「何かの都合」 の言い換え
今日は「生活習慣病予防検診」というのを受けた。
「生活習慣病」と言ってもピンとこないが、「いわゆる成人病」と言えば皆納得する。だったら、最初から そう言えばいいのに、「何かの都合」で「生活習慣病」になっているようだ。
そういえば、最近「精神分裂病」を「統合失調症」と言い換えることになったらしい。これも、しばらくは「以前は精神分裂病と言われていた病気」と言って初めて納得されることになるだろう。
「精神が分裂しているような誤解を与えるために、言い換えることになった」というのだが、「バラバラ」と言わずに「まとまらない」と言っているだけのような気もする。
英語では、"schizophrenia" (浅田彰の「スキゾ・キッド」はここからきている) で、schizo というのは「分裂」という意味なので、「精神分裂病」は訳語としては自然なものだったと思われるが、まあ、「何かの都合」で言い換えたのだろう。 英語では "unification dificient syndrome" などと言い換えるようになったとは聞かないから、日本独特の言い回しに違いない。
近頃、「何かの都合」による言い換えというのが、とても多い。言い換える以前の呼称が「差別的」という理由が多いのだが、「差別」かどうかは文脈による。
表面的には無難な言い換えをして、後でこっそり「いわゆる …… ・のことさ」と耳打ちするのでは、かえって陰湿な気がするのだが。
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