2025年1月16日

日本では自民党以外を支持しても「見返り」がないから

NHK が 1月 14日付で "政党支持率「特に支持している政党はない」37.8% NHK世論調査" という記事を報じている。支持政党のトップはいつもの通り自民党で 30.5%。あとは全部 1ケタかそれ以下で、最多回答が「特になし」の 37.8% というのもいつもの通り。

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思うに、国民の意識にある「政党支持」というのは、「見返りが期待できる」ということなんじゃなかろうか。とくに自民党支持者に関しては、そうした意識が大きく、大小零細までの企業経営者、農業従事者などは、自民党政権が続く限り多かれ少なかれ恩恵を受けることができると信じている。

ところが自民党以外の政党というのは、支持したからといって大した見返りが期待できない。せいぜい「自民一強」では具合が悪いと思う層が、対抗勢力を形成したいという意識で野党に票を投じているだけだ。

というわけで日本の有権者は、ほぼ 3分の 1 が「自民党と利害が一致する人たち」で、それ以外の 3分の2 は「どの政党を支持しても得にならない人たち」ということになる。彼らの多くは「政治から見放されてる」と感じているので、当然ながら自分も政治を見放すわけだ。

その昔は社会党というのが労働者の利益を代表するみたいに言われていたが、結局のところイデオロギーの方が勝っていたので分裂消滅してしまった。そのさらに昔、「保守合同」(1955年)で自由党と民主党が合同して今の自民党になったわけだが、こっちの方はしっかりと続いている。

やっぱりイデオロギーより利害の方が現実的に強いってことが如実に証明されている。早く言ってしまえば、日本の政治がまともになるためには、自民党以外に「有権者に現実的な利益を誘導できる政党」が生まれなければならないってことだ。

取りあえず立民か国民のどちらか、あるいは両方が、英国のトニー・ブレア以後の労働党のように都市労働者に利益を与えられる現実的なプログラムを打ち出すことができれば、日本の政治ももっと争点が明確になって活性化するだろうにと思うのだが、彼らにそんな才覚はなさそうだしね。

あるいは、今後ますます増えて行く「老人」の生活を向上させるプログラムを打ち出す「老人党」(「シニア党」でもいいけど)みたいなのができちゃったりして。

 

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2025年1月15日

さすが Apple! トランプの圧力を押し返す

BBC NEWS Japan が「米アップル取締役会、多様性プログラム廃止案への反対を株主に呼びかけ」というニュースを伝えている。Facebook や McDonald's、X(旧 Twitter)などが軒並みトランプにすり寄って多様性プログラムを後退、廃止させている(参照)中で、Apple はさすがである。

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そもそも「多様性プログラム」というのは一般には "DEI" と称されていて、 "diversity, equity, and inclusion"(多様性、社会的公平性、包括性)を推進するものである。具体的には、Wikipedia に次のように記されている(参照)。

すべての人々、特に歴史的に過小評価されてきたグループアイデンティティ障害に基づいて差別を受けてきたグループのフェアな扱いと完全な参加を促進するための組織的なフレームワークである。

トランプの言動からは白人至上主義の考えが如実に感じられ、既にいろいろな分野でそうした圧力が目立ち始めている。記事によれば、Apple にも米保守系団体の「全国公共政策研究センター(NCPPR) 」から DEI 関連の方針廃止を求める提案書が送られているらしい。

少なからぬ企業がそうした圧力に屈している中で、Apple の取締役会は、自社には「適切な抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)があるので NCPPR の要求は不要である」との態度を表明している。毅然たるものだ。

実際には Apple が NCPPRの提案にどう対応するかは、来月 25日に開かれる年次株主総会での投票で決定されるが、取締役会は投資家らに多様性プログラム廃止の提案には反対するよう、既に文書で呼びかけている。さすが Apple !

iMac、Macbook、iPhone、Apple Watch などの愛用者としては、誇りさえ感じるニュースである。

ちなみにこのニュースの見出しは、日本語版のもってまわったややこしい表現より BBC NEWS のオリジナル版の方がずっといいよね。"Apple pushes back on call to end diversity programme" (Apple が多様性プログラム廃止の要請を押し返す)というのだから。

