにはためき、ストリートパフォーマーたちがトランプをテーマにした見せ物を披露している。

参加者の多くはクーラーボックスで持参したビールで、昼からできあがっている。露店がたくさんあって、MAGA 帽子や Tシャツ、トランプのぬいぐるみ、ボタン、宝石、靴、小物などが売られている。これでは選挙集会というより「お祭り騒ぎ」と言う方が適切だろう。

こんな調子なので、トランプの演説は夕方からだが「本当の動き」はそれが始まる前の方がよく見えたという。Golbeck さんは「お祭り騒ぎ、コミュニティー、反抗、暗黒が一緒くたに混ざり合っています」と表現している。

しかし参加者へのインタビューを試みると、「一部の例外を除いて、みんな礼儀正しく、友好的で、熱心に話しかけてきてくれます」とある。中でも面白いのは次のやりとりだ。

「トランプって嫌なヤツかって?その通りだよ。でも、トランプは『俺らの嫌なヤツ』なんだ」(この記事の末尾参照)とそこにいた男性の1人に言われました。すると、周りに人たちも一斉に頷き、この男性に賛同しました。

自分たちの気持ちを話せる空間をトランプ氏が作ってくれたと称賛します。自分たちの気持ちというのは、トランプ氏が現れる前までは公共の場で口にすることが憚られた人種差別的で性差別的なヘイトスピーチのことを指しています。

この感覚はかなり重要だ。これこそトランプ人気の本質で、要するに彼は「嫌なヤツらのヒーロー」なのである。

というわけで、トランプが再選されたりなんかしたら、米国の「アブナい一面」がどっと表面化してしまいそうなのである。

【追記】

参加者のインタビューにある「トランプって嫌なヤツかって?」というくだりは、原文では "Is he an asshole? Sure. But he’s our asshole”  である。 "Asshole" は「ケツの穴」なのだが、苦し紛れに「嫌なヤツ」と訳してしまったのだろう。

というわけで、この記事は奇しくも昨日の記事と「asshole つながり」になっている。(狙ったわけではまったくないので、よろしく)

【さらなる追記】

この関連で検索してみて初めて知ったのだが、米国では "Assholes: A Theory of Donald Trump"(Assholes:ドナルド・トランプ理論)という本まで出ていて、Amazon の紹介文には「トランプが asshole(ケツの穴=クソ野郎)というのは彼の支持者の間でさえ広く賛同されている説」とある。なるほどね。

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2018年にはメキシコ元大統領に「トランプの口は世界一汚いケツの穴だ」とまで言われてるし。

 

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2024年9月23日

親友を空港に置き去りにした "AITA"(あ痛!)な女性

産経新聞の昨日付に「空港に親友を置き去りにした女性 SNS投稿で批判殺到、友情巡る大論争に」という「変な記事」がある。海外旅行に出かけた 20歳の女性が親友を空港に置き去りにしたことを SNS に投稿したところ、批判コメントが殺到して大論争になったというのだ。

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記事によれば、女性 2人の予定していた乗り継ぎ便がキャンセルとなり、経由地のフランスで一晩過ごすことになった。この時、片方が「2人ともひどい目に遭うことはない」と、現地ビザのない親友を空港に置き去りにして、自分だけ近くのホテルに滞在したというのである。

ただこの記事、「どうもアヤシいな!」という直感があったので、元記事を探してみたところ、FOX NEWS の 21日付記事が見つかった。

"Woman is left alone in 'creepy' section of airport as 'best friend' heads for hotel"(「親友」がホテルに向かったため、女性は空港の「身の毛もよだつ」区域に置き去りに)というものである。

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さらに元ネタを探してみると、"reddit" という米国の SNS に "AITA for staying in a hotel while my friend was trapped overnight inside the airport?"(友達が空港で一晩囚われの身となってる間にホテルに泊まったのって AITA)という 20日付のスレッドが見つかった。

確かに多くのコメントがついているが、決して産経新聞の言うように「批判殺到」というわけではない。ソフトな反応やジョークで応じたものが多く、「そんな調子だと、友達失うよ」というのが批判として目立つ程度だ。「友情巡る大論争に」という見出しは、どう見ても大げさ過ぎる。

というわけで「やっぱりちょっとアヤシかったよね」と納得するまでは比較的楽だったが、問題は SNS タイトルの "AITA" という枕詞である。興味は俄然「AITA って一体何だ?」ということの方に移ってしまった。

いろいろ検索してみると、ありがたいことに英語勉強日記というブログに「【Reddit】AITAとは? 意味は? 何の略?【ネットスラング】」という記事があるのが見つかった。こんなように書いてある。

AITA = Am I The Asshole?

