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2002年10月25日

並んででも食べたい「あらきそば」

どんなにおいしいと評判の店でも、並んでまで食いたいとは思わないが、山形の 「あらきそば」 だけは別だ。

大雨とか大雪とかいう日に外まで並ぶのでものでない限り、ついのんびりと並んでしまう。

山形名物 「蕎麦街道」 でも屈指の名店。秋の頃に車を走らせると、白い蕎麦の花が道端の畑に咲き誇り、寒河江に差し掛かる手前で左折すると、時間の進行がストップしてしまったような一画に、古いかやぶき屋根の民家にしか見えない蕎麦屋があり、それが 「あらきそば」 である。

ここだけは、並んで待っても心が急かない。少し並べば、囲炉裏の切ってある上り框に通され、そこでおとなしく文庫本でも読みながら待てば、ほどなく座敷というのか何というのか、広間に通され、鰊の味噌煮をつまんで待っているうちに、豪快な板そばが出される。

メニューは 「むかしもり」 と 「うすもり」 の 2種類しかなく、後者が今風の少量版なのだが、妻はそれでも全部食べきれない。私がいつも 1枚半平らげることになる。

食べ終わって、再び車を走らせることになるのだが、鼻の奥に蕎麦の香りが 1時間は持続する。これでこそ、並んだ甲斐があろうと言うものである。

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