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というわけで、当サイトとしても見出しで英語版の方の精神を踏襲させていただいた。

 

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2025年1月14日

我が故郷 酒田の「無印良品」が店舗移転なんだそうで

我が故郷、庄内の身近な動向を伝える「ショーナイツゥ!!」に "酒田市中町モールの「無印良品酒田 POP-UP STORE」がいろは蔵パークへの移転に伴って閉店。休業期間あるため注意!" という記事があるのを見つけた。2月 16日から 1ヶ月以上の休業期間が生じてしまうらしい。

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まずは無印良品がどうのこうのよりも、酒田の街の積雪に見入ってしまった。車道はほとんど除雪してあるが、舗道はなかなかのものである。雪に慣れない人は、歩くのもこわごわだろう。

このあたりは昔から酒田の中心街なのだが、雪の止み間なのに歩く人がほとんど見えないというのは淋しい。最近はクルマ社会なので、駐車場が十分に整備された郊外の方が人が集まりやすいのだろう。

無印良品の件では、店舗正面の貼り紙による知らせによれば、3月 27日より開店するという無印良品新店舗は山居倉庫の向かいになるらしい。あの辺りが新しい中心街になってしまうのだろうか。

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いずれにしても両親が死んでしまって以来、酒田に帰る機会が減った上に、コロナ騒ぎでさらに縁遠くなってしまった感がある。そのうちゆっくりと帰郷してみたいが、いずれにしても無印良品の新店舗が開店して暖かくなってからだ。

 

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2025年1月13日

毎日新聞の大阪万博の記事、写真が悪意たっぷり

毎日新聞が昨日付で "開幕まで3カ月の大阪・関西万博 パビリオン「完成」はわずか3カ国" という記事を報じている。参加国が自前で運営するパビリオンの建設が遅れていて、47カ国のうち 3カ国しか「完成」させておらず、内装などの工事が間に合わない事態が予想されているんだそうだ。

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当初からの話だがこの万博、大阪府と大阪市以外はあまり「身が入ってない」という印象が強い。「想定では今年1月中旬には、全ての海外パビリオンで内装・展示を含めた工事が完了しているはずだった」のだが、実際に完成しているのはアイルランド、韓国、フィリピンの3カ国のみなんだそうだ。

SNS で言われていることを集約すると、「大阪万博を楽しみにしろというが、何を楽しみにすればいいのか、内容がさっぱり伝わってこない」なんてことになる。代表的なのがこの tweet だが、まさにその通りと言っていい。

伝える内容がない上に、肝心のハードウェアが「駆け込みの間に合わせ」ばっかりになりそうというのでは、「外側も内側も面白くなさそう」と思ってしまうのも無理もないよね。

しかもこの毎日新聞で「建設が進む2025大阪・関西万博会場」(進んでないけど)として紹介されている写真 8枚が、タイトルに使われた上の 1枚も含めてどれも「悪意たっぷり」と言いたくなるほど裏淋しさの漂う情景ばかりなのだ。実際に見ればよくわかる。

こんなの見せられると、「本当に大丈夫か?」と思っていた人たちまで「大丈夫そうじゃないなあ」と思ってしまうよね。

 

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2025年1月12日

イグ・ノーベル賞をもらうのも、なかなか大変なのだね

時事通信に "海外では不名誉? 38歳教授が見た「イグ・ノーベル賞」◆赤子救う「お尻呼吸」、MIT で喝采" という記事がある。2024年度のイグ・ノーベル賞を受賞した東京科学大の武部貴則教授へのインタビューだが、この賞についてこれまで知らなかった情報満載でとてもおもしろい。

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武部教授の率いる究チームが行った「「哺乳類はお尻から酸素を取り込める」という研究はリンク先の記事を見てもらえばわかるように、「呼吸不全になったブタやマウスの腸に酸素を送り込むと酸欠状態が改善する」ことから、呼吸不全の人間の赤ん坊を救うことにも通じるものだ。

これについて昨年 3月に主催者側から「イグ・ノーベル賞に選ばれる可能性が高い。受けますか」とのメールが届いたのだそうだ。教授はこのメールを冷静に受け止めつつも、当初はちょっとした迷いもあったという。

