味覚の衰え
一説によると、人間は 60歳になると味覚を感じる器官の「味蕾」が、20歳の頃の半分に減ってしまうと言う。
60歳にはまだまだ間があるが、そういわれれば、確かに私の味覚も、近頃少々衰えているような気がする。
それを感じるのは、とても微妙な味わいのものを食べた時だ。「この食べ物は、このような味がするはずだ」という、いわば「味の記憶」が働いて、それを確認しようとするのだが、その通りの味覚が得られていないような気がするのである。
人間は歳をとると「記憶」によって食べ物を味わうというが、本当にそんな気がする。それだけに、味覚がちゃんとしている若いうちに、きちんとおいしいものを食べておくことが大切だと思う。
「味蕾」による「純粋味覚」が衰えた分、全体的な「食感」で食べ物を楽しむようになった。「食感」とは、硬さ、柔らかさ、ねばり、あっさり感、喉ごし、舌触り、コシなどなどである。「そば」なんぞは、まさに喉ごしで食うものだけに、これからますます蕎麦好きがつのっていくだろう。
要するに、素材そのものの持つ自然な食感で食べ物を評価するようになり、いろいろな調味料を駆使したソースのようなものは、今イチわからなくなってしまうことになると思われるのだ。
それならそれで、結構だという気もする。単純でシンプルな食べ物で楽しめばいいのである。
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