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2003年4月25日

ファミリーセールの心理学

今日、某所で某有名百貨店のファミリーセールが開かれていた。売れ残り商品を別会場で超割引でこっそりと売るのである。

建前は従業員の家族に特別価格で売るということなのだが、チケットをもらいさえすれば、赤の他人でも会場に入れるのだ。

近頃、百貨店の売れ行きが悪い。12ヶ月も前年同期比割れが続いている。「消費者に買いたいと思わせるような商品企画ができていないことが問題」 などと言われているが、私は本当に問題なのは、「消費者が百貨店で買い物をしなくても十分間に合っている」 ことだと思っている。要するにライフスタイルに大きな変化が現れているのだ。

しかし、問題はファミリーセールである。

「消費者は百貨店で買い物をしなくても済んでいる」 のだが、ファミリーセールのように、一たびその価格が半分以下になってしまうと、消費者というのは長蛇の列をなして群がってしまうのだ。買わなくても済んでいたものを、価格次第では現金つかみ取りのごとく買い漁るのである。

私は 「ファミリーセールの心理学」 というのをやったら面白いと思っている。人間は通常価格なら買わずに済ませて何の不便も感じていなかったものを、値段が大幅に下がると、後先も省みず買い漁ってしまうのだ。百円ショップで、要りもしないものをたくさん買ってしまうのと同じである。

私は 「ポトラッチ」 を思い出す。人類学では有名な事例である。

これは北太平洋沿岸の北米インディアンにみられる贈答の儀式で、地位や財力を誇示するために、ある者が気前のよさを最大限に発揮して高価な贈り物をすると、贈られた者はさらにそれを上回る贈り物で返礼し、互いに応酬を繰り返す。この応酬が激しさを増すと、お互いの富の破壊にまで及ぶこともある。

まさか、ファミリーセールの買い物で財産を使い果たすということもないだろうが、人間というのは、ある引き金が弾かれると、無駄遣いしたくてたまらなかった衝動が、一挙に解放されてしまうようなのである。

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