というのは、この賞は日本では肯定的に受け止められているが、海外では「おふざけ過ぎて不名誉」とする研究者もいるからだ。しかし教授は最終的に「人々を笑わせることができたら、考えるきっかけができる」というこの賞の創設意図を尊重して受賞を快諾した。

今回この記事で初めて知ったのは、賞金がハイパーインフレで廃止に追い込まれた「10兆ジンバブエ・ドル札」(上の画像の左上、左中)で、賞状はペラペラのコピー用紙ということだ。さらに授賞式出席のための旅費、宿泊費は、全て自己負担というのだから、まさに「冗談ポイよ」のレベルである。

それでも、武部教授は「サイエンスの面白さや魅力、そしてこの研究を一般の人たちにも知ってもらうきっかけになり、受賞できて良かった」と話しているというのだから、志が高い上にジョークもわかるということだ。

おもしろいのは受賞記念のスピーチは必ず聴衆の笑いを取るものでなければならないとされていることで、さらに制限時間の 1分を過ぎたところで、観客席から登場したタイムキーパー役の少女が「もうやめて!飽きたわ!」と遮るという演出まである(上の画像の左下)というのだ。なかなか念が入っている。

つまりジョークの効いた話で制限時間を少々オーバーし、その後のアクションまで考えておく必要があるってことで、武部教授はこうしたハードルを見事にクリアしたようだ。それは冒頭で紹介した記事を読んでもらえばよくわかる。

こうした記事に接すると、日本人、なかなか捨てたものじゃないと、嬉しくなってしまうよね。

 

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2025年1月11日

50年近く前に禁煙したのは「贖罪意識」からだった

ゴミ収集作業員としての方が有名なんじゃないかとも思われているマシンガンズ滝沢が、またしても重要な tweet をしてくれている。「タバコは缶に入れないで灰皿にお願いします」というものだ。これやられると、缶がリサイクル資源として活用できなくなるんだそうだ。

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缶ビールを飲み干して灰皿代わりに使うのは昔からよく見かけるが、これってスチール缶とアルミ缶の選別ができなくなる原因になるらしい。「選別機でスチール缶なら、タバコの重みで磁石に付かなく、アルミであれば重くて磁選機で反応しなくなります」というのである。

半世紀近くノンスモーカーを続けている私は、そんなことはちっとも知らず、やっぱりタバコなんて止めた方がいいと改めて思うのだった。ただでさえ世間に迷惑だし火災の原因としてまで挙げられているのだから、その上リサイクルの邪魔までしちゃいけない。

私がタバコを止めたのは 1976年の酒田大火がきっかけだったというのは前にもチラッと書いた(参照)が、それについて詳しくは一度も書いていないような気がする。いい機会だから、ちょっと書いてみよう。

私は 17歳頃からタバコを吸い始め、大学に入学した 18歳頃にはハイライトを 1日 30本ぐらい吸うという結構なヘビー・スモーカーになっていた(もう時効ね)。そして 24歳の秋に起きたのが、あの酒田大火だったのである(これに関しては、こちら で書いている)。

高校時代にブイブイいわせていた故郷の街並みが次々と炎に焼け落ちて行くのをテレビ画面で見るのは、本当にショックだった。しかも火元となったのは、高校時代に月に 2〜3度は通っていた思い入れたっぷりの素晴らしい映画館、グリーンハウス(参照 1参照 2)だというじゃないか。

それを知った途端、私はほとんど贖罪のような意識で「タバコを止めよう」と決意し、ポケットに残っていたハイライトをゴミ箱に捨てたのだった。

1970年代というのは、禁煙意識なんてほとんど高まっていなかった。名画座の客席はタバコの煙がもうもうと上がり、座席はタバコで焼けた穴だらけだった。その中でタバコを止めたのは、よく言われる「健康のため」なんてこととは無縁で、まさに「贖罪意識」からとしか言いようがない。

ただ、止めてから 2日目までは思いのほか平穏に過ぎたが、3日目ぐらいからが大変だった。猛烈な禁断症状が襲ってきたのである。私は口先だけの喫煙ではなく、きっちり肺まで煙を吸い込んでいたので、本当に胸をかきむしって悶えるほどの苦しさだったのを覚えている。

