「しゃぼん玉」 は泣ける
野口雨情作詞の 「しゃぼん玉」 は、涙の出る曲だ。30数年前、高石友也のコンサートで 「当時の 『間引き』 の風習を悲しんで作られた」 と聞いた。
だが、これは雨情自身の子の夭折を悲しんで作られた歌でもあるようだ。
小橋昭彦氏の 「ざつがく・どっと・こむ」 というサイトの、 「人に擬す」 という本日付のコラムにそのことが載っている。
童謡は、「アナロジー」 (類推) をもって聞くと、驚くほど豊かな世界が展開される。野口雨情は、幼い我が子を亡くした失意の中で、「七つの子」 を作り、「しゃぼん玉」 を作ったもののようだ。
小橋氏は 「しゃぼん玉」 の背景にある世界を知って、「雨情さん、ぼくは今、この歌詞を涙なくしては聞けません」 と吐露されており、そのコラムには、何と12件のコメントがついている。(そのうちの1件は、私のコメントだ)
しゃぼん玉 消えた 飛ばずに消えた 生まれてすぐに こわれて消えた 風 風 吹くな しゃぼん玉 飛ばそ |
表面に現れた言葉だけでなく、その裏側にある世界を 「アナロジー」 によって知るということは、アナライズする側の心にも 「豊かさ」 がなければならないのである。
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