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2003年2月21日

危機意識と香水

フィラデルフィア空港で、サウジアラビアに帰国する男子学生が、荷物検査所で疑いをかけられた香水を係員に吹き付けて、大騒ぎになった。

時節柄、アメリカ人はずいぶんナーバスになっているようだ。

この学生は、疑われた液体が単なる香水であることを示すために、まず自分に吹きかけて、係官にも噴霧したというのだが、イラク作戦を進行中のアメリカにとっては、中近東の人間に訳のわからないスプレーを浴びせかけられたというだけで、相当ショックの大きいことだったようだ。

以前、湾岸戦争の頃、ロンドン空港に降り立った日本人が、後ろから「荷物をお忘れですよ」と声をかけられ、振り返ったら見知らぬバッグが置いてあったので「私のではありません」と答えたところ、周囲の人間が蜂の子を散らすように一瞬にして逃げてしまったという話を聞いた。当の日本人は、ただ唖然とするばかりだったらしい。

その時は、本当の持ち主が現れたので、何のこともなかったらしいが、日本人は案外危機意識が薄いという話になったわけである。

くだんのサウジアラビア人の学生も、かなり能天気なことで、ハロウィーンの日に 「フリーズ!」 と言われても動きを止めなかったために、撃ち殺された日本人留学生の悲劇を思い出してしまった。

 

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