夜になるとベッドでヒイヒイ言いながら禁断症状に耐えつつ、「タバコって、本当に毒なのだな」と痛感していた。苦しさに負けて再びタバコに火を付けるなんてことにならなかったのは、我ながら愚直なまでの「贖罪意識」の賜物だったと思う。それがなかったら、4日もたずに禁煙に失敗していた。

あの苦しさは、1週間近く続いてようやく収まった。私は自分がそうした苦しさを乗り越えて禁煙に成功しただけに、人に向かっても「タバコは止めた方がいいよ」と心から言うことができる。

「ドクターストップがかかったので禁煙した」なんて言う人がいるが、それって実は「恥知らず」な言い草だと思う。それまで周囲に煙をまきちらしておきながら、自分の命だけは惜しいと言っているようなものだからね(参照)。

 

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2025年1月10日

Facebook がトランプにすり寄ってどうするんだ

CNN が "女性の「家庭用品」呼ばわりも許容、米メタが利用規定改訂" という記事を伝えている。「メタ」(Meta)というのは FacebookInstagram の運営会社である。

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CNN 米国版のオリジナル記事は "Calling women ‘household objects’ now permitted on Facebook after Meta updated its guidelines"(メガの自社ガイドラン改定により Facebook 上で女性を「家庭用品」と呼ぶことを許容)と、ちゃんとタイトルに Facebook の名を出している。

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具体的にいうと、専門家による Facebook 上での表現のファクトチェックが大幅に緩和されることになったのだという。例えば次のようなことだ。

  • 「女性を家庭用品や所有物のように言うこと」、「トランスジェンダーまたはノンバイナリージェンダーの人を『それ(it)』と呼ぶこと」を禁止していた項目の削除

  • 「性別や性的指向に基づく精神疾患や異常性の主張」の許容

要するに、女性やトランスジェンダーを人間ではなくモノ扱いにしたり、性的マイノリティを「異常者」と呼んだりしてもいいということだ。大統領に就任したら「トランスジェンダーの狂気を止める」と宣言しているトランプ(参照) にすり寄ったものとしか考えられない。

このニュースに先立ち、同じ CNN が「米マクドナルド、DEI 施策の一部を終了 多様性推進に逆風」とも伝えている。"DEI" とは "Diversity, Equity & Inclusion" (多様性、公平性、包括性)のことで、マクドナルドはこれらを軽視する方向を打ち出したわけだ。これもまた「トランプ寄り」だ。

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X(元 Twitter)のイーロン・マスクはかなり前からトランプべったりだし、この様子では世界の潮流が一昔前に戻ってしまう。トランプの任期が終わる 4年後以降も、ちゃんと元気で生き続けなければならないと思ってしまったよ。

 

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2025年1月 9日

「AI ブリタニカ」が脚光を浴びてるんだそうだが

GIZMODE JAPAN が「AI ブリタニカ百科事典、ChatGPT がデタラメすぎて脚光を浴び業績回復」という記事を伝えている。重厚な本の形の "Encyclopedia Britannica"(ブリタニカ百科事典)は、2010年版で終了したが、今、インターネットの世界で復活しているというのである。

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ググって見ると確かに、"Britannika" という何でも調べられそうなサイトがあるじゃないか。英語版だけのようだが、それは本の形をとっていた昔からだからしょうがないよね。

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インターネットで調べ物をしたいとき、最近注目されているのは ChatGPT だが、信頼性にはかなり疑問があり、Wikipedia にしても時々「ありゃりゃ?」と言いたくなるほどの変な説明がされていたりすることがある。そこへいくと、ブリタニカはさすがのもので、信頼性の高い回答が得られるという。

ただそこはそれ、無料というわけではない。メンバーシップ性で、こんなような会費を納入しなければならない。(下の画像クリックで、オリジナルの料金ページが表示される)

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月間契約で 1ヶ月 8.99ドル、年間契約で 74.95ドル、ファミリー契約だと年間 98ドル。1ドル 150円換算の年会費は 11,240円あまりである。さすがブリタニカで決してお安い値段ではないが、昔、30巻以上のセットだった頃は日本で買うと 30万円以上したというから、まあ、リーズナブルかもしれない。

