戦争では誰も勝たない
"Nobody wins a war." (戦争では誰も勝たない)
これは私が 3度目に行った1983年の米国で、最も印象に残ったフレーズである。ホテルの黒人のメイドのおばちゃんが言った言葉だ。
83年の10月、ベイルートでテロリズムがあった。爆弾を満載したゲリラのトラックが、米軍基地に突っ込んだのだ。そのニュースを、米国のテレビニュースは何度も繰り返した。息子を殺された母親が涙で語る同じ場面を、何度も見た。
私の部屋のシーツを変えてくれたメイドは、「ベトナム戦争の日々には戻りたくない」と嘆いた。そして言った。
"Nobody wins a war." (戦争では誰も勝たないのよ)
米国への 3度目の取材旅行で、この言葉が一番心に刻み付けられたのは皮肉なことだった。そして思えば世界人類はこの20年間、何も進歩していないのだ。
20年前に書いたショートショートを、「知のヴァーリトゥード」に載せておいた。お暇があったら、ぜひ読んでいただきたい。
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