宇宙で得た宇宙意識
龍村仁監督の映画 「ガイアシンフォニー」 の第1作で、米国の宇宙飛行士シュワイカート氏の「宇宙意識」 が語られている。
彼は宇宙遊泳をしながら青い地球を眺め、自分の命が決して 「個」 ではなく、「全体」 につながるものという意識を得る。
大分以前に観た映画なので、細部に記憶違いがあるかも知れないが、大まかなところは以下のようなものだ。
シュワイカート氏は、宇宙飛行士として、同僚と共に宇宙空間に飛び出した。宇宙飛行士というのは、宇宙船の中でかなり忙しく時間に追われながら業務をこなすものらしい。
そうこうしているうちに、彼は当初の予定通り、同僚と二人で宇宙遊泳をしながら船外の仕事をすることになった。まず、彼が先に船外に出たのだが、同僚は何だか忘れ物に気付いて、「ちょっと待っててくれ」 と言って、宇宙船内に戻った。これによって、彼は思いがけなく、広大な宇宙空間に、何をすることもなく一人取り残されることになった。
ふとしたきっかけにより、宇宙の闇の中から青く瑞々しい地球を見下ろす超常的な空間の中で、超常的な時間を過ごした彼の心の中に、とても強く沸き起こってくる思いがあった。
「今、ここにいるのは 『私』 であって 『私』 ではなく、すべての生きとし生ける者としての 『我々』 なんだ。それも、今、この瞬間に眼下に拡がる青い地球に生きるすべての生命、過去に生きたすべての生命、そして、これから生まれてくるであろうすべての生命を含んだ 『我々』 なんだ」
これは、東洋思想における一つの到達点といえるものだ。東洋人が 「瞑想」 などによって得るこうした感慨を、彼は超常的時空の中で得てしまったのである。
忙しくしているばかりでなく、ふとしたきっかけでぽっかりとした 「間」 が得られるというのは、貴重である。どんな悟りが得られるかも知れない。
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