まあ、本棚の飾りにしておくよりはずっといいだろう。

ここで視点を変えて、日本の百科事典はどうなっているのかと調べてみると、ジャパンナレッジ(Japan knowledge)というサイトがあり、小学館が出している多くの事典、辞書などを網羅している。これもまたスゴい。

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料金は「JKパーソナル+R」(すべてのコンテンツが使える)が月払いで 2,200円、年間契約で 22,000円。45コンテンツ限定のライトプラン「JKパーソナル」が、月払い 1,650円、年間契約 16,500円である(参照)。ブリタニカより高いのは、コンテンツが膨大だからだろう。

というわけで、自分はどうするかということになると、「まあ、ここは無料の Wikipedia を慎重に使っていけばいいか」というところに落ちついてしまった。とりあえずはこれで十分だよね。

ただ最後に、「ものすごく専門的で厳密な仕事が要求されている方は、AI ブリタニカなり JK(女子高生じゃないよ)なりどうぞ」とだけ書いておく。

 

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2025年1月 8日

昨年の平均気温が過去最高だったという嫌なニュース

共同通信が「24年の平均気温、過去最高 平年を1.48度上回る」という速報を伝えている。昨年の日本の平均気温が、平年値( 20年までの 30年間平均)を 1.48度上回り、1898年の統計開始以降最も高くなったのだそうだ。

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一昨年の平年プラス 1.29度を超えて、2年連続での記録更新となったわけだ。これはまったく嬉しくない記録更新で、完全に「嫌なニュース」である。上の表を見てもわかるように、上位 6番目までは 2019年以後 6年間の記録で占められており、しかも昨年と一昨年の数値が飛び抜けて高い。

この数字はまさに「印象通り」で、一昨年もメチャクチャ暑かったが、昨年はさらに輪をかけた暑さだった。気象庁によれば「24年は夏(6~8月)が過去最高タイで、秋(9~11月)も過去最高」というのだから、11月頃まで暑かったのも道理である。

昨年と一昨年が飛び抜けて高い数字を示しているというのは、かなり嫌な印象である。猛暑は日本だけではなかったようなので、もしかしたら昨年から地球の「温暖化」がさらに一段階進んだ局面に入ったのではないかなんて考えてしまっても、あながち見当外れではなさそうな気がしてしまうほどだ。

前世紀までは夏から冬になるまでに 3ヶ月ぐらいの秋という季節があったので、我々の体も徐々に寒さに慣れることができていたのだが、近年はこの秋が短すぎる。「暑い、暑い」と言っているうちに急転直下の冬が来るので、人の体が気温の変化に付いていけず、この頃は「寒い、寒い」と震える毎日である。

私は最近よく「温暖化というより極端化だ」と言うのだが、昨年はその極端化にますます拍車がかかったという印象だ。今年は少し穏便な推移になってもらいたいもので、昨年以上の高温になったりしたら、冗談じゃなく絶えきれなくなってしまう。

 

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2025年1月 7日

バイデンとトランプ、どっちも年寄りだからなあ

共同ニュースが、米国のバイデン大統領が記者団の質問に応えている最中に「突然怒った口調で『私は最高齢の大統領だが、あなた方全員がこれまで出会った誰よりも多くの世界のリーダーを知っている』と発言」したと伝えている(参照)。どうやら「大統領は老人ボケ」の気味があると言いたいようなのだ。

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しかし実際の答弁(下の YouTube 動画)を見ると、「トランプは民主主義への脅威」と批判した後で自身の年齢について語ったもので、「突然怒った口調」とはとくに感じられず、報道には 82歳という高齢の大統領をことさらに揶揄する姿勢が感じられる。

元のニュースのタイトルは "Biden scolds reporters"(バイデンが記者たちを叱る)で、決して「怒った」というわけじゃないのだが、叱られた方としては逆にムカついて大げさに報道したのかもしれない。まあ、発言内容がピント外れというのは争えない事実だけどね。

ちなみに年齢で言ったら、次期大統領のトランプの方がずっと心配だ。大統領就任時に 78歳 7ヶ月でバイデンの最高齢記録を 5ヶ月上回るのだから、任期中に 82歳 7ヶ月になってしまうというのである(参照)。

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この人は前々から「素っ頓狂発言」の話題には事欠かないのだから、このまま 80歳を過ぎたらどんなになるか知れたものではない。今からうんざりである。

米国でも日本でも、まともなな若手は政治の世界なんて目指さなくなってしまってるようなのだね。

 

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2025年1月 6日

「スタバで Mac ドヤァ」が「絶滅危惧種」って?

