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2003年1月18日

天の岩戸で卑弥呼?

1月17日発行の夕刊フジに、芸能プロデューサーの酒井政利という人が、『地上の星』 の中島みゆきを誉めまくったコラムを書いている。

「低迷する歌謡界に現れた 『卑弥呼』 だ」 というスゴイ見出しだ。

ところが、本文を読んでたまげてしまったのである。 以下に書き出し部分を引用する。

黒四ダムのあの洞窟は、やはり歌謡曲不振時代の "天の岩戸" だった。その扉を開いた中島みゆきは卑弥呼に通じる。

どうして 「天の岩戸」 の文脈で 「卑弥呼」 が出てこなければならないのか? 氏の頭の中では 『古事記』 と 『魏志倭人伝』 がゴッチャになっているようだ。

あるいは、「天照大神」 と言ってしまっては、あまりにももったいないから、敢えて、同一人物説もある 「卑弥呼」 と言ってしまったのか? 仮にそうだとしても、ちょっと唐突過ぎる。まともな比喩として成立しない。

私は日本の伝統文化の基盤をなす 『古事記』 はもっと尊重されるべきで、学校教育の中にもきちんと取り入れられてしかるべきだと考えている。歴史の科目の中に入れるのに抵抗があるというのなら、国語として教えるべきだ。

そうしてこなかったので、今になって、全国的な夕刊紙でこんなピンボケの記述が堂々と出てくるのだ。自国の文化について、これほどまでに無知になってしまっては、「国際化」 もへったくれもないのである。

「国際」 とは、「国」 の 「際 (きわ)」 と書く。自国の文化を他国にきちんと説明できてこそ、国際化は進行するのである。

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