住基ネットで鶏が卵を産まなくなる?
「住基ネット」が話題である。私は鉄道黎明期のエピソードを連想する。
鉄道が日本全国に敷かれ始めた頃、多くの町が 「そんな怪しげなものを街の中心部に通したら、札付きの余所者が集まってくる」 とか、「鶏が卵を生まなくなる」 とか言って反対した。 そのため、鉄道の駅は昔からの中心部を外れたところにあるケースが、今でも非常に多い。
年月は下り、「じいさんの代で馬鹿な反対をしたために、ウチの町は陸の孤島になってしまった」 というウラミツラミは、日本中に存在する。新規なものへの単純なアレルギー反応は、後世からみると幼児的なものにすぎない場合が多いのだ。
私としては、住基ネットの情報なんて大したものではないと割り切っている。こんなもので神経過敏になるのなら、あちこちで遭遇する企業のアンケート調査は極悪犯罪ではないか。実は我々のプライバシーなんて、既に漏れまくりである。
ただし、住基ネットのデータを丸ごと盗む奴がいて、そいつが他のデータ(主に税理士や弁護士など向けに、お上のデータベースを有料で閲覧できるサービスもある) と手間隙かけて突きあわせをしたりしたら、とても貴重なプライバシー情報になるだろう。
要は、個人情報保護法案云々ではなくて、データ丸ごと盗まれないように、役所内部のセキュリティをしっかりすればいいだけの話だ。
それは、別に住基ネットでなくても、従来型のデータ管理でも同じことなのである。別に今に始まったことではない。
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