「オシャカ」 の語源
台無しになる (する) ことを、よく 「オシャカになる(する)」 というが、その語源をご存知だろうか?
少なくとも、「死んで仏になる」 というようなベタな発想ではない。何でも、江戸時代の鍛冶屋の符牒から発したものらしい。
鍛冶屋の仕事で失敗するのは、大抵の場合、火が強すぎたことによるもののようだ。本当かどうかはよく知らないが、ここではそういう前提でないと話が進まないので、そういうことにさせていただきたい。
江戸の鍛冶屋の親方と弟子が、次のような会話をしている。
弟子: | 「親方、すいやせん、しくじっちめいやした」 |
親方: | 「何ィ、またか? なんでまたしくじっちまったんでぃ?」 |
弟子: | 「へぃ、火が強かったもんで …… 」 |
二人とも江戸っ子だから、「火」 は 「シ」 と発音する。だから、発音どおりに表記すると、以下のようになる。
弟子: | 「へぃ、『シガツヨカッタ』 もんで …… 」 |
ここで、魔法の呪文を唱えていただきたい。
「シガツヨカッタ」 …… 「シガツヨォカッタ」 …… 「シガツヨォカダ」
親方: | 「何ィ、『シガツヨォカ (4月8日)』 だぁ? それじゃぁ、花祭りじゃねぇか。オシャカばっかりこしらいやがって!」 |
てなことで、台無しにしてしまうことを、「オシャカ」 ということになったもののようなのだ。
明日はその花祭り。お釈迦様の誕生日である。
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