世代間タイムラグ
今、NHKラジオで特別番組 「新・話の泉」 というのをやっていて、立川談志などの出演者が、昔の行商の売り声や昭和20年代の演芸などの話題で盛り上がっている。
私は団塊の世代の後の生まれだが、なぜかよく憶えていて、懐かしくてたまらない。
私はなぜか、古い時代のことをよく知っているのである。どう考えても、団塊の世代の連中 (55~58歳ぐらい) よりもずっと年寄りじみている。妻からも 「大昔の人と暮らしてるみたい」 と言われることがある。
鈴が森で 「お若ぇの、お待ちなすっておくんなせぃやし」 と言ったのが播随院長兵衛という侠客で、「待てとお止めなされしは、拙者のことでござるかの」 と応えたのが白井権八という若侍。そしてその馴染みが吉原の小紫という花魁だったなんてことは、小学生の頃から知っていた。今の団塊世代のほとんどはこんなことは知らない。
なんで知っていたかというと、私は 「ラジオ・オタク」 だったのである。ラジオの演芸番組を聴いていれば、こんなことは常識だった。昔の人は寄席で耳学問していたのである。
しかし、それだけではない。私の生まれた山形県庄内地方は、時代の歩みが都会と比べて 10年は後れていたようなのだ。例えば、私は小学校 4年生まで、月に一度は学校で DDT 散布をされていた、保健所の職員が白衣を着てやって来て、我々の頭に DDT をふりかけ、のみならず、首筋から服の内側までプシュプシュと噴霧されていたのである。
関東生まれの人に聞くと、少なくとも58歳までの人はそんな経験はないというのである。「いつの時代の話だ」 と呆れられるのである。
どうも、私は大分昔の人間らしいのである。
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