とても下品ですが真面目に解説すると、assholeが「尻の穴」「ゲス野郎」などの意味があります。

日本語で言えばAITAは「俺ってクソ野郎?」「私って最低?」という感じでしょうか。

いやはや、こんなネットスラングはちっとも知らなかった("asshole" は知ってたけどね)。つまり元記事は「友達が空港で一晩囚われの身となってる間にホテルに泊まった私って、最低のゲス女?」ということだったのだね。本人がちゃんと自覚しているのだから、もとより「大論争」にはなりようがない。

ちなみにこの "AITA"、日本でも「あ痛!」と置き換えて使えそうだ。

【9月 24日 追記】

この日の翌日付 "トランプ選挙集会ルポに見る米国の「アブナい一面」" という記事とは、奇しくも「asshole つながり」になってしまっているので、ご一読いただきたい。

 

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2024年9月22日

日本でも「たぬき汁」なんて食ってたらしいけど・・・

最近の研究成果で、新型コロナウィルスの起源が中国武漢市の市場にあったという説の信憑性が高まっているようだ。日本経済新聞も21日付で「新型コロナウイルスの起源、中国武漢市のタヌキか 米誌」と報じている。

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コロナの最初の症例が確認されたのは 2019年後半の中国湖北省武漢市でのことで、これは間違いない。しかしウィルスの起源については、次の 2つの説があった。

  1. 研究所流出説:関連するウイルスを扱っていた武漢の研究所から流出したというもの。
  2. 市場起源説: 地元の市場で売られていた野生動物からヒトに感染したとするもの。

コロナのパンデミックが問題になり始めた当初は、ニュースでも研究所流出説の方がもっぱら取り沙汰されていたので私もそれを信じかけていた。「まったく、中国の研究所はウィルスの管理もまともにできないくせに、アブナい研究なんかしてくれたもんだ!」と憤慨していたのである。

しかし最近では、科学者の多くが市場流出説を支持しているという。武漢市の市場ではタヌキや犬、ネズミ、ウサギ、ハリネズミなどの動物が食用として売られていたことが確かで、その中でも今回のウィルスの起源はタヌキの可能性が高いらしい。

日本でも昔話に「たぬき汁」なんてのが出てくるが、江戸の市場でタヌキが売られてたなんて話は聞いたことがない。21世紀の街頭でそんなものが売られていたというのは、さすが「足のあるものは机以外、何でも食べる」(参照)と言われる中国だけのことはある。

今回のパンデミックを境に、中国でも野生生物は市場から姿を消したといわれるが、他人事ながら願わくはその状態が続いてもらいたいものだ。

ついでに「移民がペットを食ってる」なんて言ってるトランプ一味(参照)にも、さっさと消えてもらいたい。あの連中は生魚すら扱ったことがないから、生きた犬や猫を捕まえて殺して捌いて、さらにその後始末をするのがどんなに大変で避けたい仕事かということが、想像すらできないようなのだ。

そんな頭の悪さだから、いい年して馬鹿馬鹿しいデマを恥ずかしげもなく言いふらすのである。

【同日 追記】

今どきの「たぬき汁」は、タヌキの肉の替わりにこんにゃくを使うことが多いので、給食でも「たぬき汁」という名のこんにゃく汁が出たりするようだ(参照)。メニューだけ見たら、一瞬ビックリである。

 

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2024年9月21日

乗務員の水分補給にクレームを入れるやつ

下の画像は、エアなりィ さんという方の tweet(参照)に使われた写真の一部である(オリジナルはもっと縦長)。JR 電車の乗務員室との境のガラスに「熱中症予防のため乗務員室内で水分を補給することや、マスクを外して業務を行うことがあります」と表示してある。

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エアなりィ さんは「しょうもない事でクレーム入れる奴がいるからこんなお知らせ文があるんやろなぁ」と tweet しておいでだ。私としてもまさに同じことを思ってしまったよ。

「乗務中に清涼飲料水なんか飲んでる」なんてクレームを入れるやつがいるのだね。「本当にヒマなやつだなあ」「自分を何様と思ってるんだ」と言うほかないが、わざわざこんな「お知らせ」を貼り出さなければならないほどだから、そんなやつが決して少なくないんだろう。

そんなようなしょうもないクレームをわざわざ入れるって、どんなメンタリティをしてるんだろう。「勤務中は何も口にしちゃいけない」と信じてるのだろうが、そんな基準を他人にも当てはめてクレームまで入れるというのは、よっぽど思い込みが強くてマメな性格なのだろうね。

そしてそんなクレームを入れて、「自分はしかるべきことをした」と満足するのだろう。だから電話の対応で「熱中症予防のために水分を摂ることがあります」なんて説明されても、「水ぐらい、乗務する前に飲め」とか「飲むにしても清涼飲料水は避けるべきだ」なんて言うに違いない。

乗務員が水分補給を我慢しても乗客には何の得にもならないし、むしろ熱中症になんかなられたら命の危険すらある。そんなことも顧みずクレームを入れたがる客というのは、リスクなんて考えずにひたすら「お堅い精神論」の方を重視するんだろう。

と、ここまで考えてもやっぱり、「本当にヒマなやつだなあ」「自分を何様と思ってるんだ」と繰り返すしかない。

 

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