東洋経済 ONLINE に "「スタバで Mac ドヤァ」実はもう絶滅危惧種なワケ" (2024年 12月 24日付)という刺激的なタイトルの記事を見つけ、気になってしまった。私は出先で空き時間に仕事をしたりこのブログを書いたりする時には、コーヒーショップで 愛用の MacBook を開くことが度々あるもので。

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「スタバで Mac ドヤァ」というのは、「スタバの店内でマックの PCを 開き、長時間ドヤ顔で作業する人を揶揄した言葉」なんだそうだ。それが「絶滅危惧種」というわけか? しかし実を言うと、私はスタバに限っては Mac を開いたことがなかったのだよね。

ほかの店では何度もあるが、スタバってテーブルが低くて小さいので PC を使いにくいという先入観があり、気取った雰囲気にも抵抗があって、これまではほぼ意識的に避けてきた。ところがこの記事を読んだ途端、俄然へそ曲がりの虫が騒ぎ始め、スタバで Mac を開きたくなってしまったのである。

というわけで今、守谷市内のショッピング・モールのスタバで MacBook を開き、この記事を書いている。来てみれば私の先入観を裏切り、6人が余裕で囲める大きくて手頃な高さのテーブルがあり、その各席に電源まであるじゃないか。「絶滅危惧種」をおびき寄せる特別仕様かと思うほどだ。

この大テーブルでは今、4人が席についており、私を含めた 2人が MacBook を開いている。あとは Asus のサラリーマン風と、iPad でゲームに夢中のフリーター風男子だ。そしてちょっと離れた小さなテーブル席には、MacBook の男性と女性が 1人ずつ、そして Dynabook の男性が 1人いる。

ということは、iPad を除いた店内の PC の Mac 率は 67% で、不純な動機の私を除いてカウントしても 60%だ。世間一般のシェアと比較すれば驚異的に高いし、ほかのコーヒーショップと比べてもかなり高いと思う。ただ、それには単純な理由があるだろう。

会社支給のほとんどが Windows PC という世の中で、Mac ユーザーは私を含めてフリーランスが多い。そしてフリーランスはリモートワークが多くなりがちなため、スタバでの Mac 比率が高くなるのはごく自然の成り行きでしかないということだ。

そして今回如実に気付いたのだが、スタバって仕事の邪魔になるような「大声で話す客」がいなくて快適なのだね。無遠慮な大声や嬌声にうんざりすることが多々ある他店に比べると、これは大きなメリットと言える。件の記事がこの肝心な点について一言も触れていないのは、一体どういうことなんだろう。

いずれにしても、今後は宗旨替えしてスタバを毛嫌いせず、リモートワークの場として有力候補の一つにしておこう。

この辺で念のために書いておくが、実際に「スタバで Mac」している客は「ドヤ顔」なんてちっともしていない。とくに私の真向かいの女性なんて仕事の締め切りギリギリなのか、「ドヤ顔」とは対極的な「悲壮感」さえ漂わせている。年末年始に遊び過ぎたのかもしれないね。気の毒に。

件の記事はよく読むと、「絶滅危惧種」という刺激的な言葉はスタバで仕事する Mac ユーザーを指すのではなく、「スタバで Mac ドヤァ」という「イメージ」について語っているように思われる。とすると、この見出しはキャッチーではあるけれど、「雰囲気のもの」過ぎて混乱を招くよね。

それからこの記事の "むしろ「禁煙」を求めて足を運ぶ人が多い?" という小見出しにしても、今どきは別にスタバでなくても飲食店の多くがフツーに禁煙なのだから、かなり時代錯誤的だ。というわけで実際に「スタバで Mac」してみて、この記事の「ビミョーなピントのずれ方」が実感されたのだった。

