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2002年9月28日

吉本さんちの親父さんと娘

以前、20歳代の一応インテリと称される女性と話をしていて、ひょんなことから、彼女は吉本隆明を知らないということがわかった

「吉本ばはな の親父なんだけど」と言うと、「それなら、聞いたことがある」という。ちょっとずっこけた。

昭和20年代生まれとしては、あくまでも、「吉本ばなな は吉本隆明の娘」という位置づけなのだが、彼女の世代にとっては、「ばなな の父親は、何だか難しいことを書く人らしい」という程度の認識のようだ。

そこに現れた昭和10年代生まれのオジサン(彼も、一応インテリと呼ばれている)に、「ねえねえ、聞いてくださいよ。彼女は吉本隆明を、ばななの親父としてしか知らないみたいなんですよ」と言ったら、かのオジサンはきょとんとして、「ばななって何だ? 人の名前か?」とのたもうた。

こちらは、またまたずっこけてしまった。二重のジェネレーションギャップである。

「隆明」と「ばなな」の二人の著作をちゃんと読んだことのある人間というのは、実はずいぶん少ないのだということを、最近になってしみじみと知った。、両方リアルタイムで、同時代に生きる人間として感じることができる人間というのは、結構希少価値なのかも知れない。

それにしても、文学趣味の人間の常識というのは、しばしば世間では通用しないことがあるので、気を付けなければならない。

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