日本の漫画文化
その昔、米国のメディアが 「日本はいい年をした大人が電車で漫画に熱中する変な国」と、さも軽蔑的に紹介した。
しかし、そんなことで卑屈になる必要はない。あの記事を書いた米国人記者は、日本の漫画の魅力を理解できなかっただけだ。
ある雑誌の編集者と話をしていて、どういうわけか、「マトリックス・リローデッド」 の話題になった。彼はあの映画のアクションは日本のコミックそのものだという。それも池上遼一の世界だというのである。キアヌ・リーブスのファッションも、そういえば 「あの頃の日本」 である。
ちなみに、あの映画の監督のウォシャウスキー兄弟はかなりの漫画オタクで、日本のコミックスを読みふけっていたと聞いたことがある。日本の漫画文化は、何とハリウッドでブレイクしてしまったわけだ。
日本の漫画は子供の暇つぶしではない。大人が読みふけるだけの魅力を備えた文化であるということを理解しないと、日本の電車の中は恥ずかしい大人だらけということになる。
とはいえ、私自身の漫画センスは、一時代前のものになってしまっていることを感じる。私が漫画にいだくイメージは、複雑な網掛けやスミのない 「白っぽい絵」 である。赤塚不二夫ワールドだ。「鉄腕アトム」 のリバイバルで、昔の単行本が復活したりしているが、それをみても、やはり今の漫画よりずっと白っぽい。
今の世代があの時代の絵をみると、私の世代が 「のらくろ」 をみたような感覚があるかもしれない。
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