いずれにしても「スタバで Mac するのに余計なことを気にする必要なんてない」ってことだ。私はコーヒーショップで 1時間ぐらい Mac を開いて仕事をする時には、長時間の「ショバ代替わり」にドーナツなどのサイドメニューもオーダーすることにしているので、なおさら気兼ねなく使わせてもらう。

年末年始は箱根駅伝のテレビ観戦以外はずっと家で仕事していたので、思いがけずトライした人生初の「スタバで Mac」が、ちょっとした気分転換になったのはありがたい。

 

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2025年1月 5日

「1円玉のお賽銭」を巡る冒険

Yahoo Japan ニュースに "お賽銭「一円玉やめて」 今年も話題に" という記事がある。「今年も話題に」というぐらいだから、前々から言われていたことなのだろうが、私はちっとも知らなかった。さすがに一円玉をお賽銭にしたこともなかったし。

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シンプルに考えれば「1円玉だろうが何だろうが、気持ちだから黙って受け取れ」と言いたくなるところだが、神社仏閣がそれを渋るにはそれなりの理由があるらしい。金融機関に多数の小銭を入金すると、結構な手数料がかかるというのだ。

こんな具合というのである。お金のことに疎すぎる私は、お恥ずかしいことにこれについても全然知らなかった。

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硬貨が 100枚までなら手数料はかからないが、101枚以上になると 550円取られてしまう。5円玉 101枚で 505円だが、それを入金して 550円の手数料を取られたら、45円の赤字だ。110枚で辛うじてトントンで、111枚以上なら赤字にはならないが、1円玉だとそうはいかない。

1円玉 101枚で 449円の赤字で、500枚でも 50円の赤字だ。1枚増えて 501枚だと 1,100円の手数料で、599円の赤字になってしまう。そんなわけで「1円玉のお賽銭は迷惑」ということになってしまうというのだ。

近頃は電子マネーの普及で、買い物をしたら釣り銭がどっさり戻ってくるなんてことが減ったが、昔は財布の中が少額のコインでぎっしりになることがよくあり、本当にイライラしたものだ。個人ベースで 100枚までなら手数料なしで入金できるというが、実際には面倒だよね。

そして神社仏閣や商店という規模になったら、面倒だけじゃ済まないことになるわけだ。これじゃいつの間にか小銭入れにたまった 1円玉を軽い気持ちでジャラジャラっと放り込んだりしたら、バチが当たってしまいかねない。

その昔、お賽銭は「御縁がありますように」という意味で 5円玉がいいなんて言われたが、今どきはやっぱり 100円玉ぐらいは用意しておく方がよさそうだ。最近はキャッシュレス化で釣り銭がたまってしまうことが少ないから、京都辺りで神社仏閣巡りをする時には気を付けよう。

ちなみに記事によれば一部でお賽銭のキャッシュレス化が進んでいるというが、初詣みたいに混んでしまったら、やりにくいだろうなあ。

 

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2025年1月 4日

耳にこびりついた曲、「イヤーワーム」を消し去る音楽

特定の音楽が脳内で勝手に繰り返し流れて止まらなくなる現象を英語で「イヤーワーム(earworm)」というのだそうだ。「耳の虫」とは、なるほど実感である。そしてこの「イヤーワーム」を 40秒で消し去る「イヤーワーム・イリーサー」というのが開発されたというからおもしろい(参照)。

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「イリーサー(eraser)」という英単語は、フツーは「消しゴム」や「黒板ふき」を意味する。いつまでも耳に残ってイライラするメロディをあたかも「消しゴム」のように消し去ってくれるから、この名が付いたのだろう。

開発に関わった英国ダラム大学の音楽心理学准教授ケリー・ヤクボウスキー氏(Kelly Jakubowski)によれば、「耳から離れない曲」というのは「ダンスに適したテンポの曲 」と「全体的なメロディーの形が予測できる曲」 なのだそうだ。なるほどわかる。

複雑で覚えにくい曲というのは、耳に付いてしまったりしない。いい感じで自然な曲調だからこそいつまでも耳の奥に残ってしまうのだろう。ただ、いくら「いい感じ」でもあまりしつこいとやっぱりイライラしてしまうというわけだ。

