サメとお金は泳ぎ続けないと死ぬ
デフレは相変わらずである。コストが極端に安い国で作って輸入しているのだから、モノの値段は下がって当たり前だ。 これでようやく標準的な国際価格に近づいたのだから、無理やり逆流させるインフレ誘導など、到底無理だ。
エントロピーの法則というのがある。自然科学の話だが、手っ取り早く言えば、すべては放って置けば熱量均衡、すなわちのっぺりとした一様な状態に向かうという法則である。 経済だってそうだ。日本はすべてのコストが高すぎたから、周囲の市場と熱量交換が起こり、格差が解消に向かっているのである。
しかし、これは無生物の法則である。生命のあるところでは、 「生命体」 (システム) と 「外界」の間で きちんとした 「差異」 が維持される。 つまり、今の日本は 「生命」 を失いかけているために、エントロピーが高じてしまっているのだ。
本来なら、モノの値段が下がれば、余った金がサービス産業に向かい、そちらの需要が高まって、物価の平均はあまり下がらない。 ところが、今は通貨の総量は増えているのに、余った金がどこにも回らないから、物価はどんどん下がっている。
重要なのは経済の流動性を高めることだ。お金はサメと同じで、泳ぎ続けなければ死んでしまうのだ。
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