気が遠くなるほどの長い時間
一昨日のこの欄に 「大通智勝如来が十劫もの長い間結跏趺坐した」 と書いたが、この 「劫」 というのは、仏教用語で 「とてつもなく長い時間」 を指す。「未来永劫」 の 「劫」 である。
ちなみに反対語は 「刹那」 (瞬間) になる。
1劫がどのくらい長いかというと、諸説ある。
ものすごく具体的に、「4億 3千 2百万年」 という説もある。そうすると、1劫前というのは、地質年代でいうとオルドビス紀からシルル紀に移行するあたりで、三葉虫が大発展した時期である。生物はまだ陸上に進出していない。
それよりも長い (と思われる) 時間であるという説もある。それは 「一つの星が生まれて消えていくまでの時間」 というのである。これは相当のものだ。大通智勝如来は星が10個生まれては消えていくという長い間、道場で座禅を組んでいたというわけだ。
しかし、私が一番気に入っている定義は次のようなものである。
1劫とは、1辺が40里 (160Km) の大岩石の表面を、3年に 1度降りてくる天女がその羽衣で1度だけさっと払い、その摩擦が繰り返されることによって大岩石がすり減ってなくなるまでという、気が遠くなるほどの長い時間であるというのである。天女が羽衣で払うのは 3年に 1度ではなく、100年に 1度という説もある。
まぁ、どんな具体的な定義をしてみたところであまり意味をなさないほどの長い長い時間のことなのである。
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