だったらそれへのカウンター・アタックとして、複雑で覚えにくい曲を浴びせかければいいということになる。条件としては、キャッチーなメロディではなく、テンポも一定じゃない曲というのがいい。

というわけで、拍子やメロディ、さらに音楽スタイルもエレクトロニカからクラシックまで変化する不可思議な曲が仕上がったのだという。こんな曲である。

なるほど、メロディがちっとも印象的じゃなく、テンポもコロコロ変わり、曲調も一定しない。こんな覚えにくい曲、耳につきようがないし、はっきり言って「不愉快」というほどのレベルだ。それまでこびりついていた曲も影が薄くなるだろう。

ただ、この曲も万能というわけではなく、「効果がなかった」というコメントもあるらしい。とはいえ多くの人にはとても効果的らしいので、頭の中で常に同じ曲が繰り返されてうんざりしている人は、試してみるといい。

 

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2025年1月 3日

洋式バスの使い方って、理解されてないのかなあ

X(Twitter)に Naotaka Sato旅する音楽家 さんという方の次のような書き込みがある(参照)。イギリスのホテルのバスタブに、日本語の注意書きがあったんだそうだ。

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ここでは画像が小さくて読みにくいから、日本語の注意書きを以下にテキスト化しておこう。ちゃんとこなれた日本語だけに、昔から日本人がいろいろやらかしてしまってるのだと想像される。

この浴室は洋式のため、床に排水口がありません。このため、浴槽からお湯があふれ出すと、浴室や寝室の床が水浸しになりますのでご注意下さい。
尚客室内の破損につきましては、お客様の負担で最低 400ポンドを請求させていただきますので、ご了承のほどよろしくお願い申し上げます。

驚いたのはこの tweet に、信じられないほど素っ頓狂なコメントがたくさん付いていることだ。その中からほんのいくつか紹介しよう。

排水溝なくてどうやってシャワー浴びるの?

洋式風呂は排水溝無いのか…

まあ日本人ならね、湯船に泡じゃなくお湯を溜めたいよね
あれ?
湯船に泡溜めた後ってどう処理してるの?

排水溝ないの草
やべえ外国行きたくねえwww

よくわからんのだけど、バスタブ内で洗うの?

いやはや、本当にビックリである(ちなみに「排水溝」は「排水口」の誤変換だろう)。バスルームの床に排水口がないという欧米ではフツーの仕様を、バスタブそのものに排水口がないと誤解した人が多いようなのだ。洋式バスの使い方って、令和の御代になってもまだ理解されていないのかなあ。

さらに、バスタブにお湯を張っている間にテレビに夢中になったり寝落ちしたりして溢れさせたという失敗談のコメントもやたら多いのだが、それって初めはまったく理解できなかった。そもそも一体どうして、お湯を出しっぱなしにしたままバスルームから出ちゃうんだ?

よくよく考えて初めてわかったのは、「そうか、時間をかけてバスタブにたっぷりお湯を溜めてから、おもむろに入ろうなんてする日本人が多いのか!」ってことだ。なるほど、洋式バスで想定されていない日本的発想でやろうとするから、溢れさせたりもするわけだ。

洋式バスはバスタブにお湯を注ぎながら服を脱ぎ、お湯の量がせいぜいバスタブの 4分の 1程度のところで入っちゃえばいい。そのまま注ぎっぱなしで体を洗い、シャンプーしても半分の量にもならないが、洋式バスってそもそもそんなものなのだ。シャワーだけで済ますことも多いのだし。

何しろ 1人ずつ入って、出る時は全部流してしまうのだから、それぞれがたっぷりお湯を張ったりしていたら大変なお湯の無駄遣いになる。暖かい湯にゆったり首まで浸るなんて、洋式バスでは想定外なのだ。日本と西洋では「入浴」ということの基本的コンセプトが違うのである。

私としては、もちろん日本式の方が好きだから、国内旅行での宿泊はもっぱら大浴場のあるビジネスホテルを選ぶ。私は大柄なので、日本のホテルの小さなバスタブではシャワーだけにするにしても窮屈でたまらないしね。

というわけで、海外旅行の時と、国内でも大浴場のない東横インしか予約が取れなかった場合は、たっぷりのお湯に浸るという日本的満足は初めから諦めることにしている。

 

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