「正義」 に楯突いた山本夏彦氏
山本夏彦氏が亡くなった。週刊新潮を立ち読みする理由が、一つ減った。
「正義」 に楯突くコラムが好きだった。私は勝手に 「現代の悪人正機説」 と思っていた。
山本氏が楯突いたのは、「正義」 という名の 「衆愚」 であったのだが、彼自身は 「衆愚」 の産物であるから 「いわゆる正義」 を嫌うのであるとは、一言も言わなかった。
ただ 「正義」 は嫌いと言い切っていたのみである。誤解を恐れぬその態度は、小気味よい。
親鸞は 「善人なほもて往生を遂ぐ、いはんや悪人をや」 と言った。
「善人」 とは、自分で自分を疑いもなく 「正しい人」 と思っている人である。他人から非難されると怒る人である。感謝されないと怒る人である。他人が自分より報われると怒る人である。
確かに、「正義」 ほど扱いづらいものはないのである。
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