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2002年9月18日

横暴な独裁者が話のわかるオッサンのふりをすると

強力な独裁者として君臨するための第一の条件は、独断的で専横的な振舞いである。要するに、わがままで陰険で、横暴で理不尽でなければならない。

それがあって、初めて側近たちは戦々恐々として、イエスマンと茶坊主の集団と化す。

ここまで言えば、察しのいい方は既にうなずいているかもしれないが、北朝鮮の今後の不安定さを危惧しているのである。

問題は、あの国がテロ国家であってまともに相手にできるものではないとか、いや、東アジアの安定のために、多少は手を差し伸べなければならないとかという議論よりも、今まで金正日に服従していた連中が、急に跳ね上がって、クーデターでも起こしはしないかということだ。

これまで、金正日は模範的な独裁者として振舞ってきた。つまり、十分にわがままで陰険で、横暴で理不尽であり続けてきたわけだ。そのおかげで、側近たちは皆恐れをなして忠誠を誓ってきた。

しかし、ここに来て、彼は急に 「話のわかるオッサン」 にイメージチェンジを遂げ始めた。理由は簡単だ。そうしなければ国際的に生き残れない状況に追い込まれたからだ。

しかし、それを快く思わない人間が、北朝鮮の中には軍部を中心に少なからず存在するだろう。国が民主化してしまっては、膨大な既得権を維持できない層だ。この連中がクーデターを起こす可能性は否定できない。そうなったら世界は危機的な状況になる。

米国は、そのあたり、ちゃんと手を打ってくれているんだろうな。

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